むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 待ち時間対策としてクイック診察のシステムを導入します

    通常夏の暑い時期は風邪などの感染症も少なく内科クリニックにとっては比較的暇な時期です。冬に忙しく夏に暇になる、そういったサイクルです。この様なサイクルはどの様な仕事にもあると思います。聞くところ、整形外科では夏忙しく冬は比較的空いているとのことです。同じ病院でもこの様に違いが出ます。当院も内科ですからこの梅雨明けの暑い時期は患者さんが減ると予想していましたが、今日の混み具合は相当なものでした。午前の診療が1時過ぎまでかかったため、それから往診に出かけて帰って来たのが3時でした。必然、午後の診療もタイトでした。昼ごはんは3分で食べ、診療中に水を飲む暇もなく働き続けましたが、患者さんからはもう少し待ち時間をどうにかならないかと相談(クレーム)されました。それはそうです。私が患者だったら同じ風に思います。

    待ち時間対策は以前から取り組んでいるのですが、どうしても患者さんの行動パタンがおなじ日の同じタイミングに集中する様で、混む時は1時間以上お待たせしてしまいます。看護師も、採血や検査で慌ただしくしているため、なかなかお待ちいただいている患者さんに十分なサービス提供ができません。なんとか待ち時間を解消しないといけない、というのはスタッフ全員感じているところです。

    今後の対策を真剣に考えました。高血圧などで安定しており、自宅血圧をきちんと手帳につけて持参している方、いつもと同じ処方で変更を必要としない方などは優先的にクイック診察を実施しようと思います。残薬調整(睡眠薬は足りないけど血圧の薬は余っているなど)には時間がかかりますので、クイック対応はできません。近日中に始めようと思いますので、始まりましたら受付でご案内いたします。

  • 逃げるは恥

    「逃げ恥」といえば、一世を風靡したTVドラマを思い出しますが、今日はその話ではありません。今回の豪雨で100人を越す尊い人命が失われました。気象庁は数年前から以前の警報の表現を変えて「50年に一度の大雨が予想されます」とか、「まずは命の助かる可能性の高い行動をとってください」と警告トーンを高めて来ました。しかし、災害のたびに亡くなる人の数は減ることはありません。結局、日本人にはあの様な警告はなんのことはない「ひとごと」なのです。なぜかということをずっと考えていました。そして行き着いたのが、「逃げるは恥」という文化です。おそらく鎌倉時代くらい迄さかのぼった武士道に端を発すると思うのです。源平合戦で平家はチリジリバラバラに山奥へ逃げて現在に至ります。熊本も山間部に行けばその子孫の姓を持った人たちはたくさんおられます。おそらくこの頃から逃げるは恥という気持ちが脈々とながれているとおもいます。そして、昭和の第二次世界大戦でも銃を持ったアメリカ兵と竹やりで戦ったご先祖がいます。怖かったでしょうが、逃げるは恥という気持ち一つだったと思います。

    そういう武士道や、精神的な美学に通じる「逃げるは恥」があだとなって大雨の警報が出ていても先祖代々受け継いだ土地を離れることをせず無謀にも自然相手に戦ってしまうのではないかと思います。アメリカだったら、台風(ハリケーン)の進路予想を見て1週間前からさっさと休暇申請を出してとにかく逃げます。車で行けるところまで行きます。そういうサバイバルの文化があります。

    では、日本人を逃げさせるにはどうしたらいいでしょうか?携帯でうるさくキンコンと警告音を鳴らしてもなんの意味もないのはこれまでの地震や水害でよくわかりました。結局、隣保みんなで声を掛け合って「みんなで」逃げることです。日本人が一番弱い言葉は、「みんなやってますよ」という言葉です。単一民族ですから自分だけやっていないことにとても不安を感じるのです。そういう心理作戦以外ないと思います。

  • 三石巌(みついしいわお)の本

    私が患者さんに炭水化物を減らして肉を食べる様にとしつこく指導しているのは「藤川理論」によるものです。藤川先生は広島で心療内科を開業されており、食事療法で非常に成果を上げておられます。著書も多数あり、フェイスブックのグループもあり私はそれに参加しています。実はこの藤川理論が現在あるのは先駆的な学者のおかげなのです。それが三石巌先生です。三石先生は東大出身の物理学者で発明家であり哲学者でもあります。その先生が60歳すぎてから分子生物学を自分のものとし、発明家であったために独自の発想で分子生物学を理論立てて健康論を完成させました。私たち医学や生物学をベースとしている人間とは違い、物理と哲学の世界から合理的な理論をつめて打ち立てた世界は、いわばパラダイムシフトです。

    三石先生は1997年に96歳で亡くなっておられますが、没後20年も経った現在たくさん本が出版されています。この週末に読んだのは「賢脳食:脳を活性化させる食事と栄養」です。

    藤川理論の基礎となっているだけあって今私が実践している内容とおなじなのですが、こんな発想から生まれたんだと読みながら感動しきりです。

    私たちの体の設計図はDNAです。このDNAに書かれているのはアミノ酸配列だけです。どんな時にどんなタンパク質をつくったらいいかが書いてあるのです。しかし、忙しくてろくにごはんをたべていないとか、パンやおにぎりだけで済ませているという場合、遺伝子がストレスに対応するためあるタンパク質を作れと指令を出してもその材料(アミノ酸;タンパク質の元)が入ってこないわけです。その結果、体は限界に達して、寝込んでしまったり鬱になったりするのです。活動性がストップしてしまうのです。したがって、辛い時こそ炭水化物ではなく肉や卵をきちんと食べることが大切なのです。疲れているサラリーマンのお父さん、実践するのは簡単です。ラーメン屋さんでは、卵とチャーシューを忘れずにトッピングしましょう。それが体を救ってくれます。

    健軍商店街にて

  • 台湾茶は贅沢な嗜好品

    皆さんは息抜きに何をしますか?私はあさ診察が開始したら昼休みまで全く息抜きはできません。トイレに行く時間もないので、朝からうかつにコーヒーのお代わりなどできません。しかし、全く何も息抜きをしないとなると、緊張感が何時間も続くはずもなく、一瞬でも気分転換が必要です。

    実は、最近台湾茶をいただきました。素晴らしい香りを嗅ぐだけでリラックスします。台湾茶にも烏龍茶、プアールチャ、ジャスミン茶などありますが、烏龍茶系では東方美人という銘柄と高山茶が大好きです。

    ファーストフラッシュ(春の一番摘み)で丸ごとの茶葉をくるくると丸めて乾燥してあります。お湯を注ぐと茶葉が開いて素晴らしい香りが立って来ます。台湾茶は最近は楽天などで手に入りますが、30gで1200円ぐらいします。高すぎて買ったことはありません。横浜中華街に行くと中国茶専門店があります。そこでは試飲させてくれるので、納得して買えます。以前、東京の学会に行ったついでに、お茶を買いに横浜まで行ったことがあります。コーヒーは診察中に飲むと口から臭うので、絶対飲みませんが台湾茶をひとくち。なんとも贅沢な気分です。

    エキネシアという花です。アメリカインディアンはこの花の根を風邪薬に使っていました。アメリカンハーブです。

  • 七夕は旧暦にすべきですよね

    七夕ですね。日本各地では大雨の被害が出ています。毎年のことですが、水害は怖いです。天気予報から目が離せません。去年もブログに書きましたが、七夕をこんな梅雨の真っ盛りにするのは大間違いです。夏の夜空を見上げて星を見るイベントですから、梅雨にするはずありません。旧暦の七夕はお盆の頃のねぶた祭の時期です。

    こう雨が降って蒸し暑かったり台風が来て気圧の変化が大きかったりすると体調が悪くなる人も増加します。頭痛、めまいが多いです。漢方的には湿が悪さをすると考えられます。五苓散や苓桂朮甘湯が有効です。日頃天気が悪い時に頭痛がするという人は片頭痛のことが多いですが、ロキソニンなどの鎮痛剤を使いすぎない様にしないと副作用の心配があります。そういう時に漢方を使っておくと、鎮痛剤を使う回数が減ります。

    湿の邪にやられやすい人は胃腸が弱い傾向にあります。食が細い、もたれる、下痢しやすいなどの体質があります。日頃からお腹の調子に気をつけた方がいいと思います。冷やさないこと、過食しないこと、ヨーグルトなど発酵食品を食べることなどあります。漢方では朝鮮人参を含んだ処方が有効です。長期に使用することで体質改善を期待できます。