むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 整形では教えてくれない骨の健康について

    寒天を買った話を先日書きました。その後、毎日寒天を作っています。小腹が空いた時たっぷり食べてもほとんどカロリーゼロですから重宝します。私の場合、中には変わった物をいれて作ります。桑の葉パウダー、緑茶のパウダー、シナモンパウダー、それにフィッシュコラーゲン。たっぷり入れてコラーゲンゼリーにします。桑の葉は糖分の吸収を抑える働きがあり、食後血糖の上昇を抑える働きがあります。ミネラルも豊富です。緑茶は御存知の通りカテキンです。シナモンは全体をデザート風の香りにしてくれるだけでなく、血行を良くします。コラーゲンは体を構成する最も大切な成分です。皆さんしわ取りの化粧品のことばかり考えるかもしれませんが、私達の骨もコラーゲンでできています。建物に例えるなら、コラーゲンが鉄筋で、カルシウムがコンクリートみたいなものです。骨粗鬆症の治療では骨密度のことばかりいいますが、コラーゲンがなくてカルシウムだけがついた骨はポッキリと折れることが知られています。骨粗鬆症の薬はそれだけではほとんど意味が無いのです。

    そのため、私は骨粗鬆症の薬をめったに処方しません。きちんとバランス良い食事をして運動しないと、薬を飲んだだけでは骨は強くならないのです。私はテキサスのヒューストンの近くに留学していました。ヒューストンにはご存知NASAがあります。私の研究室はNASAとコラボしていたので、共同のプロジェクトを持っていました。私は呼吸器の生理学を研究するチームだったので、NASAの研究員ともその分野での実験を分担していました。一方、別のラボでは、骨粗鬆症を研究していました。無重力の宇宙空間で狭い部屋にじっとしているとあっという間に骨がすかすかになってしまい、パイロットが地上に帰還した際に立てなくなります。そこで、骨粗鬆症の予防をどうするかという研究がされていました。

    結論から言うと、骨に重力をかけてやらないと骨は弱くなります。無重力でも骨に付加をかけて運動する事が必要です。それに近いのが寝たきりの老人です。薬を飲んで寝ていても骨は強くなりません。私が骨を丈夫に保つために大事だと思うのは、コラーゲンをしっかり取ること、カルシウムとビタミンDをしっかりとること(ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける)、ビタミンCをとること(ビタミンCは食べたコラーゲンが消化吸収されたあとに体内でまたコラーゲンとして再構築されるために必須)、十分日に当たること(日にあたると体内でビタミンDを合成する)、運動すること、血糖を上げないこと(血糖を上げると骨の中のコラーゲンが糖化して劣化します)といったことです。骨の薬を飲んで安心しているあなた、大丈夫ですか?