むらかみ内科クリニック

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  • 寒い季節の高血圧対策

    気温が一段と下がるこの季節、特に注意したい健康問題の一つが「高血圧」です。血圧の基準値は、収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上を高血圧としています。冬季は気温低下により血管が収縮し、血圧が上がりやすい時期です。特に朝晩の冷え込みが厳しい時は、急激な温度変化による「ヒートショック」のリスクも高まります。

    高血圧は自覚症状が少ないため放置されがちですが、そのまま進行すると心筋梗塞や脳卒中などの重大な疾患を引き起こす可能性があります。冬場こそ、定期的な血圧測定と適切な生活習慣の維持が重要です。

    具体的な予防と対策
    1. 防寒対策    寒冷は血圧上昇の主要因です。外出時は十分な防寒を心がけ、室内でも暖かい服装を維持しましょう。特に首元や手足の保温が重要です。室温は18-22℃を目安に管理し、急激な温度変化を避けましょう。

    2. ヒートショック   予防 暖房の効いた室内から寒外気に触れる時や入浴時には要注意です。外出前には上着を着用し、入浴時は脱衣所も暖めるなどの工夫が必要です。浴室と脱衣所の温度差をなるべく小さくすることが大切です。

    3. 食事管理    塩分の過剰摂取は高血圧の大きな要因です。1日の塩分摂取量は6g未満が推奨されています。冬場は鍋料理やスープ類が増えがちですが、だしをしっかり効かせ、香辛料やハーブで風味を加えることで、減塩でも美味しく調理できます。加工食品や外食は塩分が多いため、できるだけ控えめにしましょう。

    4. 適度な運動    寒さで運動不足になりやすい冬場こそ、意識的な運動が重要です。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。ただし、血圧が上昇しやすい早朝の運動は避け、日中や夕方に行うことをお勧めします。

    5. 定期的な血圧測定    高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、症状がないまま進行することが特徴です。特に血圧が変動しやすい冬季は、朝晩の定期的な血圧測定が欠かせません。朝は起床後1時間以内、夜は就寝前が測定の目安です。

    まとめ
    冬季は高血圧のリスクが高まる時期ですが、適切な予防と管理で健康を維持することができます。体を温め、食事や運動に気を配りながら、規則正しい生活を心がけましょう。気になる症状がある場合は、早めに医療機関への相談をお勧めします。