むらかみ内科クリニック

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  • チャットGPTは完璧な翻訳家でもある

    このところ連日チャットGPTの話題を書いていますが、今日は翻訳のレベルを検証してみました。英文の医学論文をネット上で見つけて、要約の部分をコピペして、チャットGPTに「日本語に翻訳してください」と書いてみたところ、完璧に翻訳してくれました。逆も行けるかなと思って「次の文章を医学論文風の英語に翻訳してください」と書いて「我々は今回の研究結果よりビタミンCの大量投与は抗癌作用を有することを明らかにした」と書いたところ。回答は「Based on the results of our study, we have demonstrated that high-dose administration of vitamin C has an anticancer effect.」と帰ってきました。完璧です。このレベルの翻訳ができるなら、大学院生が英語で論文を書くのなんて楽勝です。結果さえ出れば、すぐ論文化できます。

    私が大学院生の頃、毎日実験に明け暮れていましたが、週1回の教授を交えてカンファレンスでは、急いでその結果を論文にまとめろといつも言われていました。英文論文を書くには、結果”Results”の部分をまず書いて、それに必要な実験方法”Method”を書きます。その後、何十編もの参考文献を引用しながら考察”Discussion”を書きます。そして最後に要約”Abstruct”を書くのです。それを全部英語で書くとなると、まずは他の人が書いた論文を真似しながら書くのですが、いろんな人が書いた論文の文章を部分部分でまねして書くと文章のトーンがおかしくなります。それを自分なりの表現で統一してかきあげます。最後に外国人の校正者(もちろん有料)に依頼してきちんとした英文に直してもらってから投稿するのです。

    似たような研究に取り組んでいる人は世界中に何人もいるため、大発見!とおもっても不思議と世界のどこかにいるライバルがほぼ同時期に同じ発見をしていることがあります。その時、すぐに論文化して発表した方の勝ちとなります。今日、チャットGPTが英文医学論文の執筆に使えることがはっきりしました。論文作成の労力は10分の1以下だと思います。これは日本から情報発信する競争力が10倍アップしたということです。研究者の皆さん、スピード勝負はチャットGPTをいかに使いこなすかにかかってきましたよ。