「痛みと漢方を学ぶ会」という勉強会が毎年この時期に開催されます。今回は第8回でした。私はほぼ最初からこの会に参加して、痛みを漢方でいかに治療するかというとてもマニアックな会で勉強しています。内容は痛みに特化しているため、演者の先生も麻酔科出身の方が多く、とても専門的な話を聞くことができます。今年のテーマは「血虚にまるわる痛みの漢方治療」ということで、難治性の痛みに血虚がいかに関与しているかを紐解く勉強会でした。
私が痛みの治療に血虚を意識するのは、帯状疱疹後神経痛とか、坐骨神経痛で足の裏に何か踏みつけたような違和感があるとか言われる時です。血虚治療の基本処方である四物湯を使います。もちろんこれだけでは治らないのですが、他の処方に合わせることで治療効果がアップします。血虚は目に見えて存在する病態ではなく、そこにあると思ってみないとわかりません。いわば、心の目でみて診断する感じです。したがって、漢方の初学者にこういう所見があれば血虚の存在を疑うと説明するのが難しいです。
難治性の疼痛というのは漢方診療をしているとよく相談されるため、私たちも常に知識をアップデートしておかないといけません。今日は血虚だけでなく、痰湿が影響している話も聞きました。このあたりをうまく理解して治療に繋げることができれば、痛みから救われる患者さんも増えることと思います。私も、今日学んだことをしっかり落とし込んで、来週からの診療に役立てたいと思います。
