むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 自律神経

    暖かくなりましたね。快適で過ごしやすいです。血圧の薬を取りに来る患者さんたちもだんだん血圧が安定して、落ち着いてきています。これほど気持ちいい春の日にも、逆に体調が悪くなったと言って来られる患者さんもいらっしゃるので、本当に気候の体調に与える影響は千差万別です。聞いてみると、暑くなって汗が止まらないとか、カーとのぼせた感じで気持ち悪いとか、眠りが悪くなった、などなどいろんな不調を訴えられます。これは自律神経失調の症状です。今まで冬対応の体だったところが急に暖かくなったためについていけないのだと思います。更年期障害の場合も似たような自律神経症状を呈します。

    自律神経といえば、交感神経と副交感神経があります。交感神経は緊張状態、目が覚めた状態で、脈が速くなったり血圧が上がったりします。一方、副交感神経はリラックス、睡眠、食事などのとき優位になります。では副交感神経の方がいい神経なのかというと、一概にそうとは言えません。人は日常生活をする上で、昼と夜、活動と休息、緊張とリラックス、を交互にしかも自分でコントロールできず自動的に変化しています。自分の意思でコントロールできないという意味で「自律」といいます。

    先日、動悸がすると言って来られた患者さんの24時間心電図をとったところ、特に不整脈もなく、一旦は異常なしで解析結果を処理したのですが、患者さんと話しながらもう一度24時間分の心電図を見直したら、昼休みが終わり午後の仕事が始まるちょっと前から動いていないのに心拍が125くらいに上がり、その後ずっと100以上をたもっていました。こういうのが交感神経緊張状態です。じっとしているのにそんなに速い心拍は不整脈でなくてもおかしいと言わざるを得ません。この場合、交感神経を抑える薬で動悸が取れるはずなので、薬を処方しました。