むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 明日は漢方のWEB講演の予定です

    毎日午前の診療のあとは訪問診療をしています。今日はちょうどその時間に土砂降りとなりました。私は訪問時はスクラブ(術衣みたいなもの)を着て回るのですが、あまりにひどい雨だったので、上からウインドブレーカーを雨合羽かわりに着て出ました。結構、体はほとんど濡れずにすみましたが、足元はどうしても濡れてしまいます。なんとか10件の訪問を済ませてクリニックに戻ったら雨が上がりました。なんと、訪問している最中だけ降っていたのです。ドライヤーで頭を乾かして、白衣のズボンや靴下は替えを用意しているので着替えて、午後の診療に備えました。それにしても、訪問診療でこれほどの雨に会うのは数年に1回だと思います。

    このところ、発熱患者さんが多く、検査すると半分ぐらいがコロナ陽性です。幸い皆さん軽症ですので、心配はいらないのですが、喉がすごく痛いとか咳が止まらないという症状が多いようです。匂いや味がわからなくなったという症状も、コロナによくあるので、もし気になったら早めに検査してみてください。味覚や嗅覚が一度落ちてしまったら回復するまでに相当時間がかかります。当院では、これまでのコロナ後遺症外来での経験を活かしてこういった難治症例も治療しています。このような場合、漢方と西洋薬とどちらも使ったハイブリッド治療となります。薬が足りないとせっかく治療してもなかなかいい反応が見られないようです。

    明日は漢方メーカー主催の勉強会で講演を頼まれています。以前はホテルの宴会場で来場された先生を前に講演していましたが、最近はWEB配信です。そのおかげで、熊本の田舎から配信する講演ですが、日本全国の何百人という先生に聞いていただける様になりました。それだけ、話がいもあるのですが、間違ったことを話すと全国の漢方専門の大御所の先生から怒られそうで、緊張します。

  • 日本東洋医学会でハイレベルな中医学のシンポジウムがありびっくりしました

    土曜日は雨が降らなかったためか、患者さんが予想以上に殺到され、最大1時間半も待ち時間がでてしまいました。お忙しい中お待ちいただきすいませんでした。土曜日はコンディションを整えて全力で診療しているのですが、スピードアップと丁寧な診察という相反する命題をクリアするのはなかなか困難を極めます。土曜日は仕事のある現役世代の方や学生さんが多くなるので、時間の制約がなくいつでもいいという方の場合、避けていただいたほうが助かります。高齢者の場合、ご家族が連れてこられるため土曜しか付き添えないという事情の方もおられます。皆さんいろんな理由で土曜日は混んでしまいます。予約制にすると予約枠を超えた人数が入らなくなり、かえってご迷惑をかけるという判断で、予約制を取っていません。

    さて、先月より医療事務(受付)を1名募集していましたが、今週採用が決定しましたので、募集を終了します。ご応募いただいた皆様には感謝申し上げます。書類選考で面接まで行かなかった方も多く、選ぶ側としても大変悩ましかったですが、皆さん僅差でした。また、いつの日か募集を出すこともあるかと思いますので、またのご応募をお待ちしています。

    先だって福岡で開催された東洋医学会総会が今オンディマンドで視聴できるため、空いた時間はほとんどその講演を聞いて過ごしています。例年になく多彩なプログラムで面白い企画が目白押しなので、ワクワクが止まりません。とても専門的なことですが、日本東洋医学会は名前の通り日本漢方の学会です。一方、中国は中医学です。この2つの流派は同じ漢方をやっているのにもかかわらずあまり仲が良くなくそれぞれ独自の学会がありました。ところが今回の東洋医学会で中医学のシンポジウムがあり日本の中医の大御所がズラリ並んで講演されていました。私は中医の立場でやっているのですが、今回のシンポジウムが東洋医学会で開催されたことにびっくりしたと同時に、そのレベルの高さに感動して涙ものでした。治療を受ける患者さんにとって見れば効果があれば日本漢方でも中医でもどちらでもいいのですが、勉強している私たちにとっては大問題なのです!

  • わかりやすく「伝える」ことの大切さ

    先日福岡で開催された東洋医学会総会のオンディマンド配信が始まりました。リアルタイムの配信で参加できるだけ参加したのですが、シンポジウムがなんと24もあります。それ以外にも一般演題とか招待講演、会頭講演、ランチョンセミナーなどあわせると膨大な量の講演です。今日は朝から12時間以上その学会の講演を聞きながら、月初のルーチンのレセプトチェックを行いました。朝5時半から夜11時ぐらいまで延々と作業は続きます。途中食事をしたり、実家に用があっていったりはしましたが、あとはずっと自宅のパソコンでWEB講演を再生しながら事務作業です。

    講演で面白かったのは、招待講演でジャパネット高田の創業者の高田社長さんのお話がありました。さすがに人前で話すプロです。漢方のことなど門外漢のはずなのによく下調べされて身近な話題でわかりやすくお話をされました。考えてみると、ジャパネットのTVショッピングなどはアドリブなど一切なく、ひたすら練りに練った脚本でしゃべります。いかに商品が素晴らしいか、そして、それを買うことで消費者がどんな喜びを得ることができるのか、聞けば聞くほど買いたくなる話術は相当考え抜いたものがあります。

    昔は高田さんがTVショッピングで商品を紹介しても全然売れなかったこともあったそうです。なんどやっても売れない。それがあるとき急に売れ始めた。同じ商品なので、商品価値は同じです。何が変わったかというと、TVショッピングで「伝えた」とおもっていたメッセージが実は「伝わっていなかった」ということ。そこで高田さんは商品説明をいかにわかりやすく伝えるか、相手に伝わるように話すかを徹底的に考えたそうです。甲高いトーンの話し方もその工夫の結果です。そして、高田さんが私たちに言われたのは、医療現場でも「伝える」ことはとても大切。患者さんや家族に病状説明するとき、相手がわかるように「伝える」工夫をしていますか。難しい言葉をつかって「伝えた」つもりになっていませんか。耳が痛い話ですが、反省して「伝える」努力をすべきだと思いました。

     

  • 学会の週末

    先週の日曜は地域医療センターの出動協力医の当番だったので2週間ぶっ通しで仕事をしました。そしてこの週末は福岡で東洋医学会総会でした。土曜は診療があるので、日曜だけでも日帰りで行くつもりでしたが、どうしても熊本から離れられない事情があり、仕方なくオンライン参加することにしました。学会は金土日の3日間です。金土は仕事で時間が取れませんでしたので、後日オンディマンドで聞きます。日曜のプログラムも後日オンディマンドで聞けるのですが、やはり、せっかく今福岡で開催されているのをリアルタイムに聞いて勉強したいという気持ちもあり、日曜は朝から晩までずっと自宅でオンラインで参加しました。いい時代になりました。もし学会会場に行けば複数同時にあちこちの会場であっている発表の中から興味あるのを一つだけしか聞けませんが、WEBだと後日全部聞いて勉強することができます。また、聞き逃したところは数分戻ってもう一度聞いたりと言うこともできます。勉強の環境が凄まじく整いました。コロナ後もずっとオンライン学会は開催してもらいたいです。

    私くらい漢方の勉強を長年やっていると学会でもだいたい聞いたことある内容が多くなってきます。しかし、勉強会や学会に参加するとたいてい1つか2つはキラリと光るすごい情報を得ることがあります。私にとっては参加費を1万払ってもその1つに出会うことができれば大満足です。そのゲットした1つの情報で明日からの診療がガラッと変わることがあります。そして、その結果救われる患者さんが何十人と出てくるのです。そういう意味でも真剣に学会の情報を吸収して、キラリと光るたった1つの情報を自分のものにすること、このために週末を潰してひたすら勉強しているわけです。

    家の本棚を整理していて益田総子先生の劇的漢方シリーズという本が7冊出てきたのですが、私は以前この本をバイブルのように何度も何度も読みました。その後本棚にしまって10年ぐらいたっていると思うのですが、久しぶりに読み返してみて、びっくりしました。コロナ後遺症の治療に自分であれこれ考えて治療法を確立したと思っていた処方が、この本に書いてあったのです、もちろん症例はずっと前の話でコロナではないのですが、まさか私が考案したと思っていた処方は益田先生の影響を受けていたのだと知り、昔読んだ知識が知らないうちに自分のものになっていたんだと気づきました。

    県庁前

  • 熊本中央病院と連携の会でした

    土曜日は朝の8時頃から待合がいっぱいで、座るところもないくらいでどうしようと思いましたが、新患の割合は少なく血圧の薬などの再診が多かったので、待ち時間はそれほどにはならず、昼には終了することができました。私はそれから大急ぎで弁当を食べて、医師会に心臓検診に行きました。私は通常の内科の診察もかなりスピーディーな方ですが、心臓検診でも要領良くどんどん診察します。ただ、心臓検診は診察とセットで心エコーや運動負荷心電図の検査があるため、私が頑張れば頑張るほど検査部門が渋滞します。また、運動負荷心電図は指示したドクターが直接検査にはいる事になっているので、バンバン診察した結果、私が担当しないといけない負荷心電図検査が相当数にのぼり、結局診察と結果説明が終わったのはいちばん最後になってしまいました。

    検診のあと、急いで帰宅して家に車をおいて、バスでもう一度街までとんぼ返りしました。今日は4年ぶりに熊本中央病院の連携のつどいという集まりがあり、日頃入院や検査でお世話になっている中央病院の先生たちとの懇談会でした。コロナで中断していため4年ぶりということもあり、集まった人数はホテルキャッスルの2Fの一番広いキャッスルホールに立っている人だけでぎゅうぎゅう詰めの状態でした。久しぶりに、同級生や近隣の医師会の先生方、元同僚、大学時代の同門の人たちとワイワイお話できて楽しいひとときでした。コロナの3年間孤立してひたすら診療に徹しましたが、自分と縁のある先生がこんなに沢山いたんだと思うと、心強く感じました。

    その会で中央病院の小児科部長の永野先生(同級生)からの相談で、最近不登校がとても増えて困っている、とのお話でした。当院でも起立性調節障害などで朝起きられないため、学校に行けていないという生徒さんたちが大勢来院されています。漢方が飲めれば、結構元気になる場合があるので、今後中央病院と連携をして、当院で漢方治療、中央病院ではカウンセリングという両輪で取り組みをしようということになりました。