むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 会社をやめたくてもやめられないときには・・・

    金曜の夜は東区のささえりあ主催の連携の会でした。医療介護系の事業所の代表者が一同に集まり、顔の見える関係づくりです。会場には所狭しと120名程度の人が集まりました。病院だけでなく、訪問看護、介護事業所、デイケア、老人ホーム、鍼灸院、その他いろんな職種の人が一斉に集まります。東区役所からは区長さんを始め保険行政に関係する方々も来られていました。また、東区に事務所がある弁護士さんも参加されていたので、色々相談できて有意義な会でした。

    当クリニックで結構相談されるのが、会社で鬱になってもうこれ以上は働けないと退職願いを出しては見たものの、上司や経営陣からやめさせてもらえずどうしたら良いでしょうというケースです。もしかしたら、うつのために頭がうまく働かずにきちんと上司に相談できていないのかもしれません。わたしは、こういうケースでは、今すぐ退職と決めなくても2-3ヶ月の休職をできるように診断書を書きますから、体調が落ち着いてからゆっくり退職するか職場復帰するかを決めて下さいとお話ししています。

    しかし、しばらく休んで体調は戻ったところで、復職するとまた残業やストレスフルな仕事にさらされ、再度体調を壊すのは目に見えているという場合、家族で話し合ってやっぱり退職したいという場合があります。そこまで考えて退職するのなら、あとで悔いはないと思うのですが、退職したいと申し出てもやめさせてもらえずにまた鬱になる方がいます。今日弁護士さんに相談したところ、そういうケースは弁護士さんに頼むと書類一枚で法的にきちんと退職できるのでまったく心配ないとのことです。自分で会社と交渉する自信のない場合、法律の専門家に頼んだほうが間違いないようです。たいへん勉強になりました。

     

     

  • アルツハイマーは治せる?

    連休が続くと今日が何曜日かわからなくなります。ゴミ出しの日も思い出さず、今週はごみを出し損ないました。今日は朝から地域医療センターの協力医として勤務してきました。インフルエンザは出ませんが、胃腸炎や夏風邪と思われる扁桃腺炎で39度くらいの発熱をしている人が大勢いました。みなさんもご注意下さい。

    ところで、夕方の健康番組でアルツハイマーが初期なら90%治る!?という番組がありました。これは見ないといけないと思っていたのですが、夕方5時からウォーキングに出かけたところ、思いの外時間がかかって往復18キロも歩いてしまいました。家に帰り着いたのは夜の9時前。いそいでTVをつけたらまだアルツハイマーの治療法をやっていました。ということは、夕方7時に始まった番組で最後の最後までそのネタで引っ張っていたのでしょうか。ギリギリ、治療法についての大事なところを見ることができました。結論。1. 食事を気をつけること(ブロッコリー、きのこ、サーモンなどがいい)。夕食から朝食まで12時間以上開けて飢餓状態を作ること。 2. 睡眠 8時間以上よく寝ること。3, 運動すること。特に筋トレが効果的 4 その他サプリなどをとること(内容に関してTVで紹介しなかった)

    結局1-3まではあたりまえのことで何ら新しいことではありません。超がっかりな話です。仕方ないので、番組のもととなったブレデセン博士著「アルツハイマー病の終焉」をAmazonで注文しました。この番組で紹介されたリコード法(ReCODE protocol)と言うのをネットで検索してみると、TVで紹介された食事や睡眠、運動はほんの一部で、紹介されなかったサプリの情報が膨大であることがわかりました。あまりに専門的で大量のサプリを必要とするためテレビでは言わなかったのだと思います。いろいろ調べたところ、いま、私が毎日飲んでいるビタミンBミックス、C, E, D、ナイアシン、MCTオイル(ココナッツオイル)、亜鉛、マグネシウム。これらすべてアルツハイマー治療になるので推奨されていました!自分で調べたい方は→www.alzhacker.com/mend-practice/#CDP

    読んでみるとわかりますが、結構根性がいります。簡単でないですが、効くと言われればやってみる価値はあります。アメリカのサプリはiHerb.comで簡単に個人輸入できます。

    こどもの日に熊本県庁を通りかかったらこいのぼりが屋上に泳いでいました。

  • 食べてうつぬけ

    連休中日の2日間は通常通りの外来診療でした。今週はこの2日だけしかやっていませんので、通常の血圧などの薬の患者さんは今週を避けて来週以降になるよう処方を調整していました。そんなに混むことはないだろうと思っていましたが、結構忙しい2日間でした。明日からいよいよ連休も後半にはいります。私は3日は訪問診療をいつものように回ります。5日は地域医療センターの協力医として朝早くから内科の急患対応をします。結局休めるのは4日と最後の6日だけです。それでも、開業前は透析担当医として盆も正月も全く関係ない生活でしたので、今のほうが恵まれています。皆さんはどんな予定ですか?

    不安障害という病気があります。美容室やレストラン、ショッピングモール、トンネル、エレベータ、高速道路などいろんな場面で急に不安な気持ちに襲われて息苦しくなったり動悸がしたり、ひどいときにはパニックを起こしてしまうような疾患です。薬では、抗不安薬が症状を軽くしますが、これがないとまた不安になるという悪循環に陥るため、最近はできるだけ抗不安薬を使わず抗うつ薬で治療します。ただ、抗うつ薬では効果が出るまでに2週間以上かかるため、この連休に旅行にいくのでなんとかしてほしいと言われても間にあいません。そういう場合は仕方ありませんが、抗不安薬で乗り切っていただいています。最近はこういう不安障害やうつ病は鉄欠乏、蛋白不足、炭水化物のとりすぎが背景にあると言われています。採血で血清鉄とフェリチンを測って低いようならそういった食生活の改善でよくなることもあります。「食べてうつぬけ」という本に詳しく書いてあります。興味ある方はぜひご一読下さい。当院でもこの本にあるような食事療法とサプリの使用を勧めています。

     

     

  • みんな横並びを好む日本人

    いよいよGWですね。天気もいいようですが、皆さんいかがお過ごしですか?私は連休の前半は残念ながらあまりゆっくりできません。私達開業医は毎月1ヶ月分の診療報酬請求(レセプト)チェックを月初めに行います。私がチェックして、さらに医療事務で訂正作業があります。これを期限までに済ませないといけないのですが、何しろ連休ですから、作業できるのは祝日でない5月1日、2日、7日、8日の4日間しかありません。その4日は事務作業に専念できるように、私のチェックは5月1日には終わらせておきたいのです。折角の連休ですが、朝から晩までずっとレセプトチェックです。また、クリニックはこの連休を利用してワックス清掃が入るため、一日院内にいないといけません。

    仕事が休みの人もいれば、小売業や飲食店などここが一番忙しくなる業種もあることでしょう。ご苦労さまです。実は、日本は世界でも有数の祝日の多い国です。日本人が休んでいるうちに世界はどんどん進みます。アメリカも中国も東南アジア各国も猛烈に働いています。経済力も日本だけが停滞して他国は伸びていますから、比較すると日本はとても貧しい国になってしまいました。海外に行かず日本国内で過ごしていれば、物価が安定していて過ごしやすいのですが、外国では物価が高くてびっくりします。逆に、中国人などからすると日本は物価が安くて買い物天国です。数十年前は日本から中国に旅行すると1週間の滞在でも1万円を使い切れないほどの物価でしたが、今や逆転しています。

    生活費ランキングは日本は21位だそうです。ビッグマック指数というのがあり、世界中でビッグマックがいくらで売られているかと言う経済指標が有ります。日本は390円。一位のスイスは720円、スエーデン660円と各国500円以下というのはほとんど有りません。ぜひネットで調べてみて下さい。

    日本がこんなに祝日が多いのは実は日本人の心理的問題があると思います。みんなが休みでないと自分だけ休みを取りづらい。だからみんなで休みましょうということになる。そうすると、国が休みの日まで設定して来るのです。結果、どこへいくにも大渋滞です。外国は祝日が少ない分、適当な時期にそれぞれが休みを取るので、分散される傾向にあります。みんな横並びでないと安心しない日本人と、個人主義の欧米の違いがここに見えます。

  • 情報は多いに越したことはない

    このところ外来患者さんの急増で大忙しです。新しい患者さんも多いので、聞き取りには時間がかかります。風邪のような新患はすぐに終わりますが、何ヶ月も悩んだ末にもう限界、と思って意を決してこられた患者さんの場合、数分の診察というわけにもいかず時間がかかります。たとえば、認知症ではないかと思ってご家族を連れてこられたとしましょう。受け答えがしっかりしていると、数分の会話では異常かどうかわかりません。かなり時間をかけて話しているうちに、やっぱり何か変だぞと思うわけです。ご家族にしてみれば、それが24時間続くわけですからどう見ても昔のおじいちゃんおばあちゃんの姿でないことはわかるでしょうが、私達が初対面でお会いして短時間でその人の個性なのか、病気なのかを判断するのは難しいものです。もちろん認知症のテストなどもありますが、それが全てではありません。

    時間をかけて面接すればいいのですが、あとに控えている患者さんのことを思うと、そんなに余裕はありません。限られた時間で診断をつけるには効率的に状況を把握する必要があります。当院では、医師の診察の前に専門の看護師や精神保健福祉士による聞き取りを行っています。そこで、できるだけたくさんの情報を頂いていると、実際の診察の限られた時間内に最大の情報が私の方へ伝わります。もちろん事前に言い忘れたことがなかったかは確認しますが、最初からいっておいていただくと効率的な診察ができます。

    他院で検査した検査結果のコピーやお薬手帳なども重要です。あのピンクの錠剤とか言われても、確認するのに時間がかかります。情報は多いほど助かります。緊張して上手く言えないようなら、メモしてきて下さい。色々話されなくても、それを渡してもらえば診察に役たちます。わたしは毎日、一人でも多くの患者さんに健康で幸せになっていただくため、努力しています。それが、当院の経営理念です。ご協力よろしくお願いします。