むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 夜間頻尿について

    気温が下がると、夜に何度もトイレに起きるという訴えをよく聞きます。夜間頻尿は一晩に3回以上となると睡眠にも悪影響を及ぼすため、治療の対象となります。夜間頻尿になる原因にはさまざまなものがあります。まず、除外しないといけないのは膀胱炎や尿路感染症です。残尿感や排尿痛などがあればその可能性が高く、検尿をすることで診断がつきます。これらの感染症でない場合、次の鑑別に移ります。

    男性では、前立腺肥大が頻尿の原因としてよく見られます。前立腺の肥大によりしっかり排尿ができず、残尿が増えることで頻尿が起こります。一方、女性に多いのは過活動膀胱です。膀胱が敏感になり、尿が少しでも溜まるとトイレに行きたくなる状態です。また、高齢者では日中に下肢に溜まった水分(むくみ)が夜間に体内に戻り、尿量が増えることも一因です。心不全の場合もあるし、長時間同じ姿勢で座っているのも原因となります。

    夜間尿の対策

    まずは生活習慣の改善のヒントです。就寝前の数時間は水分を控える。塩分やアルコールの摂取を避ける。日中に適度な運動を行い、むくみを防ぐ。夕食後しばらく足を高くしておく。
    次に薬物療法についてです。
    前立腺肥大に対しては、前立腺肥大の治療薬を使うことで残尿が減り、夜間頻尿の改善が見られる場合があります。あまり即効性がないので気長に治療が必要です。過活動膀胱には、男女を問わず抗コリン薬やβ3受容体作動薬が有効です。男性に限り、夜間頻尿には、抗利尿ホルモン製剤が使用されることもあります。漢方薬も夜間頻尿に有効な場合があります。例えば、冷えが原因の場合は八味地黄丸や牛車腎気丸、過活動膀胱には清心蓮子飲などが選択肢となります。

    夜間の排尿回数だけでなく、1回1回の尿量を把握することが重要です。排尿日誌をつけることで、どの時間帯に尿量が多いのか、原因を特定しやすくなります。

    夜間頻尿は多くの人にとって日常的な悩みですが、適切な診断と治療により改善できる可能性があります。睡眠の質を向上させるためにも、気になるときは遠慮なくご相談ください。

  • もう春ですね

    日曜日は穏やかに晴れて、春を感じさせるような陽気でした。今週末は大学入試「共通テスト」だったようです。例年この時期は大雪が降って受験生を悩ませることが多いですが、今年は天気に恵まれて本当に良かったですね。

    新聞に掲載されていた試験問題を少し見てみたのですが、英語の試験は設問まで全て英語になっているのですね。驚きました。私たちの頃は問題文は日本語で書かれていましたが、全て英語となると、受験生にとっては少しプレッシャーがかかるかもしれません。

    私が設問まで全部英語の試験を受けた経験として思い出すのは、アメリカで運転免許を取得したときの経験です。日本ではルールブックをさっと読めば合格できる内容ですが、英語で試験を受けるとなると話は別です。当時は1週間ほどルールブックを読み込んで挑みました。幸い、留学先の日本人会に過去問が保管されており、それを利用できたのはとても助かりました。

    さて、話題は変わりますが、私はコーヒーが好きで、毎日2~3杯は飲みます。ペーパーフィルターを使ったドリップ式で、これまではカリタの陶器製のドリッパーを愛用していました。先日、無印良品で見かけたステンレス製のドリッパーが気になり、少し高価でしたが購入して試してみることにしました。

    最初に使ったとき、なぜかいつもよりコーヒーが苦く感じられ、豆の甘くまろやかな香りが十分に引き出されていない気がしました。原因を探ってみたところ、ドリッパーの穴の数がカリタでは3つ、無印では2つであることに気づきました。この違いが抽出時間に影響を与え、味にも変化をもたらしていたのです。

    カリタの公式サイトを見ると、3つ穴は雑味を抑えるための設計だと書かれており、なるほどと納得しました。しかし、せっかく購入した無印のドリッパーを活かしたいと思い、豆の量を少し減らし、お湯を一気に注がずに数回に分けて淹れる方法を試してみました。すると、以前より美味しい仕上がりになり、コーヒーの奥深さを改めて感じました。

    ステンレスの良さなど商品コンセプトがどこにも書いてないので私なりの解釈ですが、おそらくコーヒーを淹れるときに陶器製よりお湯が冷めにくいのではないかと思います。陶器のドリッパーを一旦お湯で温めて使えばいいと思いますが、それは面倒なので、すぐ使うとすれば、ステンレスのほうが熱を奪われないはずです。

  • Office365が大幅値上げ

    ネットでニュースを見ていたところ、マイクロソフトのオフィス365が大幅値上げされるとのこと。これからは毎年、何万円もの使用料を支払う必要が出てきそうです。サブスク型にはこうしたリスクがあるため、当院ではサブスク型ではなく買取型のオフィスを全パソコンに導入しています。日常業務ではGoogleスプレッドシートを使うため、エクセルを使用する機会はほとんどありません。ただし、パワーポイントだけは他のソフトに置き換えるのが難しいのが現状です。特に学会発表では、PowerPoint形式がほぼ標準となっているため、他のソフトでは互換性の問題でスライドが崩れてしまうリスクがあります。このような事情もあり、パワーポイントだけは依然として必要不可欠なツールだと感じています。

    一方で、WPSオフィスという格安ソフトも存在しています。私は自宅で複数台のパソコンを使用しているため、コストパフォーマンスの良いWPSを導入していますが、ほとんど互換性に問題はありません。ただし、厚労省から送られてくるエクセル調査ファイルなど、複雑な計算式が埋め込まれたものにどの程度対応できるかは試したことがないため、引き続き検討が必要だと感じています。また、厚労省のファイルがMacで開くとエラーになるケースもあり、このような問題は改善されるべきだと思います。

    話題は変わりますが、今日は福岡で漢方の講演が予定されていました。あちらに出向く予定だったのですが、急な都合で自宅からWEB配信での講演に変更することになりました。運営を担当されている方々には急なお願いをしてしまい申し訳なかったですが、ZOOMのようなツールの発達により、出張せずに仕事ができる利便性を改めて実感しました。

  • コロナ後遺症の治療

    明日は福岡で漢方の講演をする予定です。タイトルは「Long COVIDの中西医結合治療」というものです。Long COVIDとは、いわゆるコロナ後遺症のことです。当院はコロナが5類になった時から積極的にコロナ後遺症の患者さんの治療に取り組んでいます。

    多くの患者さんがコロナ感染後に倦怠感、長引く咳、めまい、動悸などに悩まされていました。かかりつけ医で相談しても対症療法的な対応や、場合によっては「治療法がないから経過観察」とされることが一般的でした。厚労省のコロナ後遺症治療ガイドラインでも、検査で異常がない場合には経過観察や専門医への紹介が推奨されていますが、その専門医が必ずしもコロナ後遺症に詳しいわけではなく、多くの患者さんがたらい回しにされている状況でした。

    私は漢方で治療すれば多くの症状が改善できるという手応えを得たため、当院のホームページや保健所を通じて「コロナ後遺症外来を実施します」と宣言しました。

    その結果、これまでにおそらく1,000名を超える患者さんが来院されました。漢方治療の結果、8割以上の患者さんが改善を見せましたが、やはりどんなに工夫しても改善しないケースも少なからずあります。しかし、初診時に車椅子で寝たきりに近かった患者さんが動けるようになり、仕事に復帰できた例もあり、治療に取り組んできた甲斐を感じています。今日は、匂いが分からないという患者さんが、漢方治療を続けた結果、8か月かけて匂いを正常に感じられるようになったという報告を受け、非常に嬉しい気持ちになりました。

    明日の講演でお話しする「中西医結合」というのは、中医学(漢方)と西洋医学の併用療法を指します。一方に偏ることなく、効果が期待できる治療法を洋の東西を問わず取り入れるアプローチです。

    現在では、多くの患者さんを診療して治療経験を積んだ結果、効率的に改善を目指す治療ができるようになりました。しかし、当初は試行錯誤の連続でした。過去のカルテを見返しながらスライドを作成していると、当時は非常に悩みながら治療を進めていたことを思い出します。

    医療は理論だけでなく、実際の臨床経験を通じて新たな治療法を模索することが重要だと改めて実感しています。コロナ後遺症という未知の病態に対する治療は遠回りも多かったですが、その経験があったからこそ現在の自分があると感じています。

    https://www.youtube.com/watch?v=M7z-PLe_RNU

    ノーランズのリンダ・ノーランがなくなったとの訃報を聞き、とても残念です。この曲を久しぶりに聞いたら青春時代がまぶたに浮かびました

  • 子ども大学くまもと

    昨日に引き続き、インフルエンザはかなり少なくなっています。その代わりに胃腸症状の患者さんが増えている印象です。感染性胃腸炎の典型的な症状は嘔吐と下痢ですが、今来院されている患者さんの多くは「ムカムカする」や「嘔吐した」と訴えるケースがほとんどで、「下痢をした」という人はあまりいません。この場合、胃腸炎ではなく胃炎の症状に近いと考えます。当院ではこのような消化器症状に対して、黄連解毒湯半夏瀉心湯を用います。また、発熱を伴う場合には葛根湯を併用します。西洋薬の胃薬や吐き気止めは症状を一時的に緩和する可能性はありますが、原因そのものを改善するには漢方薬の方が効果的だと思っています。

    先日、成人の日にTKUの「医療大百科」というミニ番組に出演しましたが、うっかり放送を見逃してしまいました。その時間、玉名の温泉に向かっていた頃に放映されたようです。何名かの患者さんから「見ましたよ」とお声をかけていただきましたが、お恥ずかしい・・。この番組はそのうちWEB配信される予定ですので、確認でき次第、改めてご案内するかもしれません。

    今日は「子ども大学くまもと」を運営されている田尻学長さんたちが当院にご挨拶に来られました。田尻学長は、慈恵病院で「コウノトリのゆりかご」を運営されていた元師長さんで、とても愛情深いお人柄が皆に尊敬されています。来たる3月2日(日)に第3回講義が開催される予定で、申し込みがスタートしたそうです。当院はスポンサーとして応援しておりますので、興味のある方はぜひ大学の公式ホームページをご覧ください。詳しくはこちら