むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • みんな横並びを好む日本人

    いよいよGWですね。天気もいいようですが、皆さんいかがお過ごしですか?私は連休の前半は残念ながらあまりゆっくりできません。私達開業医は毎月1ヶ月分の診療報酬請求(レセプト)チェックを月初めに行います。私がチェックして、さらに医療事務で訂正作業があります。これを期限までに済ませないといけないのですが、何しろ連休ですから、作業できるのは祝日でない5月1日、2日、7日、8日の4日間しかありません。その4日は事務作業に専念できるように、私のチェックは5月1日には終わらせておきたいのです。折角の連休ですが、朝から晩までずっとレセプトチェックです。また、クリニックはこの連休を利用してワックス清掃が入るため、一日院内にいないといけません。

    仕事が休みの人もいれば、小売業や飲食店などここが一番忙しくなる業種もあることでしょう。ご苦労さまです。実は、日本は世界でも有数の祝日の多い国です。日本人が休んでいるうちに世界はどんどん進みます。アメリカも中国も東南アジア各国も猛烈に働いています。経済力も日本だけが停滞して他国は伸びていますから、比較すると日本はとても貧しい国になってしまいました。海外に行かず日本国内で過ごしていれば、物価が安定していて過ごしやすいのですが、外国では物価が高くてびっくりします。逆に、中国人などからすると日本は物価が安くて買い物天国です。数十年前は日本から中国に旅行すると1週間の滞在でも1万円を使い切れないほどの物価でしたが、今や逆転しています。

    生活費ランキングは日本は21位だそうです。ビッグマック指数というのがあり、世界中でビッグマックがいくらで売られているかと言う経済指標が有ります。日本は390円。一位のスイスは720円、スエーデン660円と各国500円以下というのはほとんど有りません。ぜひネットで調べてみて下さい。

    日本がこんなに祝日が多いのは実は日本人の心理的問題があると思います。みんなが休みでないと自分だけ休みを取りづらい。だからみんなで休みましょうということになる。そうすると、国が休みの日まで設定して来るのです。結果、どこへいくにも大渋滞です。外国は祝日が少ない分、適当な時期にそれぞれが休みを取るので、分散される傾向にあります。みんな横並びでないと安心しない日本人と、個人主義の欧米の違いがここに見えます。

  • 情報は多いに越したことはない

    このところ外来患者さんの急増で大忙しです。新しい患者さんも多いので、聞き取りには時間がかかります。風邪のような新患はすぐに終わりますが、何ヶ月も悩んだ末にもう限界、と思って意を決してこられた患者さんの場合、数分の診察というわけにもいかず時間がかかります。たとえば、認知症ではないかと思ってご家族を連れてこられたとしましょう。受け答えがしっかりしていると、数分の会話では異常かどうかわかりません。かなり時間をかけて話しているうちに、やっぱり何か変だぞと思うわけです。ご家族にしてみれば、それが24時間続くわけですからどう見ても昔のおじいちゃんおばあちゃんの姿でないことはわかるでしょうが、私達が初対面でお会いして短時間でその人の個性なのか、病気なのかを判断するのは難しいものです。もちろん認知症のテストなどもありますが、それが全てではありません。

    時間をかけて面接すればいいのですが、あとに控えている患者さんのことを思うと、そんなに余裕はありません。限られた時間で診断をつけるには効率的に状況を把握する必要があります。当院では、医師の診察の前に専門の看護師や精神保健福祉士による聞き取りを行っています。そこで、できるだけたくさんの情報を頂いていると、実際の診察の限られた時間内に最大の情報が私の方へ伝わります。もちろん事前に言い忘れたことがなかったかは確認しますが、最初からいっておいていただくと効率的な診察ができます。

    他院で検査した検査結果のコピーやお薬手帳なども重要です。あのピンクの錠剤とか言われても、確認するのに時間がかかります。情報は多いほど助かります。緊張して上手く言えないようなら、メモしてきて下さい。色々話されなくても、それを渡してもらえば診察に役たちます。わたしは毎日、一人でも多くの患者さんに健康で幸せになっていただくため、努力しています。それが、当院の経営理念です。ご協力よろしくお願いします。

  • 不定愁訴は難しい

    5月の連休明けに当院近くに「やまのかみ眼科」がオープンします。今日は内覧会があっていたので、昼から挨拶に行ってきました。私の見ている患者さんの中にも近くに眼科ができるのを心待ちにしている方がおられます。最近この地域は新しい病院が次々とたってきました。住民の方にとっては喜ばしいことと思います。わたしども東区医師会のみんなで連携しながら、地域住民の皆さんの健康にお役に立てたらと思います。

    夕方からは、東方医学研修会というセミナーで、私が当番で講演しました。今回のテーマは不定愁訴です。不定愁訴と言うのは、我々診療をする側にとっては手ごわい患者さんです。問診票に「どうしましたか」という欄を見ると、「頭が痛い、動悸がする、吐き気がする、眠れない、イライラする、食欲がない、疲れがとれない」などぎっしり書いてあります。通常の内科なら「頭痛」とか「熱が出た」と言う感じで訴えは一つ、たまに2-3個です。しかし私のクリニックのように漢方や心療内科を標榜していると、他の病院にかかっても治らなかった難しい症例や、訴えが多すぎて「脳神経外科」「消化器内科」「産婦人科」などなど、どの診療科にかかっていいかわからないで困っている方が来られます。

    このような多彩な訴えを一つずつ採血、心電図、レントゲン、胃カメラ、CTなどと検査をしていてはお金も時間も相当かかります。そして、調べた結果何もよくわからなかった、ということになるか、胃が少し荒れているから胃薬、血圧が高かったので血圧の薬、など本来の訴えと関係ない治療がとりあえず追加される場合もあります。このような手強い不定愁訴をいかに病態把握して治療するかを講演してきました。

  • 「見守る」ことの大切さ

  • 4月22日(日)は当番医です

    昼に往診に行った帰り、突然爆音が聞こえてきました。空を見上げると戦闘機が1機、熊本市東区の上空を飛んでいました。有事かと思いましたが、飛び方が超音速に達していなかったこと、1機だけだったことから、おそらく心配ないだろうと思っていました。夕方ニュースを見ていたら、米軍ヘリが熊本空港に緊急着陸したと言っていました。おそらく、それを受けて自衛隊が偵察機をすぐに飛ばしてきたものと思います。素早い対応です。こういう偵察機は、熊本地震の際にも地震発生数分後には飛んできていたとのことでした。明るい時間に飛んでいるのは私も見ました。おそらく戦闘機の基地は熊本にはないので、福岡あたりから飛んできているのでしょうが、ものの数分でしょう。新幹線で30分もすごいですが、飛行機は本当に早いです。

    医療ではドクターヘリというのがありますが、私が国立病院で救急担当をしていた時は自前のヘリはなく、県の災害救助用のヘリを依頼していました。今は国立病院にはヘリポートがありますが、当時は二の丸公園に着陸していました。天草から15分で飛んできても、二の丸から病院の救急外来まで30分以上かかることもありました。今となっては懐かしい話です。

    ところで、今度の4月22日(日)は休日当番医です。朝9時から夕方5時まで内科系の疾患をお受けいたします。同日のその他の当番医情報を掲載しておきますので、ご参照下さい。