むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 臨床治験

    済生会で臨床治験(臨床研究)があり、参加してもらえないかということで、打ち合わせ会に行ってきました。心房細動のある高齢者の患者さんに脳梗塞予防をどこまでしたほうがいいかという研究内容です。心房細動とは、不整脈で心拍が一定せずバラバラに打つようになるものです。心臓の中に血栓ができるとそれが脳に飛んでひどい脳梗塞を起こすことが知られています。以前はその予防にワーファリンしか無かったのですが、最近は使い勝手の良い抗凝固薬があり、広く使われるようになっています。

    一方、高齢で体も小さく、腎機能なども衰えてくると、この様な抗凝固薬で出血の危険性が出てきます。現に、消化管出血などはしばしば目にします。胃潰瘍や大腸からの出血は放っておくと貧血がどんどん進むため、いくら脳梗塞の予防のためとは言え、抗凝固剤を続けられなくなります。そこで、製薬会社や国が定めた規定の用量は諦めざるをえないのですが、脳梗塞の予防を完全位諦めるべきか、規定の半分でもいいから少しだけ投与したほうがいいのか、というテーマは誰も答えを持ち合わせていません。

    そこで、そのような出血リスクのある患者さんで低用量の抗凝固剤を用いて脳梗塞予防をするか、しないかのいずれかに割り付けて追跡調査をするという研究です。もし、臨床治験に参加いただける場合、済生会での月に1回の受診は無料で受けられるそうです。当院からは少し遠いですが、交通費も出るそうなので、興味のある方はご協力よろしくお願いします。