むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 肺炎騒ぎでハイタッチが禁止された

    熊本城マラソンはあいにくの雨でしたね。結構降りました。また昼過ぎには冷たい風が強くなったので、濡れたからだにはこたえたのではないでしょうか。出場した選手の皆さんだけでなく、ボランティアで会場整理や給水、救護など大変だったと思います。今年は、コロナ肺炎の騒ぎで沿道からの応援でハイタッチが禁止されたと聞きました。出場してみるとわかりますが、30キロ過ぎでバテバテのときに小中学生たちから「ガンバレ〜」と声をかけてもらって、ハイタッチなんてしてもらうと元気が出ます。これが禁止されたのは残念でした。

    ハイタッチはともかく、日本人は握手の習慣もほとんどないため人に触れる機会が極めて少ないと思います。アメリカにいた頃は、スタッフとあいさつ代わりによく握手していました。一日何十人と握手していました。ふしぎと、握手の感触というのは相手の健康状態や心の状態が伝わってきます。漢方では手首の脈をみることで相手の健康状態を診察するので、やはり手には体調を表す気が流れているのでしょう。

    手を握られると言葉はなくとも励まされる事があると思います。患者さんの中には診察の際に握手を求められることがあります。もちろん快くお受けしています。アメリカでは診察の際には必ず挨拶と同時に握手していたので、そのほうが自然な感じです。診察中にストレスで体調やメンタルを病んで涙される方がいます。本当は手を握って励ましてあげたいのですが、日本人はあまりそういう習慣がないので、ちょっとためらいます。セクハラとか言われても仕方ないので・・。

     

  • マラソンするなら鉄をとれ!

    土曜日は、東京から息子が春休みで帰ってきたので、一緒にメキシカンを食べに行きました。慶徳校前にあるトルタコスという店です。美味しかったですよ。私はアメリカにいた時メキシカンがとても好きで、家でも材料を買ってきてタコスなどを作ったりしていました。以前、熊本にメキシカンの店は2−3件あったのですが、どこも消えてしまって、全部なくなったかと思ったら1件ありました!本場の味を堪能しました。アメリカを思い出して嬉し涙がでそうです。まるで海外旅行から帰ってきた日本人が成田でラーメンを食べるような感覚です。うーん、やっぱりうまい!って感じです。

    折しも、熊本城マラソンの前日ということで、街は大勢の人で賑わっていました。残念ながら雨の予報がでていますが、皆さん頑張ってください。雨の日のマラソンでは全身にワセリンをたっぷり塗っておきましょう。ワセリンが雨を弾くので、体が冷えません。当院はアスリートのサポートを積極的に行っています。鍼治療をしたり、鉄などの採血判定、処方、栄養指導などです。成績(タイムやスタミナ)で悩んでいる方はご相談ください。当院にかかっている患者さんもたくさん出場される予定です。がんばってくださいね!

    鉄が不足すると貧血になることはよく知られていますが、貧血がなくても重度の鉄欠乏という場合があります。そのような場合、ミトコンドリア機能が低下して、エネルギー産生が低下し、倦怠感が強くなります。しかたなく体はミトコンドリアに頼らないエネルギー産生(解糖系)にシフトします。甘いものばかり欲しくなりますが、食べても食べてもエネルギーがでません。鬱になる人もいるし、むずむず脚症候群(夜に足がムズムズして眠れない)も発症します。マラソンに出るには絶対鉄が不足してはいけません。明日の大会には間に合いませんが、アスリートは鉄分補給を忘れずに行いましょう。

     

    うっかりメインのタコスの写真を撮り損ねました メキシコレストランTORTACOS

     

  • 人生を決めるもの

    先日、経営者セミナーで教わった話。「人生の10%は自分に起こった出来事で決まるが、残りの90%はその出来事に対してどうリアクション(行動)したかで決まる」とのことです。なるほどなーと思いました。例えば、熊本地震。これはみんな避けられませんでした。10%の出来事に入るでしょう。しかし、その結果、自分がとった行動はいろいろあるでしょう。体育館などの避難所で過ごした、避難所には行かずなんとか過ごした、ボランティアに初めて参加した、引っ越した、転職した、などなどいろいろあると思います。その時の行動、人生の岐路で右に進むか左に進むかでその後の人生が変わることは容易に想像がつきます。

    というとは、私たちは日々行動を決めるときに選択をしています。パンにするかご飯にするか、飲みに行くか、真っ直ぐ帰るか、などなどこまごまとした選択の連続です。これが人生を決めていると考えると、行動指針みたいなものがほしいと思います。いきあたりばったりではいけません。

    会社ならその指針が経営理念です。会社設立の目的から運営方針までを簡潔に言い表しています。個人なら自分の気持ちに素直になることだと思います。儲かる、得するなどというよこしまな考えで、会社の理念に反していたり自分の気持ちになんとなく抵抗を感じる場合、そっちに進むべきではないということです。そこをきちんとしておかないと頑張るモチベーションにもならないし、うまく行かないときにすぐ諦めてしまうのではないかと思います。

     

    道の駅 くぎの

  • 保険診療の問題

    歯科の治療を見るとわかりますが、保険診療は必要最低限のものです。お金を払えばどれだけでもクオリティーをアップできます。医科ではまだそこまではありませんが、歯科の領域は完全に混合診療が黙認されています。どうせ治すならきれいにしてもらいたいし、痛くないようにしてもらいたいからです。今日、ネットをみていたら、歯科の治療を受けるために飛行機でバンコクに行く日本人の話がありました。あちらのほうが専門に特化したクオリティーの高い歯科医師が揃っており、保険と関係ないので最先端の医療を提供してくれる。しかも、日本の保険では全部の歯を一気に治すことが認められていないため、週1回通ったとして半年ほどかかるような治療がわずか数回で終わるそうです。飛行機代を出しても通院費の合計は日本で保険を使った場合と遜色ないという話でした。

    私がアメリカにいた時、テキサスやカリフォルニアなど、メキシコとの国境の町(メキシコ側)には歯医者さんがたくさんありました。アメリカ国内でべらぼうに高い医療費を払えない人は国境を超えて歯科治療を受けるのは常識です。日本は島国なのでそういう意識が少ないかもしれませんが、いよいよそういう時代に入ってきたようです。そう、美容整形の分野ではプチ整形やシミ取り、シワ取りなど韓国旅行のついでに受診するというのは何年も前からブームですね。

    日本の医療は安いだけが取り柄です。安いので一日に100人近い患者さんをみないとビジネスとして成り立たない。アメリカではせいぜい10人くらいで採算が合います。みんなゆっくり丁寧に仕事していました。日本の安い医療は患者さんの行動にも影響します。ちょっと心配だからとCTをとったりMRIをとったりします。外国ではありえない話です。おかげで、見つけなくていいような小さなガンまで見つけて手術します。膨大な医療費がかかります。しかも、実は何もしなくてもたいして予後は変わらないという事が多いのです。

  • カルシウムとマグネシウム

    カルシウムを取ると骨が丈夫になると思っているかもしれませんが、大きな間違いです。たくさんとったカルシウムは血管の壁に沈着して血管の石灰化をおこし、高血圧、狭心症、脳梗塞などの原因となります。また、過剰なカルシウムは腎臓から尿中に排出されるため、尿管結石を起こすこともあります。体内でカルシウムとマグネシウムはペアで作用しています。その比率が重要です。牛乳などはカルシウムばかりが多すぎて体に害を及ぼします。酪農大国のアメリカやデンマークなどは骨粗鬆症も心臓病も多いことが知られています。十分量のマグネシウムをとればバランスが取れます。しかし、マグネシウムは吸収が悪く医薬品では下剤に使われます。吸収されないマグネシウムが消化管内に水分を呼び込んで便を柔らかくするのです。

    吸収は悪くてもマグネシウムを含む食材をできるだけとったほうがいいのは自明です。そこで、海水から作った自然塩の「ぬまちーす」、わかめやあおさなどの海藻、昔ながらの製法で作った豆腐(凝固させるためににがりを使ったもの)、アーモンドなどのナッツ類などが有用です。

    毎日昆布でだしをとって豆腐やわかめなどを入れた味噌汁を作ればいいでしょうが、なかなか簡単ではありません。そこで、簡単クッキング。巷では「医師が考案した長生き味噌汁(小林弘幸 著)」が話題ですが、その方法を真似して味噌汁を作ってみました。タッパーにお好み焼き用の粉末鰹節、粉末あおさ、味噌、味噌汁の具という名前で売ってあるわかめ(だし入り)などを混ぜ合わせます。あとはその味噌をスプーン1杯とって沸騰したお湯に入れ、ネギと豆腐をいれれば、いつでも簡単に味噌汁ができます。マグネシウムの補給にバッチリです。美味しくできましたよ。