むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • しもやけの漢方治療

    今週は土曜日が祝日ですので、当院の診療もお休みです。土曜が休みになるなんて数年に1回ではないでしょうか?土曜日しか来院できないという人は相当いると思いますが、今週末薬が切れそうなら注意してください。もし来週土曜まで薬が足りないという場合、急に薬が切れないようにして、手持ちの薬を一日置きに飲むなどして調整してください。特に血圧の薬や抗うつ剤などは急に切れないようにしたほうがいいと思います。

    寒さも一段落していますが、しもやけで相談に来られる方が結構おられます。皮膚科では塗り薬が出るかもしれませんが、当院では漢方を処方します。しもやけは冷えが原因ですが、特に手足の指先などの血行が悪いとしもやけになります。漢方では冷え性の処方があるのですが、血管を広げて血流を良くする当帰四逆加呉茱萸生姜湯がしもやけにはよく効きます。1剤で効果不十分なときは温めて血行を良くする附子末という生薬の粉末を追加することで効果を増強することができます。それでも効果不十分なときは瘀血(血の滞り)を治す桂枝茯苓丸を併用することで更に効果を高めることができます。

    冷え性でも、足は冷えるけど頭はカーと熱くなるという冷えのぼせの症例もあります。これはたいてい更年期症候群です。やたら汗がでるというのも多く見られます。このような場合は単に冷え性の治療薬みたいに体を温めるとのぼせや発汗が悪化します。そこで、体内の寒熱を調整する加味逍遥散が用いられます。ちょうど風呂のお湯(上は熱くて下は冷たい)をかき混ぜてちょうどよくするのに似た効果が期待できます。

  • 外国人も診察しています

    最近、どういうわけか外国人の患者さんがよく来院されます。国籍も、アメリカ、中国、台湾、ベトナム、パキスタン、韓国などなど。旅行者ではなく、数年前から熊本に住んでいる人たちばかりです。やはり慣れない環境でストレスも多いのだろうと思います。今日来たアメリカ人も、職場では誰も英語を話さず、孤立しているようでした。私たち日本人がアメリカに留学すると、みんな人懐っこくて明るいので孤立することはありません。よほど引きこもらない限り、みんなとわきあいあい楽しく過ごせます。逆にアメリカ人が日本に来ると、みんな英語ができないし、話せても恥ずかしがって人前で英語を話さない。本当は日本語でいいから話しかけて上げればいいのに、なかなかそうしない事が多いように思います。

    そういう来日外国人でいよいよ体調、あるいはメンタルが不調となり、病院でいろいろ相談したくても英語でゆっくり話を聞いてくれる病院はそれほどないのだろうと思います。中国や韓国は英語ではありませんが、外国人OKのクリニックは本当に少ないみたいです。私は留学中は結構話せたのですが、帰国してからすでに15年以上たち、日頃英語を使うような機会もないので単語が出てきません。聞く方はだいたい分かるのですが、診察となるとそれなりに医学用語も必要なので、スムーズな会話とはいきません。

    とはいえ、他にみてくれるところがないならできるだけ頑張って見ようと思います。別に大々的に宣伝するわけではないのですが、一人ひとり丁寧に診察し、話を聞いてあげたいと思います。もうすぐ台湾の半導体工場が菊陽に稼働し、そのインターナショナルスクールが当院からそう遠くないところに開校します。台湾人の患者さんも増えるでしょうから、私も英語ばかりでなく中国語を勉強したいと思っているところです。もちろん私の師匠はNetflixのドラマです。

  • 春のストレスは夫婦仲良く乗り切る

    日曜日はいい天気で暖かかったですね。本来なら外で運動するにはもってこいの天気でしたが、私はあいにくクリニックのワックスがけで院内に夕方まで缶詰でした。この日は毎月帳簿つけとかレセプトチェックなどの事務作業に当てているので、院内待機も有意義に過ごします。今回はそういった事務作業に加えて、熊本腎臓病連携医研修会を受講しました。腎不全から透析へと進行するのを防ぐための研修会が毎年あるのですが、今回はコロナの影響もありオンディマンド・オンライン講習だったため、作業をしながら受講できました。いついもならNetflixでドラマを見ながら作業するのですが、今回は仕事の2乗です。

    立春をすぎて日照時間もどんどん伸びてきます。日差しも春の気配です。このように春が近づいてくると鬱の患者さんはだんだん元気になってきます。高血圧の人も血圧が下がって安定してきます。過ごしやすくて体にとっても快適な日々となります。一方、私の専門の循環器で言えば、3月から4月は心筋梗塞が増えてきます。季節替わりで自律神経が不安定になるのも理由の一つと思いますが、3月4月は社会的ストレスが大きな季節となります。つまり、卒業、入学、転勤、就職、引っ越しなど人生の節目を迎えるからです。

    春のこの時期を健康に乗り切るには、家族のサポートが大切だと思います。ただでさえなれない仕事が始まり、仕事でのストレスが多いのに、家に帰ってからも帰りが遅いと文句を言われたり子供の卒業や入学でいつもにないいろいろな用事が山積みになっている時、夫婦ともに協力しないと大変です。どちらかに任せっぱなしというのは最悪です。春のストレスは夫婦仲良く乗り切りましょう

     

     

  • 確率の話

    先日、郵便局に振り込みに行った際に年賀状のお年玉くじの当選番号を書いた紙がおいてあったのでもらってきました。今日、家の掃除をしていて、ふとそのことを思い出して、10年ぶりくらいに当選しているかどうか確かめてみました。これまで、そんなのどうでもいいと思ってみることもなく過ごしていました。うちには、仕事関係も含めて100枚以上の年賀状があったのですが、あたったのは切手シートが3枚です。確率的に100枚に3枚当たるのですから、理論通りでした。

    ところで、来週発売の週刊誌の新聞広告を見ると、見出しでワクチンの副作用について各紙が取り上げています。私は楽天マガジンを購読しているので、オンラインでほとんど全週刊誌を読めます。さっそく、週刊誌をiPadにダウンロードして読みました。コロナワクチンを受けるほどコロナに感染しやすい、癌にかかりやすいなどのデータが紹介されています。これも確率の話です。確率というのは騙しやすく、騙されやすい。これは科学者ならみな知っているのですが、自分の予想した結果(仮説)が正しいと証明するためにあらゆる角度からデータを集めて解析します。誰が見ても明らかなことは統計処理する必要もありません。例えば、解熱剤のアセトアミノフェンを飲むと熱が下る、という事実を証明するため100人の発熱患者にアセトアミノフェンを飲ませた、などという実験はしません。

    では、どういう時に統計処理するのかと言うと、差があるのかどうかはっきりしない時です。例えば、骨粗鬆症の治療に骨を強くするビスフォスフォネートという薬を飲みます。これが本当に骨折を予防する効果があるのかは相当たくさん症例を集めて何年も追跡しないと差があるのかどうかわかりません。こういう時に数学(確率)の出番です。100人集めて差が出ないときは1000人集める。差が小さいほど大規模な研究となります。そして、今日私が言いたかったのは、ワクチンで本当に感染が増えるのか減るのかは統計処理でどっちにも転ぶほど「差が小さい」のではないかと言うことです。

    努力は実る 受験生頑張れ!もうひと息だ

  • インフルが増えてきました

    当院ではこのところコロナ陽性の患者さんは殆どおらず、インフルばかり出ています。だいぶインフルが増えてきているようです。見た感じ、インフルのほうが重症感があります。家族に一人出たらみんなにうつるので、コロナと同じで家庭内で距離をとってうつらないように注意しましょう。感染予防の基本はこれまでコロナの時にも書いているので繰り返しとなりますが、ストレスを溜めないこと、栄養のバランスよく食事すること、睡眠を十分取ることが基本です。サプリの面ではビタミンCを毎日2000mg、ビタミンDを5000IUは必須です。ミネラルではマグネシウム、亜鉛もおすすめです。もし、身近にインフルの人がいたら、セレニウム、オリーブ葉エキスもとっておきましょう。

    葛根湯などの漢方薬も、早めに飲んだらすごく効くのですが、昨日も書いたように漢方不足がとんでもない状況になっており、病院でも処方できる可能性は低いので薬店などで見かけたら買っておくといいと思います。市販薬は病院で処方する薬の半分くらいの濃度なので、ちゃんと効かせるには書いてある一日量の2倍から4倍位の量が必要です。買ってみたけどそんなにたくさん飲んでいいのか心配なときは、箱ごともってきて私にみせてください。アドバイスします。

    運動も体力をつけて免疫アップ!が期待できますが、私はフルマラソンのために毎日10キロ走っていた時、逆に風邪をひきやすかったです。理由は一つではないと思いますが、走ることで痩せて寒がりになる、大量の活性酸素が出る、雨の日でも寒い日でも運動をやめられない、などが原因と思います。したがって、運動しすぎると逆に風引ひきやすくなる、が結論です。