むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • コラーゲンのすすめ

    2日前のブログで鉄の重要性について書きましたが、生理の出血が多い人は鉄だけでなくコラーゲンとビタミンCを摂るようにとおすすめしました。今日はこの続きを書きたいと思います。コラーゲンは御存知の通り美肌のサプリとして化粧品会社のブランドで薬局のドリンクコーナーに並んでいます。ボトルをよく見るとちゃんとビタミンCが配合されています。また、豚足を食べると肌がプルプルになると言うことは誰もが知っていることと思います。結局、口から入ったコラーゲンは一旦消化されるものの、体内で再びコラーゲンに再構築され、肌を潤し、シワを減らしてくれるのです。ただし、コラーゲンが再構築されるためにはビタミンCが不可欠なのです。もしビタミンCが不足した体内であれば、消化されたコラーゲンは単なる栄養として消費されるようです。

    今日来院された患者さんも、私のすすめるコラーゲンを飲んだら、肌がきれいになったと喜ばれていました。若い女性や高齢者に多いのが、ぶつけた覚えもないのに皮下出血してあざができるという単純性紫斑あるいは老人性紫斑です。血液内科などの専門科を受診しても、採血で止血作用に異常ないのを確認したら経過観察でいいと言われておしまいです。ところが、この病態にはコラーゲンとビタミンCが著効します。あんなにあざができていたのが嘘のようにきれいになります。その理由は、コラーゲンが血管の構造に必須な栄養素であり、もし血管が傷んで出血したら、血液はコラーゲンに接触することで速やかに止血メカニズム(カスケード)が開始されるのです。

    ビタミンCはコロンブスの時代の長い船旅の最中に新鮮な野菜が手に入らないことから欠乏状態となり、壊血病という恐ろしい出血傾向を示す病気になっていました。船にマメをもっていき、もやしを作って食べれば予防できるという知恵が経験的に発見されたという話もあります。とにかく止血にビタミンCとコラーゲンが重要なのは言うまでもありません。そして、私がおすすめするコラーゲンは楽天で買えるフランス産お魚コラーゲン(送料込み1000円)です。ほとんど癖がないのでお茶や味噌汁などにスプーン1杯とかせば、難なく続けられます。

  • WEB講演をしました

    金曜日はなぜかわかりませんが相当患者さんの来院があり、昼の訪問診療を合わせると120名を超えました。駐車場も満車状態で、カルテの山が私の横にちらちら見えると気持ちは焦るのですが、お一人お一人いろんな悩みや相談で来られているので、精一杯の時間を取りながら診察しました。とはいえ、一人あたりの時間には限りがあり、相当待ったのにもう終わり?と思われたなら、すいませんでした。診察時のお話はさることながら、私の知識と経験とアイディアは処方箋1枚の中に込められていますので、その薬を飲んでいただいて、困った症状が少しでも快方に向かってくれれば診察時間が十分取れなくても許してもらえるかと思っています。逆に、じっくり診察して、たくさん検査しても変な処方をされると治るものも治りませんから、私としてはその処方内容に精魂を込めているつもりです。

    そんなわけで、相当忙しい一日で、最後の患者さんが6時半でした。実はその後7時半からWEB講演を頼まれていたので、大急ぎで帰宅して、自宅のパソコンから漢方関係の講演を40分ほどしました。今回の講演の内容は、「漢方は女性を救う」ということで、女性の悩みをいかに漢方で治療するかということについて話しました。また、後半ではコロナ後遺症の治療法について漢方のみならず、西洋薬を併用したハイブリッド治療の経験について紹介しました。講演のあとで、福岡の大学でコロナ後遺症を診ている先生からは、面白い内容だからぜひ論文にしてほしいと言われましたが、忙しすぎて論文を書く暇はないですね〜。

    これだけ毎日忙しいと、朝から晩までよく集中力が続くな、と思うことでしょう。実はわたしは昼休みに往診に出ているので全く休みなしに働いているのですが、往診時にスタッフが車を運転してくれれば、10分くらい昼寝できます。それがなくても可能な限り5分でも目をつぶって頭を休めます。最近、往診用に電気自動車の日産さくらを買ったのですが、ものすごく静かで心地よく身も心も休まります。このおかげで午後もMAXがんばれています。

  • 鉄は元気の素

    せっかく桜が開花したのに、朝からひどい雨でした。まだ花が散ることはないのですが、花見もできない状態です。健軍の自衛隊前の桜並木はよく見ると安全のためか枝を落として小さくなっています。以前は枝も大きく張って見事な桜でしたが、なにか華やかさにかけた感じです。

    当院は、中高生の陸上部の生徒さんたちがよく来院されます。練習でタイムが出ないと、むらかみ内科にいって鉄を測ってもらうように、と言われるようです。なかには自分でサプリを買って鉄を飲んでいるけど、ちょっと走ると息が上がって前みたいに走れない、という人もいます。そして、採血してみると軽度の貧血と重度の鉄不足(血清鉄とフェリチンが低い状態)です。鉄不足は貧血になるのですが、貧血になる一歩手前やまだ軽度の貧血程度でも鉄不足が進むとだるさが強くなります。細胞内の発電所と言われるミトコンドリアでATP(エネルギー)を産生するのに鉄が必要だからです。

    それではなぜ鉄サプリを飲んでいるのに改善しないか。それは、飲んでいる鉄の量が少なすぎるからです。病院で処方する鉄剤はサプリの5倍から10倍の鉄を含みます。たまに病院で処方された鉄剤を飲んだら胃もたれがして飲めなかったと言われますが、最近はかなり副作用が少ない鉄剤もあります。サプリでいつまでたっても改善しないときはぜひ病院の処方薬の鉄剤を飲んでみてください。なかには生理の出血が多くて鉄をとっても抜けるほうが多くなっている場合があります。その際は婦人科にも相談が必要ですが、私のオススメはコラーゲンサプリとビタミンCを取ることです。生理の出血量が減り、軽くなります。その結果、貧血(鉄欠乏状態)が改善します。具体的には直接相談いただけると個別にアドバイスいたします。

  • 匂いをかぐことはボケ防止 なら マスクでボケるかも

    昨日の雨が上がり、温かい快晴の一日となりました。気温が上がり、桜が一気に開花しました。天気が良ければ今週末は見頃となりそうですが、どうでしょうか。桜の開花と同時に嬉しいニュースがありました。WBCで日本が優勝だそうです。私はTVも野球も見ないので知りませんでしたが、決勝戦が今日の午前中だったんですね。どうりで患者さんが少なく、いつもより早めに昼ごはんを食べられました。午後になってどっと患者さんが押し寄せられて、山のようなカルテでしたが、あと一息と思ったらすでに夕方6時でした。午後はトイレにもいかずノンストップで診療しました。

    ところで、先日いつものようにスポーツジムにランニングに行ったのですが、なんとジムの中もマスクなしが解禁となり、見渡すと3割ぐらいの人がマスク無しで運動していました。マスクを付けてランニングしたことある人ならわかると思いますが、息苦しくて死にそうになります。ジムにランニング専用のマスクが売ってあったので、それを使っていましたが、それでも結構きつかったです。いよいよ解禁されたのはこの上ない朗報です。私はコロナ前は診察時もマスクなしで、インフルエンザの患者さんを診てもうつることはありませんでした。

    そこで、マスク解禁にともない、もう一度コロナ前のマスクの常識を振り返ってみたいと思います。まず、感染予防効果は殆どない。特に鼻をだして口だけにマスクをしたり、隙間ができるほど緩ければ全く無意味。マスクが有効なのは患者さんがつけた場合、咳やくしゃみでウイルスの入った唾を飛ばす距離がマスクをしているとかなり抑えられます。予防効果としてはこの程度です。昨日、マスク無しで下通りを歩いてみたら、いろんな匂いがしました。食べ物屋さん、香水、その他いろんな街の匂いがしてその刺激が新鮮で嬉しい。匂いがしなくなったらボケるといいますが、マスクで匂いを嗅がないのもボケ一直線だと思います。嗅神経は脳神経で匂い刺激は鼻から脳へダイレクトに伝わります。その刺激が入らないと頭の一部は使われなくなるのです。

  • 褒めて育てる

    春分の日、一日中雨でしたね。今週は菜種梅雨ですね。1週間雨続きみたいです。それでも雨のやんだすきに犬の散歩を済ませました。世間は休日でしたが私は朝5時前に起きて6時からクラウンプラザホテル(ニュースカイ)で経営者モーニングセミナーがあったので参加しました。今日の講話は別所琴平神社の宮司さんでした。よく言われることに、人には3種類ある。それは、自分を後押ししてくれる人、自分のしようとすることを邪魔する人、そばにいるだけで何もしない人の3つ。だからといって、自分の知り合いをその3つのパタンでどれにあてはまるか、自分を後押ししてくれる人が誰か探しても仕方ない。自分が人の役に立ち後押ししてあげられるような存在になりたい。そういうお話でした。会社の経営というのは、自分や会社の利益を優先していては行き詰まります。お客さんやスタッフの幸せを追求して初めて社会貢献し、結果的に会社が末永く存続できるだけの信頼と収入を得るのだと思います。

    ところでこの宮司さんは公文式の先生もされているそうです。公文式はご存知学習塾ですが、授業をするのではなく生徒さんがそれぞれの実力に応じた課題(プリント)を解いてその日の問題を全部理解して100点を取ると次に進む仕組みだそうです。この教育方法は今や世界中に広がっており、メソッドとして優れたものがあると思います。今日の講演でなるほどと思ったのは、毎回の公文式の教室で小さな成功体験(できた、わかった)が積み重なることで、自己肯定感が高まるとのことです。

    心療内科をしていると、自己肯定感の低い人が本当に多いと感じます。小さい頃から、公文みたいに良くできたね、すごいね、やればできるじゃない、よくやった、と褒めて育ててあげないと自己肯定感は育たないのではないかと思います。うちの子は目を離すとゲームばっかりして、ほんとにだらしないんだから、と否定的なことを面と向かって子供に言うと子供の芽を摘んでしまうことになりかねません。とくに兄弟がいてお兄ちゃん(お姉ちゃん)は黙っていても勉強ができるに・・と兄弟間で比較するのも良くないと思います。いいところを見つけて褒めてあげる習慣をつけましょう。