むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 無駄な心配をしないこと

    天気予報では雨になりそうですが、満開の桜が散らないか心配です。今が一番きれいな時期なのでなんとかもうしばらくは楽しませてもらいたいものです。昨日は、私が漢方診療で患者さんの「気」を見て治療すると書きました。もちろん「気」が見えるわけではないのですが、意識して感じるようにします。また、患者さんの服の趣味とか色使い、バッグなどの持ち物のブランドや色あいなどはとても参考になります。ときには着ている洋服の色で漢方処方が決まるときもあります。また、診察室に入ってきて椅子を私の方に近づけて座る人と、逆に遠ざけて座る人といます。この距離感も重要です。この行動パタンから処方が決まることもよくあります。西洋医学(いわゆる科学)しか信じない人には理解できないかもしれませんが、漢方にはそういう面白い世界があるのです。

    さて、昨日に引き続いて認知症の豆知識を書きたいと思います。実は日本を含め、アジアとアフリカなどの発展途上国は認知症が増加し続けていますが、アメリカやイギリス、スウェーデンなどでは減少傾向に入っています。日本よりかなり進んだ生活習慣の改善から認知症予防に成功していると思われます。アジア人の多くは米をたくさんたべます。これは認知症にとても悪いと思います。糖質(炭水化物)はできるだけ避けないといけません。その代わり、肉や魚、野菜といったちゃんとした栄養素を取ることが大切です。米を食べるアジア系でもインド人は認知症が少ないことが知られています。そのわけは、カレーにあると言われています。私も初めてこの事実を聞いたときはウソーと思いましたが、ターメリック(ウコン)を始めとするスパイスには抗酸化作用など脳の酸化を食い止める働きが強いとされています。

    私は100人近い高齢者の訪問診療をしていますが、老人ホームのお年寄りを2つに分けると、いつも楽しそうな人といつも悲しそうな人に分けられます。そう、認知症の人は満開の桜をきれいだねーとは言いますが、明日雨になりそうで残念、とは言いません。無用の心配をせず、目の前の事実だけをみているとうつや不安は軽くなります。これはマインドフルネスの考え方です。

    花博 花のトンネル(外観)