むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 今週末、お盆休み中です

    クリニックはお盆休みを頂いていますが、私は通常通り訪問診療があり仕事でした。朝から出勤して訪問のためにカルテを準備していたら、休みと知らずに来院される方や、今日はやってますかという問い合わせの電話が次々とかかってきました。皆さん、申し訳ないです。月曜から通常通りとなります。ところで、せっかくのお盆休みですが、連日の大雨で油断すると危険な状態です。高速も福岡方面は通行止めらしいです。私は昨日も書きましたが、ちょうど東洋医学会総会で、今年はWEB開催だったので、クリニックや自宅のパソコンから参加できます。これって最高です。朝早くからサイトにアクセスしてみたら、生放送の学会は午後から開始なのですが、オンデマンドの講演はすでに早朝から視聴できました。

    私は、診療が忙しいため学会に参加できずにずっとほったらかして来たのですが、今回のWEB学会のおかげで指導医講習と医療倫理・安全講習という専門医と指導医を更新するために必須の項目を自宅にいながら受講できました。家ですから新聞を読みながらとか、お茶を飲みながらのんびり聞けるのがいいです。それから、今度の学会がすごいのは、学会が開催される3日間を過ぎてもしばらくはオンデマンドで講演を視聴できるのです。リアルの学会だと、会場が複数同時進行なので、どれか選んで聞かないといけませんが、この方式だと、時間のある限り全部視聴することが可能です。おかげで、今日は、鍼灸、呼吸器、消化器、耳鼻科などの演題を聞きました。まだ、その他いろんな科にわたる漢方の発表を聞いたり、特別シンポジウムなど聞けるので、とても勉強になります。これからこの先、毎年この方式でやってもらいたいです。

    新聞を見ると、コロナ患者さんがどんどん増えています。もう、慣れっこになってマンボウなんてよそ事みたいにしていますが、かかった人は大変みたいです。当院にも、コロナの後遺症でつらい思いをしている患者さんが多数来られています。西洋薬では治療法もないので漢方でいろいろ考えてやっています。ワクチンの効果は期待できますが、過信できません。皆さん、免疫を落とさないようにしましょう。よく食べよく寝てストレスを溜めない。ビタミンB,C,Dを取ること。これは基本中の基本です。

  • ものを大切にし、長く使う時代が来た

    最近は毎日のように漢方の講演会(WEB)に参加しています。飯塚病院の漢方診療科は全国的にも有名な漢方診療施設ですが、多くの人が国内留学で勉強に行ったりしています。私も、機会があれば飯塚病院に研修に行ってみたかったですが、アメリカに留学したため、そういうチャンスはありませんでした。私は熊本の御船で牟田先生に師事して漢方を学びましたが、留学から帰国後はほとんど独学です。いつの間にか、熊本の東洋医学会熊本県部会の会長になってしまいましたが、ほぼ独学なので世の漢方学者さんたちがどのような臨床をされているのか、ほとんど知りません。それが、コロナのおかげで全国の漢方勉強会に自宅から参加できるようになり、飛躍的に勉強が進みました。一流のレベルがどのくらいかもわかりましたし、今では飯塚病院のカンファレンスなどにも毎週のように参加できます。夢のような環境です。

    さて、熊本は梅雨明けしたはずなのに毎日のように雨です。梅雨明け宣言が早すぎたようです。朝晩はかなり涼しく快適です。実質来週が梅雨明けとなりそうです。ニュースで見たのですが、カリフォルニアワインの産地のナパバレーで山火事のため、ぶどう畑が燃えてしまい、ワイナリーの再建を断念したと言っている人がいました。残念なことです。温暖化が進むと、今までの産地は適しない様になり、もっと北の方へと産地が移動していくはずです。熊本もそのうち沖縄みたいになり、植木のスイカ畑も将来はパイナップル畑に変身するかもしれません!

    コロナ禍で半導体不足が深刻化しています。車は納車まで半年以上かかることがざらになっています。当院は、コピー機のリースが切れて、新しいのを入れようとしたのですが、メーカーに売る品物がないそうで、買い替えは断念して、メンテナンスの延長となりました。腕時計のロレックスは半導体と関係ないですが、世界的に品うすとなっており、持っていれば、壊れていても高値で売れるそうで、もし新品を買えたら即転売すると5割増しくらいで売れると聞きました。品不足の時代、物を大事にして長く使うこと、当たり前ですが、懐かしい響きです。

  • 新薬のメリット

    仕事が終わり、今日も急いで帰宅してWEB講演会に参加しました。なんと3つ同時に開催されるので、うちにあるiPadやChrome bookをならべてそれぞれのパスワードなどを入力して講演会にアクセス。一つはグーフィスという新規便秘治療薬の話。便秘薬などは酸化マグネシウムとかセンノシドのような昔からある下剤を上手にい使えばほとんど困らないし、私の場合、漢方も使います。漢方では軽い下剤からかなり強いものまでピンきりです。そんな中、新規の便秘薬の出番があるのだろうかと思っていましたが、今日の講演を聞いて、たしかに従来の薬の副作用などが改善されており、使う価値があるとわかりました。

    次に、糖尿病の講演会。メトホルミンという相当昔からある治療薬の効果ですが、この薬は古くて新しい。作用機序が謎の点も多いのですが、素晴らしいメリットが沢山あります。私もよく処方しています。糖尿病を早期発見して、少しでも早くから治療介入したほうが予後が良いというお話でした。よく、患者さんからしてみると、糖尿の薬なんか、飲みだしたら一生飲まないといけないから、まだ飲みたくない。食事を気をつけますから、来月まで待ってください、とかよく言われます。しかし、食事や運動などの生活習慣を改善するのは当然として、メトホルミンを少しでも早く始めたほうがずっと将来のためになります。糖尿だけでなく、ガンの抑制作用とかアンチエイジング(老化防止)作用なども知られており、糖尿病でない人もネットで買って飲んだりする程です。

    3つ目の講演会は、パルモディアという脂質異常の治療薬の講演会でした。演者の先生のこの薬に対するラブがひしひしと伝わってきました。この薬を使うとこんなにいいことがあるという実例をたくさん示されました。パルモディアという薬は新しい薬で、従来からあるベザトール(ベザフィブラート)はすでにジェネリックがあるので、値段が随分違うのですが、その差額を払ってもまだ余りあるメリット。私は今まで安いベザフィブラートばかりを処方していましたが、やはり新薬の効果、メリットを知ってしまったからには、高中性脂肪血症や脂肪肝、アルコール性肝障害などに悩む患者さんのためにはパルモディアを使ってあげるべきと思いました。

     

  • 研究職と臨床医

    新聞を開くと、訃報の欄に高月清先生が載っていました。90歳。私が医学部を卒業して熊大の第2内科に入局したときからお世話になった教授です。AIDS研究の礎を築いた先生で、ノーベル賞候補と噂されていましたが、残念ながら受賞する前に亡くなられてしまいました。その数日前には前田浩先生の訃報が載っていました。前田先生からは少ししか習ったことはないのですが、医学部時代に微生物の教授でした。活性酸素などの当時の最先端を研究され、その後ドラッグデリバリーシステム(DDS)という分野で目覚ましい研究成果を出され、こちらも日本人でもっともノーベル賞に近いと言われていました。訃報を聞き、とても残念でした。

    私は、大学で長年研究生活をしていたので、大学で研究生活をする大変さを身をもって体験しました。たえず最新の知識を勉強し、更に自分なりのアイディアで仮説を立て、実験で証明し、論文を書いたり学会で発表したりする。そのアイディアが学会や専門家の間で認められれば自分の書いた論文を参考文献として他の人が引用してくれるようになる。その引用回数が論文の価値となり、将来教授選にでるときに評価される、そんな仕組みです。私は留学していたこともあり、何百という論文を書きましたが、研究職に見切りをつけて臨床医になる道を選びました。

    研究職から臨床の道へ方向転換したのは留学から帰ってきた2004年のことでした。40歳を前にしての方向転換でしたが、大学病院にもどって若い新卒の研修医の先生たちと一緒に必死になって勉強し、内科認定医、循環器専門医などをとりました。その後10数年たち、50歳を目前にクリニックを開業しました。やる気さえあれば年は関係ないと思います。

  • WEB講演会で勉強三昧の週末です

    熊本もコロナの警戒レベルが5になりあまり外出できない状況となりました。日曜日、すごくいい天気だったのですが、仕方ありません。ステイホームで床にワックスがけをしたり、洗濯をしたり、布団を干したりして過ごしました。ちょうどいいタイミングで、日曜朝からウェブ講演会がありました。1つは糖尿病のシンポジウムもう一つは腎性貧血のシンポジウム、さらにもう一つは漢方のシンポジウムと3つです。たまたま糖尿病と貧血のシンポジウムが同じ時間だったので最初はいつものようにiPadを2つ並べて同時に見始めました。しかし会が進むにつれどちらの講演会も非常に有意義で大切な内容を話していることに気が付きました。そこで見逃してはもったいないと思い、録画をしたかったのですがパソコンで録画をすることができず、仕方なくハンディカムを持ち出しiPadの前に三脚を立てて録画しました。結局ライブ(生)で1つの講演会を見て、その後もう一つのシンポジウムをハンディカムで見ました。さらに漢方の勉強会もあったので合わせて5時間ぶっ通し、勉強三昧の日曜日でした。

    ハンディカムを再生する時、ビデオカメラの小さい液晶画面ではスライドがよく見えないので大きい画面に映そうと思いました。テレビにつないでも良かったのですが、パソコンに映らないかと思ってあれこれやってみたところ、以前ズームの外付けカメラ用としてハンディーカムをパソコンに接続するために買ったビデオキャプチャーボード(HDMI出力をUSBに変換してくれる道具)を使うとハンディカムの再生をパソコンの画面で見られることがわかりました。これは結構快適で、やはり勉強会のスライドはテレビで見るよりパソコンの画面で見た方が身に付きます。これからも2つの講演会を両方見たい時はこの方法を取ろうかと思いました。

    結局ズームの会議の際は大事なのは自撮り映像ではなく、声の質だということがわかりビデオキャプチャーボードを使う事は全くなくなりました。そのかわり、音をよく拾ってくれる外付けのマイクで発信するようにしています。今回初めてビデオキャプチャーボードが役に立ちました。