むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 睡眠薬依存症

    睡眠薬は昔からありますが、どの薬も依存症になりやすく、しばらく飲んでいると薬なしに眠れなくなります。血圧やコレステロールの薬は飲み忘れても、睡眠薬は絶対に欠かせないと言う人は大勢います。そして、薬を飲んで一旦は寝ても途中で目が覚めてからが朝まで寝付かないので追加で飲む睡眠薬も欲しいとよく言われます。どの患者さんも睡眠に関しては他の何よりも切実に訴えます。どんな強い薬でもいいから寝れるようにしてください、という感じです。

    マイケルジャクソンが亡くなった時のことを覚えていますか。おかかえ主治医にしつこく不眠を訴え、最終的には強力な麻酔薬を静脈注射して寝せてもらっていた際に事故死してしまいました。切実に不眠を訴える患者とそれに素直に答える主治医との悲しい結末です。

    こういう不眠の患者さんをどうするかは大変な問題です。もちろん、強い睡眠薬を使えば眠れるのでしょうが、一旦依存を作ってしまえばこの先一生その薬が必要になります。若いうちはいいのですが、年取ってからも同じ睡眠薬を飲んでいると、夜トイレに起きた時にふらついて転んで骨折、寝たきりという最期になります。その責任は最初に強い睡眠薬を処方した主治医にあると思うと、安易には処方できないのです。

  • 物忘れの治療

    またまたテレビネタです。たけしの健康番組で認知症(物忘れ)を改善する方法を検証していました。とても簡単でした。タオルで手のひらを刺激する。それだけです。手の神経からものを触った刺激が頭に入り、脳の血流が増加するということで、数日続けるだけで物忘れが改善するということです。なんとも簡単すぎて拍子抜けしそうです。しかし、そんな簡単なことこそ本物のような気がします。

    結局、何か触れば刺激が脳に行くのですから、タオルでなくとも何でもいいと思います。好きなものを触って脳を刺激すればいいということ。家庭菜園で触るなら土や野菜でしょうし、ペットの犬や猫もいいでしょう。手で触って脳を刺激するということです。

    物忘れといえばアルツハイマーが有名ですが、その治療薬としてアリセプトをはじめとする薬剤が存在します。しかし残念がら、このての薬はあまりききません。効いたとしてもごく短期間です。手の刺激がいいのなら自分で手を動かしてもいいし、誰かにハンドマッサージをしてもらってもいいと思います。当院ではハンドマッサージ用にマグネシウムジェルやアロマオイルを使っています。むくみが取れるのといい香りに癒されます。

  • 高齢者の糖尿病

    先週末に東京で糖尿病の勉強会があり、参加してきました。超高齢者の糖尿病をいかに管理するかという話題でした。高齢化社会の中で高齢者が人口の大半を占めるようになると、准高齢者(65歳から74歳)、高齢者(75歳から89歳)などと年齢で分けたりしますが、それより高齢な年代を超高齢者(90歳以上)と言います。今や元気な90歳以上は珍しいことではありません。そういう超高齢者の糖尿病はどういう基準で治療するべきかということは、実際あまり論議されていません。基準を作るのが難しいと思うのです。とても元気な90歳代もいれば、寝たきりの人もいるからです。

    糖尿病の管理は通常ヘモグロビンA1cという検査データで判断します。通常7%以下を目指します。しかし、超高齢者の場合、8.5%以下というかなり穏やかな基準になっているようです。高血糖を管理するというより、治療で下げすぎる方が危険とされているのです。もし、糖尿病を治療中でA1cが6%を切ったような場合は下げすぎです。数字が良好と安心することなく内服薬の調整が必要です。低血糖は認知症のリスクにもなるし、場合によっては寿命に影響します。

    月曜は帯山地区の勉強会に参加しました。こちらは糖尿病患者さんは骨折が多いという話題でした。糖尿病患者さんの骨は糖化現象といって骨の構造タンパクであるコラーゲンが血糖(ブドウ糖)で糖化されて飴状に変化して、しなやかさが損なわれるのです。これはコラーゲンの異常なので、骨密度とは関係ない骨折を誘発します。いずれも、血糖をきちんとコントロールすることがいかに大切かということです。

    日の出前の皇居の桜田門前。東京といえば皇居ランです。私はいつも桜田門を起点に走ります。前半が登り、後半が下りの走りやすいコース(1周5キロ)となります。

  • 幕の内食べ

    テレビを見ていたら、ダイエット専門クリニックの先生が食習慣を変えるだけで痩せられるといっていました。

    幕の内食べ:食事は小皿で色々な料理をちょこちょこ食べる。ちょうど幕の内弁当のような感じ。おかずは5品以上。揚げ物なども食べていいが、少量にする。メニューはできるだけカロリーの低い和食中心にする

    とのことです。できそうでしょう。おかずを色々作るのが面倒と思うかもしれませんが、買ってきたお惣菜を組み合わせて5品以上だったら簡単ではないでしょうか。

  • 白衣とスクラブ

    最近の医療ドラマを見ると、大病院で働く若いドクターは赤や青のスクラブ(術衣のようなもの)を来ています。昔はスクラブは手術室専用で、外科の先生がたまに手術の時以外でもスクラブの上に白衣をはおって仕事をしていました。最近は内科医もスクラブを来ています。流行りです。アメリカでは、単色のスクラブもありますが、ミッキーや猫などの柄物がたくさんあり、学生やナースなどは家からそういったカラフルなスクラブを着て通勤していました。もちろん、仕事帰りもそのままの格好でスーパーで買い物という人がたくさんいました。きっとこの人たちは寝るときもこの格好ではないだろうかと思ったほどです。

    私の場合はというと、クリニックでは原則白衣、訪問診療ではスクラブにしています。漫才師に春日という人がいますが、いつもピンクのベストを着ていますね。あれと同じで、私は白衣を着て仕事をするといつもの院長という風に認識されます。春日がピンク以外のベストを着ないのと同じで私にとって白衣が仕事上のトレードマークのようなものですから、そうそう変えられません。

    一方、訪問時はそれぞれのお宅にお邪魔するのですが、急患ではなく定期的に(体調が良くても)訪問して体調を管理するのが仕事ですから、白衣で行くのはちょっと場違いな気がします。特に、個人のお宅に白衣で訪問すると、あそこのおばあちゃんは病気かしら、という風に近所の人から見られるのではないかと思います。実は、どうもなくても私たちは契約で様子を見にいっているだけなので、近所の人に病気かしらという目で見られるのはご本人にとっても心外だと思うのです。そういうわけで、私は毎日クリニック用の白衣と訪問用のスクラブを使い分けています。