むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 運命は自ら招き、境遇は自ら造る

    昨日、アメリカ(サンフランシスコ)にいって現地のFMをカセットテープに録りまくって帰ったという話を書きました。書いていて当時のことをいろいろ思い出しました。私はアメリカやヨーロッパなど数えれば何十カ国も行ったことがあります。なかでもフランスやイタリアなどは大好きですが、留学先として考えるとやっぱりアメリカでしょう、と思っていました。そして、大学院時代、将来はアメリカに行きたいと思っていたのでした。大学院当時私を指導してくれた先生はオーストリアのウイーン大学に留学されており、私の教室からは歴代ウイーン大学に行く習わしだったので黙っていたら私の順番も来るはずでした。一応学会のついででウイーン大学にも行って見ました。観光するには最高!と思いましたが、どうしてもそこに住んで何年も過ごす自分が想像できませんでした。

    そこで、アメリカも見ておこうと思って何度も足を運びました。私が好きだったカリフォルニアで有名なのはUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校のこと)。しかしカリフォルニア大にはUCSF(サンフランシスコ校)、UCバークレー(バークレー校)、UCSD(サンディエゴ校)などいくつもあるのを知り、結局全部見に行きました。大学の第2内科の先輩が留学していたスタンフォード大学にも行ってみました。夢はリアルに見ないと実現しないというのは、最近経営の勉強をしてよく聞くのですが、私が留学を実現するためにここまで動き回ったのは、今思い返すと真剣に留学する夢を追っていたんだなーと思い出されます。

    結局、UC(カリフォルニア大学)でいくつもの施設を見て回って、サンディエゴ校に留学するぞ!と希望はかなり具体的に絞れてきましたが、当時私の研究していた救急医療の現場での急性呼吸不全の分野ではテキサス大学が最も進んでいました。サンフランシスコで開催されたアメリカ救急医学会で私の研究発表ではそのテキサスのTraber教授が座長(司会進行役)でした。発表が終わって、Traber教授に「来年あたり留学したいのでいい所があれば紹介してください」と聞いたら、うちの研究所に来ていいよといわれ、即決で「お願いします!」と返事をしました。履歴書も出す前に来ていいと許可してくれたTraber先生も先生ですが、即決した自分も自分です。縁があったとしか言いようがありません。学会から帰国して上司の指導教官に「来年Traberラボに留学することにしました」と報告したら、怒られたのは言うまでもありません。何もしなかったらウイーン大学行きが自動的に決まっていたからです。「運命は自ら招き、境遇は自ら造る」運命だから仕方ないではなく運命は自分で切り開くもの、そして自分の境遇というのは自分で造り上げるものなのです。

    花博くまもと2023