むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 三石巌(みついしいわお)の本

    私が患者さんに炭水化物を減らして肉を食べる様にとしつこく指導しているのは「藤川理論」によるものです。藤川先生は広島で心療内科を開業されており、食事療法で非常に成果を上げておられます。著書も多数あり、フェイスブックのグループもあり私はそれに参加しています。実はこの藤川理論が現在あるのは先駆的な学者のおかげなのです。それが三石巌先生です。三石先生は東大出身の物理学者で発明家であり哲学者でもあります。その先生が60歳すぎてから分子生物学を自分のものとし、発明家であったために独自の発想で分子生物学を理論立てて健康論を完成させました。私たち医学や生物学をベースとしている人間とは違い、物理と哲学の世界から合理的な理論をつめて打ち立てた世界は、いわばパラダイムシフトです。

    三石先生は1997年に96歳で亡くなっておられますが、没後20年も経った現在たくさん本が出版されています。この週末に読んだのは「賢脳食:脳を活性化させる食事と栄養」です。

    藤川理論の基礎となっているだけあって今私が実践している内容とおなじなのですが、こんな発想から生まれたんだと読みながら感動しきりです。

    私たちの体の設計図はDNAです。このDNAに書かれているのはアミノ酸配列だけです。どんな時にどんなタンパク質をつくったらいいかが書いてあるのです。しかし、忙しくてろくにごはんをたべていないとか、パンやおにぎりだけで済ませているという場合、遺伝子がストレスに対応するためあるタンパク質を作れと指令を出してもその材料(アミノ酸;タンパク質の元)が入ってこないわけです。その結果、体は限界に達して、寝込んでしまったり鬱になったりするのです。活動性がストップしてしまうのです。したがって、辛い時こそ炭水化物ではなく肉や卵をきちんと食べることが大切なのです。疲れているサラリーマンのお父さん、実践するのは簡単です。ラーメン屋さんでは、卵とチャーシューを忘れずにトッピングしましょう。それが体を救ってくれます。

    健軍商店街にて