むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 気象病を治す

    先月、ジムで走ったあとから腰を痛めてしまったので、用心してそれから1ヶ月ほど走っていませんでした。ジムの温泉だけ通う日々が続きました。そろそろ大丈夫そうなので、久しぶりにジムで走ったら、案外大丈夫でほっとしました。先月は熊本城マラソン前で走っている人も相当いたのですが、今日は閑散としていたので、この少なさはなんだろうと思ったのですが、走り終わって温泉に入ったら、TVのあるところにすごい人だかり。なにかと思ったらみんな野球を見ているんですね。WBCですか。私は家でTVは見ないし、野球をみることもないので全く何があっているのか知りませんでした。

    昨日は漢方の講演会があり、私は座長で演者は熊本赤十字病院の加島先生でした。テーマは「気象病」です。最近は「お天気頭痛」みたいな言葉が普及して、天気や気象に体調が影響を受けることは皆さん知っていると思います。実は、漢方は2000年以上前から「風寒暑湿燥火」という六淫の邪といいう外界の影響を受けて体調を崩すことが知られていました。その中で最も有名なのが風邪(ふうじゃ)です。これをかぜと読んでいますね。

    天気頭痛でよく使われるのが五苓散という処方です。雨の降る前の気圧の変化で片頭痛が起こるのですが、それに著効します。私は女性の天気頭痛体質の患者さんには当帰芍薬散を長期に飲んでもらうことで頭痛体質を改善する治療をします。当帰芍薬散には五苓散と同じような成分が含まれています。生理前の頭痛も五苓散や当帰芍薬散がよく効きます。毎日鎮痛剤を飲むような人には抑肝散加陳皮半夏を使います。次第に鎮痛剤を飲まないでよくなるので、とてもありがたがられます。