むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 寒天とゼラチン

    ふとした思いつきで寒天とぜラチンを楽天から購入しました。寒天やゼラチン(ゼリー)は低カロリーでヘルシーなデザートとして人気です。コンビニに行けば、フルーツミックスを寒天で固めたものなど美味しそうなものがたくさんあります。寒天のデザートの中にはゼロカロリーをうたったものもあります。これは、太らないからラッキーと喜んではいけません。人工甘味料で味付けしてあるだけですから、なんら健康にいいことはありません。ただ、どうしても小腹が空いて仕方ないなら、無駄にカロリーのあるデザートよりはマシかなと思います。

    人工甘味料のなかでも注意が必要なのは果糖です。ジュース類にはほとんど入っています。非常に甘みが強いのと、トウモロコシデンプンを加水分解して大量に安く作れることから多用されています。この果糖は無駄にカロリーが高いだけでなく、体の中でエネルギーとして使われずに余った場合、中性脂肪に変換されます。健診などで中性脂肪が高かった場合、このようなジュース類を取っていないか振り返ってみてください。先日、コーヒーは体に良いと書きましたが缶コーヒーは最悪です。飲んで体に良いことは何もありません。糖尿病まっしぐらです。同じお金を出すならコンビニでいれたてコーヒーを買いましょう。

    さて、私がゼラチンと寒天を買ったのは、自分でデザートをつくるためです。寒天はテングサからできており、食物繊維です。一方、ゼラチンはコラーゲンです。原料により魚由来とか豚由来とかあります。魚や豚肉を煮付けると汁が冷えて固まるのはゼラチン(コラーゲン)がたっぷり入っているからです。今日からコーヒーでも味噌汁でも何にでもコラーゲンを入れてたべてみようとおもいます。フィッシュコラーゲンの方が匂いがしないで何にでもあいます。食べたコラーゲンは一旦消化されますが、ビタミンCにより体内でコラーゲンに再構築されます。

    追記:その後調べたらゼラチンはコラーゲンをたくさん含みますが同じものではないようです。私が買ったのはフィッシュコラーゲン100%で、水に溶けます。そして、冷やしても固まりませんでした。

  • 最近私が毎日食べるもの

    冬は毎日のように豚汁を食べていました。作るのが簡単で、あっという間にできます。しかも、野菜も肉もたっぷり取れますから栄養バランスがいいです。だしは肉と野菜から出るので味付けは味噌だけでいいのですが、酒粕も入れて粕汁のような味付けにするのもいいです。ヘルシーですから、毎日食べていいと思います。味噌汁は高血圧の人は塩分制限のためあまり飲まないようにと指導されているかもしれませんが、野菜をたっぷり入れると、野菜に含まれるカリウムが塩分を排泄する働きがあるため、多少の塩分は大丈夫です。しかも、味噌は発酵食品ですから健康には毎日取りたい食材です。

    一方、今の季節は少しメニューを変えました。ほとんど毎日食べているのはゴーヤチャンプルです。豚肉、ゴーヤ、シイタケ、もやし、キャベツなどを炒めて豆腐を入れます。白だしをたっぷりかけて汁気を少し飛ばしたら溶き卵を入れて軽く炒めます。あっという間に完成します。栄養価が高く夏の優れたメニューです。ゴーヤを切ると中に種が入っているのでそれは取り除かないといけませんが、種の周りにある白いふわふわした綿のようなところは取らずに食べたほうがいいそうです。ビタミンCが豊富ですから、捨てるのはもったいないです。

    こういう野菜炒めに使っているのが鉄製の中華鍋です。鉄は火の通りが良く、家庭のIHコンロでも野菜炒めがとても美味しくできます。高温になるため汁気はあっという間に飛んでしまい、水っぽい野菜炒めにはなりません。一度この鉄鍋を使うとテフロンの低温の鍋は使い物になりません。多少焦げてもスチールたわしでゴシゴシ洗えます。また、鉄分が料理に入って貧血予防になります。いいことづくめです。

  • コーヒーは健康に良い

    仕事から帰っていつものようにテレビを見ていたら、健康番組をやっていました。卵は健康に良いから食べましょうという話がしばらくあっていましたが、これは私がいつも患者さんに勧めている内容でした。実際は卵だけでなくチーズや肉を食べて欲しいと思っています。ミート(M)エッグ(E)チーズ(C)でMEC食といいます。ご飯や麺などの炭水化物をできるだけ減らし、MEC食にしましょう。

    番組ではこの卵の効能を特集した後で、話題はコーヒーの話に移りました。コーヒーを1日に3ー4杯飲むと健康にいいというデータでした。5杯以上飲むと良い効果はなくなってしまうそうなので、飲み方に注意です。1日3ー4杯のコーヒーで脳卒中や心臓病をかなり減らすそうです。朝飲むのがいいというのと、食後に飲むより食事の最初から飲んだ方がいいというデータが出ていました。習慣的に、コーヒーといえば食後ですが、ファミレスなどでおかわり自由ならまずは食前に頼んで、食後にもお代わりをもらったりしますが、実はそれがいいみたいなので、これからは、自宅でも食前にコーヒーを入れようかと思います。カフェインがいいのであれば、緑茶でもいいはずです。また、ポリフェノールがいいのであれば、ワイン、ココア、チョコレートもおなじようなものです。

    このような健康ネタは私たち循環器内科医では欠かせないものです。時代は刻々と進んでおり、以前は論文に発表されてから世間で話題となるには相当時間差があったのですが、今ではすごい速さで最先端の知識がお茶の間の話題となります。こういう TVの話題は翌日私たちの診察の際に相談されますから、常に勉強していないとついていけません。私たちが大学で習った知識は論理的に考える基礎をなすものではありますが、すでに化石のようなものです。アップデイトは常に必要です。

  • 血糖はリブレで測る時代

    最近、血糖を測る画期的なデバイスが発売になりました。リブレという商品です。これまで血糖はハリで指に傷をつけて血液を絞って測る仕組みでした。もちろん病院でもこの方法を取ります。しかし、今度のリブレという器械を使うと、センサーを二の腕に貼り付けるだけで24時間持続的に血糖を測ることができます。スマホのようなデータ読取機を使って24時間データを取り続けます。すごいのはセンサーが2週間使えるということです。入浴も問題ないようです。これまで血糖といえば、食事前(空腹時)にはかったり、食後2時間ではかったりしてピンポイントでしかわからなかったのですが、リブレを使うと何を食べたらどのくらい上がるとか、食後に何分歩けば血糖の上昇を抑えられるか、リアルタイムで研究できます。飛躍的に血糖コントロールのノウハウが蓄積されつつあります。

    これまでは、使い捨てのセンサーが高くて保険診療では赤字になってしまうということで、一部の趣味的な研究でのみ使われていましたが、今回赤字にならないくらいの点数がついたという話です。当院ではまだ導入していませんが、いずれはこのような検査ができるようになります。夕方、健康番組を見ていると、血糖の話だけで7時から10時まで3時間の長時間番組をやっています。内容は殆ど役に立つ情報はありませんでしたが、リブレを使い解説しているところが印象的でした。

    結局リブレを使うと何を食べると血糖が上がってしまうか、ストレスではどうか、運動はどういう風にしたらいいかがひと目でわかります。よく野菜を先に食べたほうが血糖を上げないといいますが、それが本当かどうかもこのリブレを使うと検証できます。私の友人が確かめたデータによると、野菜を先に食べても、食事全体が早食いだとまったく血糖を抑える効果はないそうです(言われてみれば至極あたりまえ)。同じ食事でもゆっくりたべることが大切なようです。このように、健康法にはいろんな通説がありますが、本当かどうかは疑ってかかること、そして自分で確かめることが大切だと思います。

  • 五月病の季節

    連休最終日は雨になったため、家でのんびり過ごしました。この連休は、久しぶりにゆっくりできました。明日からは忙しいと思います。この連休中に診察できなかった患者さんたちが一気に来院されるので、混雑が予想されます。できるだけ、待ち時間が長くならないよう対策したいと思います。

    「そこまで言って委員会」という番組を見ていたら五月病のことが話題になっていました。まさにこのゴールデンウィーク明けは五月病の季節となります。新しい職場や役職についてから1ヶ月、頑張っては来たもののうまくいかない、という人がこの連休で1週間ほど休んだところ、緊張の糸が切れてしまい、連休明けに仕事に行こうとしたら体調不良で行けなくなった、という感じです。通常、こういった症状で内科を受診しても、頭痛薬や胃腸薬をもらってそれでおしまいです。それではたいした解決にはなりません。心療内科を探すと、たいてい予約制になっており、1ヶ月位先でないと予約はとれません。精神科も同じ状況です。当院はなんとかこのように困っている患者さんにその日のうちに対応しようと頑張っています。あまりに大勢が殺到されると、他のかかりつけ患者さんの待ち時間が長くなって迷惑をかけてしまうため、心療内科の新患さんは順番を後ろに回させていただいたりしています。申し訳ありませんが、ご了承下さい。それでも、その日のうちになんとか対応する体制を取っています。

    このような心療内科希望の患者さんで、薬はいいからカウンセリングを希望と言われる場合があります。当院は内科系のクリニックですから、カウンセリングは行っていません。カウンセリングを希望の際には精神科系のクリニックを受診して下さい。抗うつ薬は怖いから漢方を希望という患者さんも結構こられます。漢方で大丈夫そうなら希望通りに漢方でいきますが、あまりにうつ状態が深刻な場合は、抗うつ薬も使います。漢方だけで治せそうにないと思ったら、患者さんのメリットを考えると、希望に添えない場合があるということです。

    熊本県庁にて新緑の銀杏並木