むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 体にいいこと、わるいこと

    日曜日はクリニックのワックス清掃があったため、夕方まで院内に待機していました。2ヶ月ごとに清掃が入るので、毎回この日は帳簿整理にあてています。ちょうど先月開催した東洋医学会の会計報告書もまとめる必要があったので、仕上げの作業をすることができました。あとはコピーを取って本部に送るだけです。

    今回の学会は、ほとんど私の個人的なパソコンやクリニックの備品を活用した「手作りの学会」だったため、驚くほど費用を抑えることができました。しかし、困ったことに予算がだいぶ余ってしまい、その処理方法に頭を悩ませています。このまま決算を学会に報告すると、本部に全額吸収される可能性があります。できれば熊本の漢方界の発展に役立つ形で活用できないかと考えていますが、今さら適切な使い道を提案するのも難しい状況です。

    会計の作業を進めながら、WEB講演会にも参加して勉強しました。その中で特に印象に残ったのは、体を老化させる要因として「酸化」「糖化」「アルデヒド化」の3つが挙げられていたことです。

    体を老化させ、病気を引き起こす3つの要因
    1. 酸化
    酸化LDL(酸化したコレステロール)が動脈硬化を引き起こすことが知られています。興味深いことに、酸化する前のLDLは体にとって重要な物質であり、問題なのは「酸化すること」です。この現象はよく「体が錆びる」と例えられます。
    対策としては、抗酸化物質を多く含む食品(緑黄色野菜、魚油、アマニ油など)を摂取することが有効とされています。

    2. 糖化
    糖化は、過剰な糖質(高血糖)が体内のタンパク質と結合し、タンパク質を変性させる現象です。この影響は老化や病気の進行につながります。料理では、食品を高温で焼いたり揚げたりすると糖化が進みます。これが、焼き目や香ばしさを伴う美味しさの元になるため、「美味しいものほど体に危険」と言われる理由です。
    対策としては、血糖値の急上昇を抑える食事法(低糖質食、玄米菜食、高タンパク食など)が推奨されています。

    3. アルデヒド化
    アルデヒドは、体の蛋白質や脂質に結合し、これらを変性させる物質です。アルデヒドはお酒の代謝過程で産生されることで知られていますが、タバコの煙にも含まれており、特に電子タバコには添加されている場合があるため注意が必要です。
    対策としては、お酒やタバコを控えることが重要です。

    このように、体を老化させる3つの要因(酸化、糖化、アルデヒド化)は、健康管理の上で見逃せないポイントです。対策として摂るべき食材、避けるべき食材としてあげたものは、どれもすでに知られていることですが、科学的背景が明らかになってきたことで、より説得力を感じました。

  • 頭痛の講演会でした

    毎日のようにWEBで講演会があります。心不全、腎不全、糖尿病、漢方などがテーマだと、できる限り聞いて勉強するようにしています。今日は「頭痛」をテーマにした講演会に参加しました。頭痛は患者さんが非常に多い疾患で、専門的に診療する頭痛クリニックもあるほどです。当院では漢方を専門としているため、通常の頭痛薬が効かない、あるいは頭痛薬の飲み過ぎで体調が悪化してしまったという相談を受けることが多くあります。今回の講演では、頭痛をきちんと分類し、疾患ごとに対策を考えることの重要性や、薬物治療だけでなく、生活習慣(食事や運動など)の見直しが必要だという点について学ぶことができました。また、私が取り組んでいる分子栄養学とも関連が深く、慢性頭痛にも栄養学的なアプローチが大切であると再認識しました。

    片頭痛体質の女性では、生理前や雨の降る前に頭痛が悪化すると訴える方が多くいます。最近では「気象病」や「天気頭痛」とも呼ばれていますが、基本的には片頭痛であることが多いようです。また、音や光に敏感で頭痛やめまいが生じる人も多く、これも片頭痛に分類されます。このような感覚過敏型の片頭痛患者には、私は抑肝散加陳皮半夏を処方することが多いです。これは体質改善を目的とした漢方薬で、鎮痛効果ではなく根本的な改善を目指しています。

    また、鎮痛剤の常用により、頭痛が悪化する「薬物乱用型頭痛」という病態も存在します。これは鎮痛剤を服用することで次の頭痛が誘発されるという負のスパイラルが特徴です。抑肝散加陳皮半夏は、この悪循環を断ち切る働きがあり、服用を続けることで次第に鎮痛剤が不要になり、薬物乱用から脱却できるケースが多くあります。当院でも多くの患者さんに使用し、良好な結果を得ています。鎮痛剤を過剰に使用すると、胃潰瘍や腎不全など重大な健康被害を引き起こすリスクがありますので、頭痛予防策をしっかり立てることが重要です。

  • 無事学会が終了しました

    微に入り細に入り学会の準備をして5ヶ月、ついに本番でした。演題募集、プログラム作成、学会ホームページ作成、会場設営の打ち合わせ、領収書の印刷などなど上げればきりがありません。ずっとこのことばかりを考えつつ仕事をしていたので、頭が休まる暇がありませんでした。昨日は友達から電話があり、ちょうどバスに乗っていたので、後でかけ直す、と言ったのに今日電話がかかってくるまで忘れていました。というより、今日電話がかかって、「やあ、ひさしぶり、どうした?」と昨日のことを全く忘れていました。気もそぞろというのはこういう事を言うのでしょう。仕事中はそぞろにならないように一切学会のことを考えないようにしていましたが、さすがに昨日今日は学会のことしか頭にありませんでした。

    おかげさまで、約100名の参加者を迎え、つつがなく盛会に終了できました。非常に盛りだくさんのプログラムだったので、聞いている人は楽しめたと思います。私は時計とにらめっこしながら、進行が数分遅れているだけで気が気でなく、全く楽しめるどころではありませんでした。裏方というのはこういうものでしょう。今回はたくさんの友人達に助けてもらったおかげで思った通りの進行が出来ました。助けてくれた皆さんにも、この場を借りてお礼を申し上げます。

    コロナ禍で学会はこの4-5年はWEB開催が多く、久しぶりに県外の多くの仲間とあって話すことが出来ました。とくに飯塚病院は漢方診療科があり、定期的にWEB講演会を開催してくれているため私も毎回楽しみに参加しています。そんなWEBでしか会えないみなさんとリアルにお会いすると、私にとってはアイドルなみにあえて嬉しいものです。今回の学会では私の声掛けに応じて随分手助けしていただきました。来年は福岡で開催される予定なので、いただいた恩を返せるようになにかしら貢献できたらと思います。

  • いよいよ学会です

    いよいよ私が主催する東洋医学会の週末がやってきました。土曜日は各県の役員が集まって事業報告などをする役員会と懇親会があり、日曜日が学会の本番です。まずは、今日の役員会で先生方にしっかりと事前説明を行い、明日に備えたいと思います。天気が心配されましたが、幸い雨にはならないようなのでホッとしています。

    各発表の先生方から発表のスライド(パワーポイント)を受け取り、パソコンで確認しましたが、マックでもウインドウズでも文字化けしたり構成が壊れたりする問題は見つかりませんでしたので安心しました。私は家や職場で複数のパソコンを使っていますが、マイクロソフトのオフィスは価格が高いため基本的に使用していません。購入しても使用台数に制限があるため、利用を見送っています。そのため、通常はGoogleの無料で使えるスプレッドシートやドキュメントなどのオンラインツールを活用しています。また、ウィンドウズパソコンでは、オフィス互換性のある格安ソフト「WPS」を使用していますが、通常使いには全く問題ありません。むしろ軽快に動作するため、個人的には気に入っています。

    しかし、学会で全員のスライドを集めて発表するとなると、互換性が99%でも1%の部分で問題が発生する可能性があるため、それを避けなければなりません。今回はメインスライド用、サブスライド用に2台のプロジェクターを用意し、それぞれのパソコンに加え、バックアップ用にもう1台、計3台のパソコンを準備しました。これらはすべて自分の個人所有のものです。そのうち2台には以前購入したオフィスのライセンスをインストールしましたが、あと1台分はライセンスがなかったため、パワーポイント単体を購入しました。

    アマゾンでライセンスキーを購入し、パソコンにパワーポイントをダウンロードしてライセンス登録を行いましたが、初めてこの作業をする人にとっては少し戸惑うかもしれません。手順自体は簡単ですが、慣れていないとハードルが高く感じるでしょう。

    そんなわけで、すべての準備が整いました。無事に学会が成功することを願っています。

    役員会・懇親会 青柳にて

  • 学会の準備で頭がいっぱい

    最近は学会の話題ばかりですが、今度の日曜に私が主催する日本東洋医学会の準備が大詰めで、頭がいっぱいです。演者の先生方にはスライドを明日までにご提出いただくようお願いしていたため、今日までに約半数のスライドが揃いました。これが全て揃うと、気持ちもだいぶ穏やかになります。会場となるホテル日航からは、用意する椅子やテーブルの大きさなどについて細かい確認が入っています。どれも至急返信しないと準備が滞るため、対応に追われています。それにしても、さすが宴会のプロが準備してくれるだけあり、抜かりがなく細かな配慮に安心できます。

    さて、私は仕事ではマックを使っているため、送られてきたスライドのファイルを職場のマックの中に保存しています。マックはiCloudでファイルを共有できるので、職場のどの端末からでもアクセスできます。しかし、今度の学会ではホテルの設備を使わせてもらうため、スタンダードのWindowsパソコンの方が間違いないだろうと思い、メインをレノボのThinkPad、サブをマイクロソフトのSurface、そして予備としてマックブックの3台を用意して行く予定です。こうなると、マックとWindows間でファイルのやり取りが必要です。今どきCD-ROMはパソコンについていないため読み込めませんし、USBメモリのUSB-A端子はマックブックには対応していません。もちろんUSB-AをCに変換するアダプタを使えばいいのですが、3台のパソコンを常に同期させたいので、そうしたローテクは避けたいところです。というのも、ギリギリでファイルの入れ替えを申し出られる可能性があるため、煩雑な方法はできるだけ避けたいのです。

    マックもWindowsも関係なくクラウドでつなぐ方法として簡単なのは、マイクロソフトのOneDriveやGoogle Driveです。しかし、やってみると案外うまく行きません。そこで「こんなときこそ」と思い出したのがDropboxです。このサービスは、元祖クラウドと言ってもいいくらい歴史も古く、安定して使えます。使い勝手も非常にシンプルです。病院でもビジネスプラン(有料版)を使っていますが、私個人のアカウント(無料)にもまだ容量に余裕があるので、そこに学会のファイル置き場を作りました。これで快適です。すべてのパソコンが簡単に同期しました。