むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 熱中症に注意

    海の日ですね。6月は祝日がないので、この連休は5月のゴールデンウィーク以来の祝日ですね。私はほとんどの土曜日には午後まで用事が入っており全く休めませんので、日曜日だけが休日なのですが、その日曜もワックスがけや備品の買い物、領収証の整理その他平日できない仕事が山積みです。そのうえ平日の運動不足解消のためと、このブログ用の写真を1週間分取り溜めるためにあちこちウォーキングに出かけます。全然休みなしです。しかし、今日みたいに連休となると、気持ちはゆっくりおやすみモードです。

    しかし、そうは言ってもじっとしているわけではありません。朝は5時半に起きてクリニックの外回りの清掃をしました。クリニックの面している道路側に目隠しの塀があるのですが、最近うっすらとコケがついてきたので、気になっていました。それをスポンジでこすって洗いました。また、待合室の大きな窓を清掃しました。窓用のワイパーみたいな道具を初めて使いましたが、面白いように綺麗になります。さらに駐車場の50m以上ある芝生の植え込みに生えた草を取りました。大きな袋に3つです。朝早いとはいえ、日差しは強く汗もどんどん出ます。

    こういう外での作業には熱中症対策が必要です。作業の「前に」十分水分を取っておくこと。あらかじめ水分を取っておかないと汗をかきませんから体温が下がりません。かいた汗を気化させる速乾性のシャツもオススメです。今日はランニング用の長袖を着ました。そして帽子。頭は赤外線を吸収して熱くなりますから、帽子で日光を遮るとかなり体感温度が下がります。

  • ながら族

    「ながら族」という言葉をご存知ですか?私が学生だった頃は普通に使われていた言葉です。例えば、勉強をするときにテレビやラジオをつけっぱなしでいると、ながら族は良くないとか、そういう話になっていました。しかし、当時(多分私が中学生ごろだから30年以上昔)読んだ本で今だに印象的なものがあります。評論家の竹村健一氏が書いた仕事のできる人の時間管理術に関する本です。「朝起きて、トイレに行く、コーヒーのお湯を沸かす、新聞を読む、をどの順番にするべきか」という話です。「自分はまずトイレを済ます」という人は多いかもしれませんが、竹村健一氏の本では仕事のできる人はまず「お湯を沸かす」沸くまでの間に「トイレを済ます」そしてコーヒーを入れたらそれを飲みながら「新聞を読む」が正解!貴重な時間を一つの仕事をするためだけに使っていてはもったいない。必ず複数の仕事を並行してすること。この例では、お湯を沸かしながらトイレを済ます、コーヒーを飲みながら新聞を読む、といった具合です。

    私はこの本を読んでいたく感心し、それ以来私はずっとその順番で朝を過ごしています。そして、徹底してながら族をしています。今は目の前に2つのiPadを置いて複数のサイトを同時に検索しながら別のパソコンでYouTubeを使って音楽をかけながらもう一台別のパソコンでブログを書く、みたいな感じです。しかし、最近しなくなったことがあります。それはだらだらとTVをつけっぱなしにすることです。TVは時間泥棒です。しかも、ケーブルTVのチャンネルまで合わせれば何10チャンネルもあるというのに一つとしてみたい番組はありません。週にいくつかの健康番組だけはみますが、あとはほとんどテレビを消しています。

    お年を召した患者さんと話していたら同じことを言われていました。TVをつけると悲惨な水害や嫌な思い出のオウム事件のことばかりやっていてみる気がしない。iPadさえあれば、自分の興味のあることが好きな時にみられる、とのこと。そうです。時代はだらだらとTVをつけたまま「ながら族」というのは古く、アクティブにオンデマンドの情報収集の時代です。暇なお年寄りにも相手にされなくなったテレビ業界の将来は暗いですね。

  • 痛みが取れました!

    先日来院された女性のお話です。70過ぎの方で、首が痛くて上を向けないということでした。かなり痛みは辛そうでした。みると微熱もあります。首を丹念に触っているとどうも上の方(頭に近い方)に痛みがある様でした。実はこの方は当院に来る前に2つの整形外科を受診し、投薬をうけたけど治らなかったという触れ込みでした。整形の専門で治らないのに内科の私にどうして欲しいのか、と思いますが、ちょうどこの症例はピンと来るものがありました。

    クラウンデンス症候群です。首の関節に起こる痛風みたいなものです。痛み方、微熱、首を触った感触などからおそらくこの疾患に違いないと思いました。正確に診断するには首のCTがあればいいのですが、クリニックにCTはありません。丹念に所見を取ることが全てです。今まで何人もこの疾患の治療をした経験から間違いないと思い、処方を1週間分出してみました。

    そして、今日、満面の笑顔でその患者さんが来院されました。先生、上が向ける様になりました!全然痛くなくなりました。近所の人たちもそんな姿を見てびっくりしてました。ということです。嬉しいことこの上なかったです。やはり絶え間ない日々の勉強が患者さんの利益なのです。

    燃える夕日@尾ノ上

  • 基礎医学が基本

    医学部は6年あります。通常の大学より2年長くなっています。何を勉強するかご存知ですか?最初は通常の大学生と同じで教養というのがあり、英語や数学を習います。いま思い返しても、大学の数学などなんの役にも立っていません。難しすぎて、ほとんど哲学でした。その後、医学の勉強が始まるのですが、基礎医学、臨床医学、臨床実習という段階に分かれています。基礎医学では、解剖学に始まり、生理学、生化学、薬理学といった基本を習います。その後、内科、外科、小児科など各科の疾患と治療について勉強し、最後に大学病院での実習があるのです。

    いま私の臨床を支えているのは基礎医学です。なかでも生理、生化、薬理がもっとも役に立っています。例えば、血圧の治療薬はすごい数ありますが、どの薬がどんな風に良い、悪いというのは製薬会社のパンフレットではわかりません。いいことしか書いてないからです。しかし、基礎医学の知識があれば当然薬の優劣が見えて来ます。製薬会社の宣伝でとても優れた薬剤の様に見えても、使ってみると旧薬の方がよほど優れていたということはざらにあります。しかし、製薬メーカーは繰り返しいいところを強調するため、次第に洗脳されて来ます。私たちがこの洗脳から逃れ、自分で優劣を判断できるためには、基礎医学の知識しかないと思います。

    当院は、循環器内科を専門としているため、高血圧患者さんなど多数来院されますが、結構な割合で前医の処方を私の判断で変えさせていただくことがあります。しばらくすると、患者さんからは薬が減ったのに今までにないほど血圧が安定して来ました、と喜ばれます。この様な臨床のコツというのは、基礎医学あってこそのものだと思います。

  • ハザードマップ

    ワイドショーは毎日水害のレポートばかりです。ほとんど野次馬としか言いようがありません。先日台風が接近中の私ブログに、マスコミは災害が起こる前にはあまり騒がず、大きな災害になって、凄い映像が撮れたら大喜びで(視聴率が取れるぞと言わんばかりに)報道すると書きました。まさにその状況です。もっと市民の避難を誘導する様な本気の視聴者目線の放送はできないものかと思います。最近になって、新聞ではハザードマップの通りに水害が起こったと報道しています。自治体もハザードマップを作りっぱなしで良くないですが、マスコミはそういったハザードマップを頼りに避難を呼びかけたりもう少し地域に根ざしたきめ細かい放送ができなかったのかと思います。所詮東京の人(マスコミ本社)は、地方の災害には興味はありません。興味があるのは視聴率だけです。

    皆さんは自分の住んでいるところのハザードマップを見たことありますか?熊本だと、「熊本市」「ハザードマップ」と検索すると熊本市のホームページからすぐに情報を見ることができます。しかし、驚くことに、ファイルサイズが大きすぎて重いです。地震、洪水など災害別にハザードマップが用意されています。

    もしかしたらすでにやっているかもしれませんが、火災保険などの保険はこのハザードマップを使って住宅の保険料を決めたらいいと思います。そうすると、自分の住んでいるところがいかに災害に弱いかを金額で知ることができる様になります。一旦住宅地として個人が私有地として買った土地に建築許可を出ないとはあんまりなので、保険料で危ないところに家を建てさせない様な仕組みづくりが急がれると思います。

    樹齢400年の三宮神社のご神木(龍田)