むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 心療内科には内科系と精神科系があります

    「こころに効かせる漢方」という講演会があり、参加してきました。ホテルの会場は追加の座席が所狭しと入れらて大入り満員でした。私もこの手の講演会では演者として話すことが多いのですが、今日は一番後ろの方で出された弁当を食べながらのんびり聞きました。それにしても、漢方に対するニーズが高まる昨今、医師の側も勉強に精をを出しているのがうかがい知れます。

    こういう講演では、演者の先生の診察スタイルや診療のコツなど聞くことができて得られるものは大きいです。今回の演者のお一人は熊本心身医療クリニックの松尾先生でした。こちらの病院は当院からも割と近いため、患者さんがあちらにかかったりこちらにかかったりします。心療内科には当院のように内科をベースとしている施設と、精神科を専門としている施設があります。どちらに軸足があるかは、標榜科を見ればわかります。当院は「内科、循環器内科、心療内科、漢方内科」と標榜しているので内科系です。精神科系は「心療内科・精神科」と書かれていることが多いと思います。

    この2つの違いが何かというと、内科系は身体症状の鑑別を得意としますから、動悸がすれば心臓や甲状腺などまで調べるし、ストレスで胃が痛いといえば胃腸疾患のことまで考えます。一方、精神科系の場合、生い立ちから家族構成、発育歴に至るまで事細かにお話を聞くところから始まります。カウンセリングや精神療法、認知行動療法などを希望する場合精神科系へ、身体疾患の可能性も捨てきれない場合は内科系の心療内科がおすすめです。