むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 学会プログラム入手できてハッピー

    昨日のブログで、長崎で開催される東洋医学会九州支部総会のプログラム、抄録などなんの情報もないので、長崎駅まで行っても会場がどこかわからないし何時に着けばいいかもわからない、みたいな話を書いたところ、情報を持っている製薬会社のMRさんから学会の案内をいただきました。一方、学会の九州支部にそのような状況で困っていると伝えたところ、夕方には九州支部のHPにプログラム集がアップされました。素早い対応を頂き、感謝です。これで、ちゃんぽん食べて帰るだけ、という情けない日帰り旅行をせずにすみそうです。

    さて、もう年末や来年のスケジュールを立てないといけない時期になってきました。そのためにはまずカレンダーが必要です。昔はいろんな製薬メーカーや新聞社、タクシー会社さんなどからカレンダーを山ほどもらっていましたが、このところ寂しい状況です。しかし、これがニューノーマルと気分を入れ替え、自前でカレンダーを探してAmazonで注文しました。また、手帳も昔はたくさんもらっていましたが、すっかりそんな風潮もなくなりました。私の好みはコクヨのノート型ウィークリー・スケジュール帳A5サイズです。TSUTAYAなどで見つけると同じシリーズのマンスリータイプは手に入りますがウィーリーはすぐ売り切れます。そこで、来年は無印のスケジュール帳を使うことにしました。値段は1090円で他のメーカーに比べると格安です。マンスリーとウィークリーのコンビになっており、右のページは方眼になっているのでそうとう使いやすそうで、今からワクワクしています。12月から使えるタイプなので、もうすぐ使い始めるつもりです。

    私は今年に入って突如として無印良品のファンになり、定期的にお店を巡回するようになりました。妻からそれをムジラーという、と言われました。そのムジラーの私もまだ行ったことないのが、今度シュロアモール長嶺(ハローデイのあるところ)に新たにオープンしたMUJI。早く行ってみたいと思っているところです。もう一つが、カフェMUJIというもの、以前は下通りCOCOSAにあったたらしいのですが、残念ながら閉店したみたいです。東京や大阪、福岡等にあるので、機会があればぜひ行ってみたいものです。

    花博2023 辛島公園

  • 運命は自ら招き、境遇は自ら造る

    昨日、アメリカ(サンフランシスコ)にいって現地のFMをカセットテープに録りまくって帰ったという話を書きました。書いていて当時のことをいろいろ思い出しました。私はアメリカやヨーロッパなど数えれば何十カ国も行ったことがあります。なかでもフランスやイタリアなどは大好きですが、留学先として考えるとやっぱりアメリカでしょう、と思っていました。そして、大学院時代、将来はアメリカに行きたいと思っていたのでした。大学院当時私を指導してくれた先生はオーストリアのウイーン大学に留学されており、私の教室からは歴代ウイーン大学に行く習わしだったので黙っていたら私の順番も来るはずでした。一応学会のついででウイーン大学にも行って見ました。観光するには最高!と思いましたが、どうしてもそこに住んで何年も過ごす自分が想像できませんでした。

    そこで、アメリカも見ておこうと思って何度も足を運びました。私が好きだったカリフォルニアで有名なのはUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校のこと)。しかしカリフォルニア大にはUCSF(サンフランシスコ校)、UCバークレー(バークレー校)、UCSD(サンディエゴ校)などいくつもあるのを知り、結局全部見に行きました。大学の第2内科の先輩が留学していたスタンフォード大学にも行ってみました。夢はリアルに見ないと実現しないというのは、最近経営の勉強をしてよく聞くのですが、私が留学を実現するためにここまで動き回ったのは、今思い返すと真剣に留学する夢を追っていたんだなーと思い出されます。

    結局、UC(カリフォルニア大学)でいくつもの施設を見て回って、サンディエゴ校に留学するぞ!と希望はかなり具体的に絞れてきましたが、当時私の研究していた救急医療の現場での急性呼吸不全の分野ではテキサス大学が最も進んでいました。サンフランシスコで開催されたアメリカ救急医学会で私の研究発表ではそのテキサスのTraber教授が座長(司会進行役)でした。発表が終わって、Traber教授に「来年あたり留学したいのでいい所があれば紹介してください」と聞いたら、うちの研究所に来ていいよといわれ、即決で「お願いします!」と返事をしました。履歴書も出す前に来ていいと許可してくれたTraber先生も先生ですが、即決した自分も自分です。縁があったとしか言いようがありません。学会から帰国して上司の指導教官に「来年Traberラボに留学することにしました」と報告したら、怒られたのは言うまでもありません。何もしなかったらウイーン大学行きが自動的に決まっていたからです。「運命は自ら招き、境遇は自ら造る」運命だから仕方ないではなく運命は自分で切り開くもの、そして自分の境遇というのは自分で造り上げるものなのです。

    花博くまもと2023

  • 歯科医も分子栄養学を学ぶ時代

    ひさしぶりに本格的な雨になりました。少し涼しくなりました。週間天気予報を見ると温かいのはあと数日で、週末から来週にかけて次第に朝晩は冷えてくるようです。日中はもうしばらく20Cくらいにはなりそうです。気温差に体がついて行かないで体調を壊したと言う人が結構います。コロナはだいぶ減りましたが、かわりにインフルエンザや溶連菌感染が増えてきています。当院でも通常の診察、訪問診療、インフルエンザワクチン接種、発熱外来と一日にこなさないといけない仕事が山積みで朝からぶっ通しで忙しくしています。

    そんな中、診療が終わってから分子栄養療法のWEB講演会があったので参加しました。今日の演者の先生は歯科医さんでした。講演でもありましたが、歯周病、抜歯後のトラブル、インプラントの経過が悪いケース、などなど歯科治療に発生する多くのトラブルは栄養の問題を考えた方がいい、という内容でした。確かに歯肉が痩せてしまったり、骨形成が悪いと口腔内のトラブルが起こるのは当たり前です。そこで、栄養学的に考えれば、タンパク質、鉄、ビタミンC、亜鉛、など絶対に無視できません。栄養を語らず治療できると思っているなら大間違い。しかし、多くの歯科の先生はブラッシングの指導程度でそれ以上、食事やサプリなどの話まで踏み込んで来ることはめったにありません。血糖コントロールが悪いと歯科の治療がしにくいとか、骨粗鬆症治療薬でビスフォスフォネートという種類の薬剤を飲んでいると抜歯できないと内科主治医に連絡される先生もいます。そういうことをきちんとされている歯科は信頼できると思います。

    ちょっと専門的な話ですが、今日の講演で知った面白いことを紹介しましょう。虫歯はストレプトコッカス・ミュータンスという虫歯菌が原因なのですが、この菌はブドウ糖を解糖系で代謝して乳酸を放出する。この酸が歯のエナメル質を溶かす。フッ素は解糖系をストップするので虫歯予防効果がある、とのこと。なるほどー。病院で採血するとき何本もの試験管に取り分けますが、血糖測定用のスピッツにはフッ化ナトリウム(NaF)が入れてあります。試験管内で解糖が進むと糖の値が下がってしまうので、解糖系をストップするためNaFがいれてあるのです。その理屈で虫歯予防ができるんだー。

    熊本県庁

  • 11月3日は祝日のため休診です

    11月3日は文化の日で祝日です。当院の診療もお休みとなります。急な発熱などありましたら、休日当番医か地域医療センターの方へお願いします。ちなみに4日(土)は通常通りの診療です。世の中は金土日の3連休のところも多いみたいですね。訪問診療は通常どおりのため、私は休み無しです。いつもだと、訪問担当看護師さんが同行してくれるのですが、休日は私が一人で回ることになっているため、朝から電子カルテで訪問予定者の受付をして、その日の訪問記録を作成します。20人近い訪問なので、これだけで1時間程かかります。

    さて、今日は100名をこす診療でクタクタでしたが、仕事が終わったらすぐその足で日赤の勉強会に参加しました。テーマは睡眠です。よしむらクリニックの吉村院長が睡眠時無呼吸の患者さんのスクリーニングについて話され、次にくわみず病院の池上院長が睡眠障害について講演されました。どちらも有意義でした。当院でも不眠の患者さんは非常に多く、毎日のように眠れない相談があります。子供の夜更かしから高齢者の全然眠れません的な不眠まで様々です。そして、よく聞かれるのが睡眠薬を飲むと認知症になりやすいというから薬は飲みたくない、だけど眠れないのはつらい、と、診察時に堂々巡りを繰り返していつまでたってもどうしてほしいか決まらない方も数多くおられます。今日の勉強会ではそのような人に朗報がありました。

    レム睡眠というと夢を見る時間で寝ているけど頭が働いている時間があります。実はこの時間は記憶の断捨離に必要だとのことで、レム睡眠で頭のメモリーが整理されて新たな記憶が入るスペースができるそうです。そして、最近よく使われる新しい睡眠薬はレム睡眠が多くなり、夢が多いのが睡眠薬としては玉に傷みたいな印象だったのが、実は認知症予防の働きを持っているかもしれないとのことでした。まだ証明された話ではありませんが、少なくとも認知症になりやすいということはなさそうなので、高齢でも安心して使えそうです。また、この新しい眠剤は夜間の転倒リスクも明らかに少ないことがわかっており、これからますます広く使われることと思います。

  • リブレは生活改善に大きく役立つ

    夕方、仕事が終わって東洋医学会の役員会がWEB開催されたので、大急ぎで帰宅して参加しました。コロナ前は九大の講堂に九州各地から集まっていたのですが、WEB会議の発達のおかげで仕事の後に自宅から参加できるのは素晴らしいです。旅費もかからないし、貴重な週末が潰れないですみます。会議が終わると、直ちに漢方のWEB講演に参加しました。佐賀の栗山先生が毎月開催されている勉強会です。こちらも県外のわたしたちが気軽に参加できるのは嬉しいことです。その講義を聞きながらふとメモに目をやったら、今もう一つ心臓関係のWEB講演会があっているのを思い出しました。私はいつも複数の講演をパソコンを並べて同時視聴するので、今日もなにげにそちらの会にも入ってみました。

    すると見始めてすぐに講演に引き込まれてしまいました。熊大循環器時代の先輩で今は慈恵会医科大教授になられた吉村道博先生の講演でした。心臓の生理から実験、そして臨床と話は幅広く、科学の面白さ、不思議、ロマンあふれる素晴らしいお話でした。内容は高度に専門的な話なのでこちらには書きませんが、目からウロコとはこのことかと思うほど感動的な講演でした。おかげで、もう一方で途中まで参加していた漢方の講演は全く頭に入りませんでした。

    ところで、リブレという血糖測定器をご存知ですか。パッチ型のセンサーを二の腕にペタっと貼るだけで2週間連続した血糖が測れます。結果は数値と折れ線グラフでスマホで見ることができます。今日来た患者さんが結果を見せてくれました。最初は食事のたびに血糖が200くらいまで急上昇していました。何をどのくらい食べると血糖がどこまで上がるという結果をリアルタイムにフィードバックしてくれるので、自然と食事を気をつけるようになります。また食後に運動することで血糖が上がらないのも一目瞭然でした。その患者さんは2週間測定している間に食事と運動を工夫し、後半では食後血糖があまり上がらない様になっていました。素晴らしい。今、スマートウォッチで血糖が測れるセンサーが開発されており、市販される日も近いと聞いています。こういうデバイスの発達は生活改善の大きな助けになると期待できます。