むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 鯖缶が人気

    台風一過で秋の気配が強くなって来ました。夜に犬の散歩すると風は涼しく秋の虫の音が響き渡っています。昼は暑くても、確実に季節は移っています。月曜日の夕方はいつものように健康番組の日です。今日は鯖(サバ)缶が健康にいいと言う話をしていました。鯖の水煮やみそ煮缶は最近とてもブームです。私も、うちの台所を見たら鯖缶が6個ありました。鯖を丸ごと缶に詰めて圧力釜で加熱してあるだけというシンプルな中身ですが、ポイントは魚に含まれるDHAやEPAといった健康にいい油がたっぷりと詰まっている事です。グリルで魚を焼くと脂はしたたり落ちてしまいます。また、脂は酸化しやすいので、健康のためたくさん摂るには新鮮なものに限ります。そうは言っても、市場や魚やさんに毎日買いに行く訳にはいきません。鯖缶は新鮮な状態で缶詰にしてあるからこそ健康に良いのです。

    番組では中性脂肪がぐんと下がるといっていました。また、血液の循環が良くなるので、血圧も下がるようです。医薬品でもDHA/EPAの合剤がありますが、値段は鯖缶と同じか少し高いくらいです。薬の方が手軽でいいと思うかもしれませんが、本物の鯖缶を食べれば、お腹が膨れて満足するためいらぬお菓子などを食べずに済むかも知れません。間食は不用意に中性脂肪をあげてしまう悪習慣ですから、やめられるものならやめたいものです。

    DHAやEPAは中性脂肪を下げるというだけではありません。血小板の凝集を押さえて血栓予防効果で心筋梗塞を予防します。またDHAは頭が良くなるという触れ込みで子供に人気ですが、大人が食べれば認知症予防効果が期待できます。血管拡張作用もあり、しもやけや冷え性にも有効です。そのほか、めまい症など脳循環の問題で起こる疾患にも有効と考えています。たかが鯖の缶詰ですが、健康にいいのは間違いありません。大事なのは、EPA・DHAが含まれている汁の部分(脂成分)を間違っても捨ててしまわない事です。

  • いいキーボードは仕事効率化に大切

    仕事で電子カルテに大量の文章を打ち込むために東プレのリアルフォースというキーボードをつかっています。このキーボードで仕事をすると指の疲れ方が違います。軽いタッチでどんどん打てます。一方、自宅でこのブログを書いたりするのに以前はLenovoのThinkPad を使っていましたが、最近はiPadに変えました。不思議なことに、iPadは今まで使ったいろんなパソコンより日本語変換が的確で優れています。おなじアップルでもマックブックエア(ノートパソコン)ではiPadほどきちんと日本語が出てきません。アップルの「ことえり」というIMEやGoogleIMEなどよりiOSの方が優れているのはなぜなんでしょう。

    そのiPadで文章を書くには画面に出てくる仮想キーボードで打つのが標準でしょうが、それでは素早く打てません。そこで私は、外付けキーボードをブルートゥースでつないでいます。このキーボードは結構使いやすく、気に入っています。一方、最近困っていたのが、iPhoneにメモする時です。もちろんiPhoneの画面に仮想キーボードを出して打つか、フリック入力するのが普通と思いますが、私が打ちたい文章は文字数が多いので、それでは話になりません。

    そこで、思いついて、折りたたみ式で持ち運べるキーボードを買いました。バッファローのiOS, Android用のキーボードです。折りたたんで収納するケースがついているのですが、そのケースからキーボードをとりだすと、そのケースがiPhoneを立てる台になるという優れものです。これでいつでもどこでもメモを取れます。

  • 物理と生物

    台風が接近中です。こんどの台風は東から来ています。珍しいです。ほとんどの場合九州は最初に台風の洗礼を受けるので、どんな雨風になるかはまず九州が体験し、それが東の方へ行きます。今回は九州に来る前にだいたいの勢力がわかるので、九州に住む私たちにとっては対策が取りやすいやすいと思います。

    ところで、NHKの天気予報では、「西日本、東日本では今日も猛暑が予想されます」というセリフを聞きます。西日本、東日本なら 日本全国でもいいのではないかと思っていましたが、わざわざ西日本東日本と言うからには例外があるに違いないと思いました。例外は中部東海のことか沖縄や北海道を別扱いしているのかと思って調べてみました。そうすると、意外や意外、気象庁は日本を3つに分けているそうです。それは、西日本・東日本・北日本の3つだそうです。北日本は東北・北海道を意味するとのこと。 そうですか、猛暑のニュースで西日本東日本と言う言葉で除外されているのは東北、北海道のことだったのです。それにしても、かってにそういう定義をつくらないで欲しいですね。

    この週末私は「ガンは予防できる」と言う本を読んでいます。三石巌先生の著作です。ガンの発生メカニズムは酸化反応で分子間の電子のやりとりが問題だと言うことです。この本ではノーベル賞を取った福井謙一氏のフロンティア理論を使いながらなぜガンが発生するのか、その予防はどうするべきかが物理化学の理論をもとに書かれています。大変勉強になり、生物学を基本としている私たち医学者とは90度視点が違うパラダイムシフトです。

    自宅前です。路上は44度!道路工事の交通整理をしている人、大丈夫でしょうか?

  • 救急は過酷な労働現場

    夕方テレビを見ていたら、ドクターヘリの番組をやっていました。私も10年以上前ですが、国立病院医療センターの救急を担当していました。当時は3人体制で当直しており内科系、外科系、研修医の3名です。一晩に20台から40台の救急車が入っていました。テレビでやっていたようなドクターヘリもちょうど熊本で稼働し始めた頃でした。天草や山都町あたりでも15分もあれば患者さんが飛んできます。ドキドキしました。

    それ以外にも、植木にある寺尾病院や南区の東(あずま)病院などの救急病院でかなり長い間勤務した経験から、ムカデに刺されたとか、耳に虫が入ったというような急患から、高速道路での交通事故や日本刀での殺傷事件などありとあらゆる救急を見てきました。アメリカに留学していた時も集中治療部に所属し、ER(救命救急部門)の回診をしていました。アメリカでは日本と違って拳銃による外傷もあるし、水上スキーで転んだ人の多発骨折などもありました。このような患者さんを救うことを生きがいのように頑張っていました。

    しかし、日本の救急の現場はあまりに過酷です。24時間、365日不眠不休の仕事を医師に強いられます。(アメリカでは完全2交代制で12時間働いたら次の12時間は絶対呼び出されることはありませんでした)今では働き方改革とか言いますが、それをまともに遵守すると地域の救急医療体制が崩壊するので、国も迂闊に手をつけられません。国はもっと救急ドクターを増やす努力が必要だとおもいます。医師の献身的な努力とその家族の犠牲の上に成り立っている救急システムというのはほめられたものではないとおもいます。

  • 風邪と風

    今日は灼熱の大地を冷やしてくれる夕立が降りました。気温も少しさがってホッとします。最近来院される患者さんによくあるのが、息苦しい、という訴えです。これは、ストレスなどで息が詰まったようになる場合もありますが、このところの暑さで吸う空気が体温を超えているため、呼吸が浅くなってしまいなんとなく息苦しい、という場合も多々見受けられます。そうすると、病気なのか、暑さのせいで体が反応しているだけなのかわかりません。肺は血液のガス交換をする臓器なので非常に血流が豊富です。そういうところに体温より高い温度の空気がバンバン入ってくると必然的に体温が上がってしまいます。それを防ぐには呼吸を浅くするしかないのです。

    人の体で熱が体にこもってしまった際に熱を冷ましてくれるのは汗です。汗をかくことで、体表面から気化熱として体温を奪ってくれます。また、気化熱で体温を下げるために必要なのは、空気の流れです。洗濯物も、暖かい方が寒い時よりは乾きやすいですが、最も大切なのは洗濯物に風が当たるかどうかです。扇風機の風を当てておくと乾くスピードが早くなります。

    そう考えると、最近風邪で来院した人の背景を聞いたところエアコンをつけっぱなしで風邪ひいたという人より、扇風機をつけて寝たら風邪ひいたという人の方が圧倒的に多いです。やはり、風邪と風は関連しているのです。みなさんご注意を。