むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方の講演会三昧

    先週の土曜日は東洋医学会4県合同県部会(福岡、熊本、大分、佐賀)でした。私は熊本県の会長なので本来なら熊本でも主催しないといけないのですが、去年からコロナのためにこちらでの開催は見送り、福岡にお願いして、共同の学会にしてもらいました。助かりました。そして、とても勉強になりました。それとは別に、熊本東方医学研修会という漢方の勉強会があります。私が研修医の頃からあるのですでに25年以上の歴史です。この会を主催されていた先生や事務局の方が、だいぶ年取ったのでそろそろ交代してほしいと頼まれ、私がこの会の事務局を仰せつかりました。2つの会を運営するのはけっこう大変ですが、熊本の漢方教育のために尽力したいと思います。

    そして、早速ですが、この月曜には消化器の先生を対象とした漢方セミナーの講演を頼まれています。WEB講演なので、クリニックの診察室から配信する予定です。テーマは「お腹が張るを治す」です。お腹が張るという訴えは非常に多いのですが、西洋薬でなかなか治せないので、漢方を使う機会が多いと思います。ところが、最近SIBOという概念がでてきて、小腸内で腸内細菌が過剰増殖して発酵することがお腹が張る原因だと明らかになり、治療法がかなり進みました。私もこれを知ってからいろいろな治療法を試し、かなり治せるようになりました。漢方を使わないで西洋薬だけでも治療できます。

    また、今度の金曜は別の漢方メーカー主催で講演会があります。以前はパレアでみんな集まってやっていたのですが、去年からWEB講演会です。リアルでの集まりは30人程度だったのですが、WEB講演会になり200名を超える参加者です。会場費もいらない、講師の先生の旅費や宿泊費もいらない、そしてリアルの7倍もの参加者が見込めるというのは夢のような話です。

    阿蘇大橋 阿蘇の噴火のニュースで阿蘇方面は閑散としていましたが、噴煙は穏やかでした。人が少なく、どんどこ湯を独り占め。贅沢なお湯でした。今日は2万歩歩きました。

  • 学校のオンライン授業は東進を見習おう

    小雨の一日でしたが、ずいぶん涼しくなりました。いつものようにエアコンを付けていると、半袖の白衣では少し肌寒い感じでした。季節の変わり目、風邪には気をつけましょう。喘息や秋の花粉症も増えてきています。ひどくなる前にきちんと治療しておくことをおすすめします。

    毎日仕事が終わったあとはWEB講演会に参加して勉強しています。便利なもので、家にいながらにして東京などから配信される一流の講師の先生の講演を聴くことができます。全国版だと、参加者は2500名ということもあります。すごいです。ローカルの漢方のWEB講演会でも、全国から参加できるので200名を超えることはザラです。これまでリアルの勉強会だと、50名がせいぜいだったので、WEB講演になり、空間の制約がとれてとても効率よく勉強できるようになりました。

    ニュースを見ると、学校の授業もWEB配信になったけど、先生たちは試行錯誤で大変と言ってます。しかし、それはWEB配信のメリットを全くわかっていない。上述の通り、WEBだと空間の制約がないのだから、とりわけ授業の上手な先生が一人講義して、それを学年全員で見たらいい。授業の下手な先生は、カメラや音声担当をすればいい。公立の学校なら全国規模で日本一講義の上手な人の授業を配信したらいい。オンディマンドにすれば時間的制約もなくなるので、見逃した人や復習したい人は何度でも見ることができる。それを今の学校では旧態然として担任がクラスの40名前後のためだけに授業して配信するから非効率的だし、WEB講義が下手な人に当たれば最悪。この分野は、東進衛星予備校が先駆者です。一流講師陣の講義を日本全国から好きなときに受講できる。これからは塾だけでなく学校もこうあるべきでしょう。担任は授業するのではなく、履修状況の確認と受講のサポートだけすればいい。発想を変えないと公務員の先生たちはいつまでも効率の悪いことをやり続けるでしょう。

  • 進まないオンライン診療

    先週末から東洋医学会総会がオンディマンドで再生できるようになりました。学会当日も時間のある限り参加したのですが、同時に複数の会場で講演があるため、どちらかしか参加できませんでした。リアルの学会はもちろんそれでおしまいですが、今回の学会はWEB学会だったため、期間限定ですが、後日オンディマンドで参加できます。当日見逃した人もこちらに参加することで参加点数をもらうことができます。素晴らしいシステムです。

    私は、当日参加できていなかった講演を毎日片っ端から視聴しています。今回の学会では、シンポジウムで新型コロナの漢方治療経験が多数報告されていました。いろんな先生が一生懸命考えて実践された報告というのは大変有意義です。中国でも新型コロナの軽症例は殆ど漢方治療で良かったと報告されています。日本も見習うべきです。日本の軽症者の現状は解熱剤程度しか処方されておらず、あとは酸素がいるかどうかと言った、重症化の有無を見守るだけの治療になっています。わたしたち漢方専門医からすると、何もしないで悪化しないことを祈るだけに等しいと思います。西洋医学で薬がないからと言って、それが全てではありません。特に解熱鎮痛剤だけで治療するなんて、その場しのぎで、根本的に解決になっていないことを肝に銘じないといけません。

    東洋医学会の発表を見ると、志ある漢方医の先生が西洋医学と並行して漢方を投与されています。このような漢方を入院しない(家庭で隔離される)人たちに広げてあげたい。そのためには、自宅隔離されている患者さんとクリニックをZOOMなどでつないでオンライン診療をする仕組みを構築しないといけないし、処方薬を薬局から宅配する仕組みも必要。しかし宅配では刻々と病状が変わる患者さんに対応できないというジレンマがあるし、患者さんに薬を届ける宅配業者さんを感染から守る対策も必要となります。

    他にも、オンライン診療は診察代をクレジットカード決済するシステムを入れないといけない。また、新型コロナの患者をオンライン診療した際には、毎日保健所に報告書をかいて送らないといけないそうです。ただでさえ膨大な仕事量の上に、そんな暇は取れるはずもなく、オンライン診療は日本全国遅々として進みません。

  • コロナでリアル勉強の機会が減った

    夜に犬の散歩をしていたら、満月がとてもきれいでした。やっと長雨があがったら、蒸し暑いですね。心配された台風もそれ、今週は明後日くらいから猛暑が戻ってくるようです。学校はそろそろ夏休みが終わりますが、もうしばらく夏が戻ってきそうです。子どもの面倒を見ているお母さんたちは早く夏休みが終わらないかと心待ちにしているようですが、地域によってはコロナの影響で夏休みが延長され、急きょ課題を配る準備をしている学校もあるとニュースで見ました。このところ、コロナ患者さんは10−20台の若い世代に増えているので、学校が始まるのは心配ですね。

    さて、私はこのところ肩こりから腕のしびれ(頚肩腕症候群)がなかなか治らないと何度もブログに書きました。そして、きのうふと操体法による治療法を思いつき、試したところ、劇的に改善しました。今日一日忙しかったのですが、ほとんど腕のしびれは出ませんでした。9割治った感じです。本当にいろんなことを試して、どれも効果がなかったのですが、決め手となったのは操体法でした。操体法はわずか数秒で治療が完了するので、仕事中でもしびれを感じたらぱっと自分に操体法をして、治療できます。すぐにしびれは取れます。この操体法以外にも、きっと一定の効果があったと思うのは、パソコンのマウスを腕を全く動かさないでポインタ操作ができるトラックボール付きマウスに買い替えたことと、枕をニトリのホテル枕に変えたことです。どちらも肩首のストレスが改善され、買ってよかったと思います。

    私のような漢方好きは東洋医学会、東方医学会、統合医学会、鍼灸学会など面白くて参加します。コロナ以前は、リアルに集まってあれこれ仲間たちと情報交換をしながら、知らない治療法をお互い披露しあいながら臨床の幅を広げてきました。漢方にとどまらず、鍼や整体、操体法、音楽療法、気功など世の中にはいろんな代替医療があることを知ります。私が操体法を学んだのもこういったリアルの勉強会からでした。早くコロナが収束し、また今までのようなリアルの勉強会が再開されることを望んでいます。

  • ビタミンDを取りましょう

    雨が続きます。九州北部ではまた災害が起こっています。数年前にも同じようなところで水害が発生したので、大変だろうと思います。これからはこのような豪雨被害は毎年のように起こると思われるため、水害の起こりやすい土地はなるべく手放して安全なところに引っ越したほうがいいと思います。動物が植物と違う最大の点は「動物には足がある、自分で動ける」ということです。食べ物を求めて歩き、危険を避けて移動する。つまり、移動するのが人を含めた動物の動物たるところです。日本人は農耕民族なので、住むところと田んぼが切っても切り離せず先祖代々同じところに住み続けてきました。しかし、今はそんな時代ではありません。安全なところ、いい職場の近く、買い物などの便利なところに引っ越すのはもっと気軽にすべきだとおもいます。

    これだけ雨が続き、太陽を見ることがないと、体も鬱っぽくなってきます。これは、太陽により体内で合成されるビタミンDが減ってきたことが関係します。ビタミンDは一般的にはカルシウムの吸収に関連し、骨を丈夫にすると言われていますが、免疫系や精神神経系にも深く関与しています。コロナもビタミンD濃度さえしっかり上げておけば、かかっても重症化しないと知られています。その大事なビタミンDがこの日照不足で低下していると思われるので、皆さんサプリのビタミンDを飲んでおくことをおすすめします。毎日1000から2000単位、5000単位の錠剤なら週2−3回、1万単位の錠剤なら週1−2回で良いと思います。

    昨日から東洋医学会総会がWEB開催されているので、朝から晩までずっと講演を聞いています。リアルの学会では久しぶりに合う人と話したり、出店される漢方専門図書の立ち読みなどに忙しく、講演などあまり聞く暇がないのですが、WEBだと全部聞けます。しかも、大事なところはスライドを止めてメモすることもできるし、こんな素晴らしい学会、これからずっとWEB開催してもらいたいです。