むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ビタミンCと鉄の話

    予報通り雨の日曜日となりました。小雨の降る中熊本城マラソンが3年ぶりに開催されました。出場した皆さん、お疲れさまでした。例年のような寒さはなかったものの濡れた体で何時間も走るのは辛かったことと思います。特に、靴が濡れると走りにくく、マメもできやすいので大変だったのではないでしょうか。私は用事で流通団地の近くを車で通ったので、車窓からちょっとだけ応援しました。長距離を走ると活性酸素が大量に出るので、体が酸化してしまいます。ビタミンCをしっかりとっておきましょう。

    よくビタミンCは野菜や果物でしっかりとっています、といいう人がいますが、そんな量では全然たりません。抗酸化、アンチエイジングで必要なビタミンCは一日量が少なくとも2000mgです。栄養学の本には成人の一日必要量が100mg(レモン1個程度)と書いてありますが、それは病気せずにいきていくギリギリの量です。私がいう必要量はがん予防、老化予防、フルマラソンにも耐えられるだけの抗酸化力です。2000mgでレモン20個ですが、とても食品で取れる量ではありません。貧血治療に鉄剤を処方すると胃がもたれて気持ち悪いと言われることがあります。これも鉄剤が胃の中で活性酸素を発生するのが原因です。そこで活性酸素を消去するビタミンCを同時に飲んでおくと胃もたれは少なくなります。

    鉄剤を飲む時、ビタミンCを併用してもやっぱり飲めないという人も結構おられます。これまで、こういう患者さんには点滴(静脈注射)で鉄の補充を行っていましたが、最近はとても副作用の少ないリオナという内服薬が出てきました。もちろん保険適応です。過去、鉄剤を産婦人科などでもらったけど続けられなかった、という方にリオナをたくさん処方しましたが、だいたい皆さん飲めています。鉄欠乏は貧血だけでなくミトコンドリア内でのエネルギー(ATP)産生に必須なので疲れやすさなどに大きく関係しています。鉄剤が飲めないと諦めずにきちんと補充しましょう。