むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 歯科医も分子栄養学を学ぶ時代

    ひさしぶりに本格的な雨になりました。少し涼しくなりました。週間天気予報を見ると温かいのはあと数日で、週末から来週にかけて次第に朝晩は冷えてくるようです。日中はもうしばらく20Cくらいにはなりそうです。気温差に体がついて行かないで体調を壊したと言う人が結構います。コロナはだいぶ減りましたが、かわりにインフルエンザや溶連菌感染が増えてきています。当院でも通常の診察、訪問診療、インフルエンザワクチン接種、発熱外来と一日にこなさないといけない仕事が山積みで朝からぶっ通しで忙しくしています。

    そんな中、診療が終わってから分子栄養療法のWEB講演会があったので参加しました。今日の演者の先生は歯科医さんでした。講演でもありましたが、歯周病、抜歯後のトラブル、インプラントの経過が悪いケース、などなど歯科治療に発生する多くのトラブルは栄養の問題を考えた方がいい、という内容でした。確かに歯肉が痩せてしまったり、骨形成が悪いと口腔内のトラブルが起こるのは当たり前です。そこで、栄養学的に考えれば、タンパク質、鉄、ビタミンC、亜鉛、など絶対に無視できません。栄養を語らず治療できると思っているなら大間違い。しかし、多くの歯科の先生はブラッシングの指導程度でそれ以上、食事やサプリなどの話まで踏み込んで来ることはめったにありません。血糖コントロールが悪いと歯科の治療がしにくいとか、骨粗鬆症治療薬でビスフォスフォネートという種類の薬剤を飲んでいると抜歯できないと内科主治医に連絡される先生もいます。そういうことをきちんとされている歯科は信頼できると思います。

    ちょっと専門的な話ですが、今日の講演で知った面白いことを紹介しましょう。虫歯はストレプトコッカス・ミュータンスという虫歯菌が原因なのですが、この菌はブドウ糖を解糖系で代謝して乳酸を放出する。この酸が歯のエナメル質を溶かす。フッ素は解糖系をストップするので虫歯予防効果がある、とのこと。なるほどー。病院で採血するとき何本もの試験管に取り分けますが、血糖測定用のスピッツにはフッ化ナトリウム(NaF)が入れてあります。試験管内で解糖が進むと糖の値が下がってしまうので、解糖系をストップするためNaFがいれてあるのです。その理屈で虫歯予防ができるんだー。

    熊本県庁