むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • カルシウムとマグネシウム

    カルシウムを取ると骨が丈夫になると思っているかもしれませんが、大きな間違いです。たくさんとったカルシウムは血管の壁に沈着して血管の石灰化をおこし、高血圧、狭心症、脳梗塞などの原因となります。また、過剰なカルシウムは腎臓から尿中に排出されるため、尿管結石を起こすこともあります。体内でカルシウムとマグネシウムはペアで作用しています。その比率が重要です。牛乳などはカルシウムばかりが多すぎて体に害を及ぼします。酪農大国のアメリカやデンマークなどは骨粗鬆症も心臓病も多いことが知られています。十分量のマグネシウムをとればバランスが取れます。しかし、マグネシウムは吸収が悪く医薬品では下剤に使われます。吸収されないマグネシウムが消化管内に水分を呼び込んで便を柔らかくするのです。

    吸収は悪くてもマグネシウムを含む食材をできるだけとったほうがいいのは自明です。そこで、海水から作った自然塩の「ぬまちーす」、わかめやあおさなどの海藻、昔ながらの製法で作った豆腐(凝固させるためににがりを使ったもの)、アーモンドなどのナッツ類などが有用です。

    毎日昆布でだしをとって豆腐やわかめなどを入れた味噌汁を作ればいいでしょうが、なかなか簡単ではありません。そこで、簡単クッキング。巷では「医師が考案した長生き味噌汁(小林弘幸 著)」が話題ですが、その方法を真似して味噌汁を作ってみました。タッパーにお好み焼き用の粉末鰹節、粉末あおさ、味噌、味噌汁の具という名前で売ってあるわかめ(だし入り)などを混ぜ合わせます。あとはその味噌をスプーン1杯とって沸騰したお湯に入れ、ネギと豆腐をいれれば、いつでも簡単に味噌汁ができます。マグネシウムの補給にバッチリです。美味しくできましたよ。

  • 中高生のほうが正しいとおもう

    休日、いかがお過ごしでしたか?私も休みだったのでワイドショーをたまたまつけてみたら、コロナ肺炎のことばかりやっています。見ていると、船に乗った人たちの環境が刑務所以下だということだし、こんな監禁状態は人権を無視していると腹が立ちます。見ていても何の解決にもならないし、こっちの気分も落ちるので、テレビは消すに限ります。考えると、テレビの番組は人をけなしたり、不安をあおる物が多いです。ワイドショーもそうですが、国会中継もそうですね。見ていて心が穏やかになったりハッピーになることは殆どありません。

    人は「よくやった、頑張ったね」と承認されることで生きる元気を得ます。逆に、「何やってるんだ、真面目にやれ、考えが足りない」とけなされると、努力したくなくなります。結局、ワイドショーや国会でごちゃごちゃ周りで言っても当事者に何のプラスにはならないと思います。しかも、見ている人の気持ちもイライラさせたり不安になったりするだけです。

    最近のテレビはWIFIにつながっています。チャンネルを変えるとYouTubeやAmazonプライムビデオなどで楽しい番組が見放題です。肺炎の心配なんかする暇があったら楽しい映画やためになる動画を見たほうがよほど体に良いと思います。もしご家庭のテレビがWifiにつながっていない場合、アップルTVまたはAmazon fire TV stickというデバイスでテレビをネットに簡単につなげます。無料の民放で見たくもない(さらに気分を悪くする)ワイドショーやニュースを見る暇があったら、ネットで楽しい番組を見ましょう。中高生にとってはこんなこと当たり前です。言わなくても知っています。彼らはほとんどTVは見ずに携帯で動画を見てます。民放をだらだら見るのは受け身です。Youtubeを見るのは能動的です。人生アクティブに生きるべきです。これがこれからの正しい生き方ですよ。

     

  • 新卒が活躍するために

    先日の土日は 医師国家試験があったそうです。医学部の学生にとっては6年間の勉強の集大成です。緊張したことと思います。そうした中、私が関係する熊本大学の東洋医学研究会というサークルの追い出しコンパがあったので、参加しました。今日ははれて試験が終わり、みんな4月からの新しい職場のことで胸がいっぱいでした。最近は県外出身の人が多いため、卒後は関東や関西などに散っていくようです。熊本に残って研修を予定している人はわずか2名でした。あとの10名ほどは県外です。

    若い研修医の先生たちはこれからいろんな試練が待ち構えています。臨床の勉強は患者さんの命がかかっているので失敗は許されません。毎日が真剣勝負です。緊張しすぎてパニックになる人もいます。昔は新米医者の教育は(ドイツ語を日本語風にアレンジして)オーベン(先輩)・コベン(見習い)と言って新人は先輩に弟子入りして見様見まね、手取り足取りの指導がありました。しかし、最近は働き方改革と言って、研修医は5時過ぎたら帰さないといけない。たいてい病院の勉強会は夕方6時とか7時ごろにに始まりますが、働き方改革の結果研修医にカンファレンスに時間外に参加しろと命令できなくなりました。自主参加でお願いします、と下からお伺いする感じです。

    こんなことでちゃんとした医者が育つはずもありません。皆さんの職場も同じだと思います。働き方改革は日本人をさらにナマケモノにして国際競争力をどんどん落としてしまいます。ブラック企業は確かに困りますが、本当のブラックは働く時間の長さではなく上司の指導方法にあると思います。根性で働かせるいわゆる体育会系は困りものですが、愛情をもって育てれば、多少残業があっても下は文句を言わないでしょう。自分も早く一人前に仕事ができるようになりたいと思っているからです。

  • もうすぐ熊本城マラソン

    道を歩いているとランニングしている人をたくさん見かけます。熊本城マラソンまであと1週間ですね。フルマラソンは過酷ですから十分備えていただきたいと思います。私も熊本城マラソンは3回走りました。残念ながら開業してからは走る時間がなくなり走っていません。しばらく走らないと、フルマラソンは全く走れなくなっていまいます。その分、通勤などでできるだけ歩くようにしています。

    さて、マラソンに関する健康管理法を書いておこうと思います。まずは脱水予防。マラソンコースには給水所があります。できるだけ、すべての給水所で水分を補給しましょう。水とアクエリアスがおいてあるので、できればアクエリアスがおすすめです。塩分を取らないと足がつります。芍薬甘草湯は足がつるときの特効薬ですが、脱水がひどいと漢方ではどうにもなりません。次に膝の痛み。ひざ用サポーターが一番効果的です。どうしても完走するためだったら、走る前と走っている最中にロキソニンなどの鎮痛剤を飲むことです。湿布も役にたちます。酸化予防にビタミンcは1時間おきに1000mgは必要です。

    走り終わって、筋肉痛がある場合、乳酸が溜まっているので、ビタミンB1,ナイアシン(B3)などが必要です。ぬるめのお風呂でゆっくり温めてマッサージすると良いでしょう。膝などが熱を持ったように熱くなる場合、冷水やアイスノンで冷やしましょう。走っている最中に水分補給をしても、胃腸が受け付けなくなってお腹が水でチャポチャポになることがあります。その場合は五苓散がいいでしょう。ハリやマッサージなども体のメンテナンスにはおすすめです。走るのはいいですが、フルマラソンは故障しやすいので、きちんとメンテしたほうがいいと思います。さもないと、80歳ぐらいになったときに足を引きずりながら「こう見えてもワシは若い頃はフルマラソンで頑張っていたんじゃが・・」が口癖の老人になってしまいますよ。

  • 交感神経の緊張をとる方法

    私は週末は時間がある限り温泉にいきます。特に、サウナで汗を流すようにしています。サウナの熱い温度とサウナの後に入る水風呂の冷たい温度は体にとって強い刺激となり交感神経を緊張させます。一方、冷水からでて体をやすめると一気に副交感神経優位となり、リラックスモードになります。わたしたちは皆、日頃の仕事で緊張が続くと交感神経優位となり緊張のため眠りが悪くなったり、胃の調子が悪くなったり、脈が早くなりドキドキしやすかったりします。自律神経はなかなか自力で調整できません。神経が勝手に調節するので「自律」神経と呼ぶのです。そこで、サウナの温度変化を使って自律神経を揺り動かして調整するのです。

    交感神経は白血球を増加し、炎症を起こしやすくなります。また、交感神経が活性化すると副腎からコルチゾールというステロイドホルモンが分泌されます。その結果、免疫力が低下します。運動会とか旅行とか肝心な時に風邪をひいたりするのは交感神経が緊張しすぎているためです。

    会社などであまりに忙しかったり人間関係でストレスが続くと交感神経の緊張が取れず、次第に副腎機能が低下します。疲れが取れなくなります。そうならないためにも交感神経の緊張をほぐすために温泉に入ったりスポーツで汗を流すことが有効です。鬱などで会社を休んでいる患者さんには温泉に行ったりスポーツジムに行くことを勧めています。サプリではビタミンCが副腎機能低下に有効です。

    博多の駅地下で見つけたシナボン!(シナモンたっぷりのロールパン)アメリカにいた時は子供が大好きでよく食べていました。懐かしかったので、つい店に吸いこまれてしまいました。