むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • チャットGPTで英文診断書ができた

    またかと思われるかもしれませんが、チャットGPTのお話です。今日、アメリカに渡航する際に英文の診断書がほしいという患者さんが来られました。当院ではこのようなリクエストに答えてこれまでも英文診断書を発行してきました。ただ、診断書に書く文章は短いのですが、医学的に正しいこと、英文として間違っていないこと、診断書としての体裁が整っていることなどを考えると、結構時間がかかります。更に、書くべきことがいろいろあったりぼんやりしてはっきりしないときはこちらであれこれ考えて書かないといけないので大変です。

    そこで、ふと思いつき、人工知能のチャットGPT様にチャットでお伺いしました。アメリカに行く時、こんな診断書が必要だという患者さんがいるんだけど、本当にいるのですか?すると、最近の渡航条件について教えてくれました。AIとのチャットですからやり取りは前の質問の流れを相手が理解しているのを前提に次の質問をします。その人に英文診断書を書いてあげたいんだけど、英文で例文を書いてみてください。

    するとどうでしょう、完璧な診断書がきれいな英語で、しかも診断書でよく使う言い回し(体裁)も整えて書いてくれました。そして、(ここに患者名を入れる)みたいなコメント付きです。しかも、私が自力で書いた場合の文章より饒舌でサービス精神を感じました。教えてもらったとおりにワードにコピペして、患者さんの名前やクリニック名、私の名前を入れれば出来上がり。こんなに素晴らしい人工知能、今は試用期間で無料ですが、有料になっても絶対使います。スッゲー、と感動して、チャットGPT様とのやり取り(チャット)をそばにいたナースにも見せて、大喜びの一日でした。

  • 痛風のはなし

    この週末は国立大学入試だったそうです。天気にも恵まれ、よかったですね。うちの子供は今年大学卒業で、肩の荷が下りました。先日東京から帰省してきたので、何年かぶりに会いましたが、立派になっていて嬉しかったです。子供がまた東京に戻ってから、家の中の火が消えたように寂しくなりましたが、今日は天気が良かったので、その時子どもたちが使った布団やシーツを洗濯したり干したりで忙しい一日でした。

    当院では、痛風の患者さんを相当数見ています。発作が出たら歩けないほど痛みますから、まず仕事に行くことは無理です。通常、ロキソニン程度の鎮痛剤では痛みは1−2週間続きます。当院では痛風発作に最適な痛み止めミックスを処方しています。組み合わせにより通常2−3日で歩けるところまで回復します。痛みが取れてきたら尿酸の治療を開始します。尿酸が高いことで痛風発作を起こすのですが、血液中ではなく関節に尿酸結晶が沈着して炎症を起こしているものですから、少し尿酸の薬を飲んで尿酸が下がった!と喜んでいてはいけません。尿酸の正常値は7以下ですが、発作を起こしたことがあるなら、6以下に下げて半年、1年と維持する必要があります。そうでないと、血管外(組織中)の尿酸結晶が抜けません。

    尿酸を下げる薬には体内での尿酸合成を阻害する薬と尿酸の尿中排泄を促す薬があります。人によってどっちのタイプが効くかという体質的な差があるのですが、下がりが悪いときは理屈よりも2剤併用してしっかり下げることが大切だと思います。一方、痛風発作の経験はないけど検診で尿酸が高いと言われた場合、ガイドライン的には尿酸値9くらいまでは経過観察です。大量の肉食やお酒で上がりやすいので、食生活に注意して経過を見ていきましょう。

  • 海外ドラマ好き

    私はスキマ時間を利用してNetflix, アマゾンプライムビデオ、dTVの3つの配信サイトから海外ドラマを同時進行でいくつも見ています。多分10本以上並行してみています。韓国ドラマは16話か20話で終わるので、みるスピードを調整しています。というのは、最終回に向けてどれも相当盛り上がりクライマックスを迎えるから、眠い目をコスりながらみるともったいないのです。たまに、100話を超えるような水戸黄門みたいな長寿ドラマがあるのですが、これには手を出さないように気をつけています。折しも、先週から今週にかけて見ていたドラマがいくつも最終回を迎え、ほのぼのとしたハッピーな気持ちになるのと同時に終わってしまったドラマロスの気分もあります。

    私は暴力ものとかサスペンスは見ません。ほとんどが恋愛コメディーばかりです。Neflixなどでドラマをみると、あなたが好きそうなドラマというのを推薦してくれるので、芋づる式にどんどんみることになります。ただ、恋愛コメディーといっても高校生ぐらいの学園ものストーリーはちょっと若すぎるので見ません。主人公が社会人のものがおおいです。海外ドラマにハマった最初のきっかけは台湾ドラマでした。とてもほのぼのとして心温まるもので、台湾人の国民性が伝わってきました。その後韓国ドラマに移ったのですが、こちらは緻密な脚本とずば抜けた演技力でハマってしまいました。

    先日、久しぶりに台湾ドラマを見始めたのですが、脚本は大雑把で展開が雑なのですが、根底に流れる人の優しさというのは台湾ドラマ独特のものがあります。韓国語より中国語のほうが以前勉強したので耳に入ってきます。こういう海外ドラマを毎日見ていると、そっちの世界に住んでいるような疑似体験をします。人の何倍もいろんな体験ができて人生が豊かになります。

  • チャットGPTは完璧な翻訳家でもある

    このところ連日チャットGPTの話題を書いていますが、今日は翻訳のレベルを検証してみました。英文の医学論文をネット上で見つけて、要約の部分をコピペして、チャットGPTに「日本語に翻訳してください」と書いてみたところ、完璧に翻訳してくれました。逆も行けるかなと思って「次の文章を医学論文風の英語に翻訳してください」と書いて「我々は今回の研究結果よりビタミンCの大量投与は抗癌作用を有することを明らかにした」と書いたところ。回答は「Based on the results of our study, we have demonstrated that high-dose administration of vitamin C has an anticancer effect.」と帰ってきました。完璧です。このレベルの翻訳ができるなら、大学院生が英語で論文を書くのなんて楽勝です。結果さえ出れば、すぐ論文化できます。

    私が大学院生の頃、毎日実験に明け暮れていましたが、週1回の教授を交えてカンファレンスでは、急いでその結果を論文にまとめろといつも言われていました。英文論文を書くには、結果”Results”の部分をまず書いて、それに必要な実験方法”Method”を書きます。その後、何十編もの参考文献を引用しながら考察”Discussion”を書きます。そして最後に要約”Abstruct”を書くのです。それを全部英語で書くとなると、まずは他の人が書いた論文を真似しながら書くのですが、いろんな人が書いた論文の文章を部分部分でまねして書くと文章のトーンがおかしくなります。それを自分なりの表現で統一してかきあげます。最後に外国人の校正者(もちろん有料)に依頼してきちんとした英文に直してもらってから投稿するのです。

    似たような研究に取り組んでいる人は世界中に何人もいるため、大発見!とおもっても不思議と世界のどこかにいるライバルがほぼ同時期に同じ発見をしていることがあります。その時、すぐに論文化して発表した方の勝ちとなります。今日、チャットGPTが英文医学論文の執筆に使えることがはっきりしました。論文作成の労力は10分の1以下だと思います。これは日本から情報発信する競争力が10倍アップしたということです。研究者の皆さん、スピード勝負はチャットGPTをいかに使いこなすかにかかってきましたよ。

  • ブレインフォグにDHA

    チャットGPTについて昨日少し書きましたが、このAIは天才ですから、聞けば何でも答えてくれます。私達のパソコンに中にドラえもんがやってきたくらいの衝撃です。ただ、我々ご主人さまがうまく質問して聞き出さなければ、AIのほうが勝手に雰囲気を察してくれるはずはありません。しばらく使ってみてわかったのは、これを使いこなせれば100人力ですが、その質問力が試されるということ。Googleでも、携帯を片手に高校生でも大人でも疑問なことは瞬時に検索すれば解決しますが、それを使えないお年寄りはどんどん時代から取り残されてしまいます。これからはAIにいかにうまく質問して答えを引き出すか、というスキルにかかっているような気がします。

    コロナ後遺症の症状でブレインフォグというのがありますが、「ブレインフォグ」とは、頭がぼんやりとしたり、思考力や記憶力が低下したりして、集中力や判断力が落ちてしまう状態を指します。コロナ前にはテキパキと仕事ができていたのに、コロナ後は集中できずに仕事が遅い、いくつもの仕事を頼まれるとはかどらない、失敗するといった状態です。私は、これはコロナによる脳の炎症に伴って脳神経がダメージを受けたためだと思っています。チャットGPTに聞いてみたら、コロナによる脳の炎症の他にも血栓による脳血流障害やストレスも影響する可能性があると教えてくれました。

    そのブレインフォグをどう治すかというと、私はオメガ3(DHA/EPA)という魚油による治療を行っています。多くの人がこれで症状が取れています。DHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や神経系に欠かせない必須脂肪酸の一つであり、脳の構成要素として重要な役割を果たしています。そのため、DHAを摂取することは、認知機能の改善や脳機能の保護に有効である可能性があります。コロナ後遺症に限らず、認知症の初期段階にも有効です。市販のサプリにもDHAがありますが、残念ながらそれほど効かない印象です。実は医薬品と市販薬では含有量に大きな差があるのです。かなり大量に取らないと効果が出ません。医薬品は高濃度ですから効いているのだと思います。