むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 腰痛に「かたお」で指圧

    土曜の午後は診療が終わってからヘルスケアセンターに学校心臓検診に行きました。今年度もいよいよ健診の始まりです。子供の場合は成長という変化がありますから、前回の健診ではっきりしなかった病変の追跡調査という仕事があります。今日の健診はそういった追跡調査が主でした。2-3年前に一度精密検査となったものの、その時点では経過観察となって今年再検査となった人たちです。幸い、ほとんどの子どもたちは今回の検査を異常なしでクリアーして追跡終了となりました。ご両親もホッとされたこと思います。

    こういう心臓健診で最も頼りになるのは検査技師さんたちの活躍です。わたしたち循環器内科のドクターは、大人をいつも見ていますが、子供は専門ではありません。そこで、慣れた検査技師さんたちに心臓に先天的な異常がないか、川崎病のあとに起こる冠動脈瘤が見られないかなど細かく検査してもらいます。本当に頼りになります。

    健診が終わって家にかえったら股関節に痛みが出ました。一日中椅子に座って、左側に座る患者さんを診察するため体を左に捻っているので、足に変な負担がかかったものと思われます。痛かったのは腰骨の外側なのですが、その原因と思われる腰椎2-4番目あたりを指圧ボールの「かたお」で指圧しながらテレビを見ていたら15分位で治りました。ほんとうに便利な道具です。「かたお」の紹介→ http://www.joinus1980.com/SHOP/3B-4706.html

  • 健康の基本はセルフケア

    熊本市東区の医師会の会合があり、参加してきました。近隣の開業の先生方とお会いして、一緒に情報交換をするいい機会です。同業者同士、同じ悩みを抱えている仲間でもあり、ビジネス上ではライバルでもあります。お互い切磋琢磨してさらなる医療サービスの向上を目指すのみです。

    いろんな先生のお話を聞くと、みなさんお元気で、ご自身の健康管理もしっかりされています。セルフケアです。クリニックの近くに評判のイタリアンレストランがあっても、自分の健康を考えてまだ行ったことはないと言われます。毎日診療が忙しい中、夜の十二時頃から2Lのペットボトルを5本(合計10キロ)を担いでランニングしている先生もおられました。さすがにその先生は警察の職務質問を受けたというオチが付いていました。

    私達開業医は自分の健康が全てです。万一自分が体調を崩すと、その途端収入がストップしてしまいます。健康が全てです。案外ドクターは人間ドックなどの健診を受けないものですが、日頃の健康管理に関してはプロです。昔は毎日夜の街で飲み明かし、週末はゴルフというドクターも多かったですが、時代は変わっています。ストイックにジムに通ったり、徒歩通勤で片道1時間というような真面目な生活をしている人がほとんどです。

    もうすぐ取り壊しになる熊本駅白川口

  • 心療内科には内科系と精神科系があります

    「こころに効かせる漢方」という講演会があり、参加してきました。ホテルの会場は追加の座席が所狭しと入れらて大入り満員でした。私もこの手の講演会では演者として話すことが多いのですが、今日は一番後ろの方で出された弁当を食べながらのんびり聞きました。それにしても、漢方に対するニーズが高まる昨今、医師の側も勉強に精をを出しているのがうかがい知れます。

    こういう講演では、演者の先生の診察スタイルや診療のコツなど聞くことができて得られるものは大きいです。今回の演者のお一人は熊本心身医療クリニックの松尾先生でした。こちらの病院は当院からも割と近いため、患者さんがあちらにかかったりこちらにかかったりします。心療内科には当院のように内科をベースとしている施設と、精神科を専門としている施設があります。どちらに軸足があるかは、標榜科を見ればわかります。当院は「内科、循環器内科、心療内科、漢方内科」と標榜しているので内科系です。精神科系は「心療内科・精神科」と書かれていることが多いと思います。

    この2つの違いが何かというと、内科系は身体症状の鑑別を得意としますから、動悸がすれば心臓や甲状腺などまで調べるし、ストレスで胃が痛いといえば胃腸疾患のことまで考えます。一方、精神科系の場合、生い立ちから家族構成、発育歴に至るまで事細かにお話を聞くところから始まります。カウンセリングや精神療法、認知行動療法などを希望する場合精神科系へ、身体疾患の可能性も捨てきれない場合は内科系の心療内科がおすすめです。

  • 臨床治験

    済生会で臨床治験(臨床研究)があり、参加してもらえないかということで、打ち合わせ会に行ってきました。心房細動のある高齢者の患者さんに脳梗塞予防をどこまでしたほうがいいかという研究内容です。心房細動とは、不整脈で心拍が一定せずバラバラに打つようになるものです。心臓の中に血栓ができるとそれが脳に飛んでひどい脳梗塞を起こすことが知られています。以前はその予防にワーファリンしか無かったのですが、最近は使い勝手の良い抗凝固薬があり、広く使われるようになっています。

    一方、高齢で体も小さく、腎機能なども衰えてくると、この様な抗凝固薬で出血の危険性が出てきます。現に、消化管出血などはしばしば目にします。胃潰瘍や大腸からの出血は放っておくと貧血がどんどん進むため、いくら脳梗塞の予防のためとは言え、抗凝固剤を続けられなくなります。そこで、製薬会社や国が定めた規定の用量は諦めざるをえないのですが、脳梗塞の予防を完全位諦めるべきか、規定の半分でもいいから少しだけ投与したほうがいいのか、というテーマは誰も答えを持ち合わせていません。

    そこで、そのような出血リスクのある患者さんで低用量の抗凝固剤を用いて脳梗塞予防をするか、しないかのいずれかに割り付けて追跡調査をするという研究です。もし、臨床治験に参加いただける場合、済生会での月に1回の受診は無料で受けられるそうです。当院からは少し遠いですが、交通費も出るそうなので、興味のある方はご協力よろしくお願いします。

  • 4月はストレスの季節です

    新年度に入り、はや1週間が経ちました。当院前にある東稜高校では入学式でした。この4月から新しい仕事についたり、部署が変わったり、昇格して責任が増えたり、いろんな変化があることと思います。4月いっぱいは一生懸命仕事をおぼえて働こうとします。そう、みなさん気が張っていて気がつかないかも知れませんが、4月はストレスの季節なのです。ある時ぷっつり糸が切れたように緊張が切れて「もう仕事に行けない」という事態に陥ることがあります。いわゆる五月病です。

    心療内科を標榜していると、すでに五月病とも言えるような症状で来院される方がいます。以前同じような症状で苦しんだいう場合、その経験から早めに来院されます。もちろん、早めに対処すれば、あまりひどくならずにすむと思います。しかし、多くの場合、5月の連休までなんとか頑張って、休みが開けた途端に体が動かなくなったというパタンが多いようです。去年の5月は当院も大忙しでした。

    新しい仕事が覚えられない、自分の実力を超えている、部下を思ったように引っ張れない、など責任感が強いのに思ったようにいかず、自分を責める人が調子を悪くします。今のうちから、わからないことは前任者や上司に相談しましょう。うるさがられるとか、迷惑かけるとは考えず、図々しく聞くしかありません。案外聞いてみると教えてくれるものです。本来、教える側は教えてもらう側より偉そうに振る舞えるため、気分は悪くないと思います。

    また、忙しすぎて、朝昼ごはんを食べないというのもよくありません。晩ご飯だけでも栄養たっぷり取ればいいのですが、帰ったら疲れて寝るだけという場合、気がついたら極度の栄養失調で体調を崩してしまいます。甘いものは食べても意味がありません。チーズや卵、ナッツなど、コンビニでも買える栄養のあるものをつまむだけでも全然違うと思います。体調の自己管理は社会人としての責任です。