むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ファイン

    当院から車で10分くらいのところにメディカルケアセンターファインという病院があります。三郎という住所ですが、帯山や尾ノ上からすぐです。今月からこの病院は桜十字グループになりました。私が開業する前にいた桜十字病院ですが、今回私のクリニックの近くに関連病院ができたことで、事務方が挨拶に来てくれました。今後、当院とも連携して東区の医療の充実に貢献できると思います。

    私たちのように無床のクリニックの場合、患者さんが重症化した際に入院先を探さないといけません。緊急性がある場合や高度医療を必要とする場合は日赤に頼んでいますが、そこまではないけど入院が必要という場合があります。高齢者の低栄養、褥瘡、肺炎などです。しかし、高齢化が進んでどこの施設も入院患者さんで溢れており、なかなか空きを探すのが困難な状況です。そういう状況でも、日頃から連携して顔の見える関係にある病院とは患者さんの入院依頼もスムーズにいきます。

    うちのクリニックの外来患者さんは比較的若く、現役世代が多いのですが、訪問診療や往診をしている高齢患者さんの場合、ちょっとしたことで入院が必要となります。今までは遠い桜十字病院に頼んでいましたが、これからは近くのファインに入院できれば、患者さんのご家族にもメリットです。何しろ、10分で行ける距離です。そして、近いので私も週末などちょっと顔を見に行けるだろうと思います。

    偶然ですが、昨日今日写真にアップしたハロウィンのジャコランタン(オレンジ色のかぼちゃおばけ)はメディカルケアセンター・ファインのロビーで撮った写真です。

  • 強迫性障害

    強迫性障害という病態があります。不合理とわかっていてもやめられない困った症状がある人のことを指します。例えば、手を洗っても洗っても洗い足りず、石鹸を一日で使い果たすくらい手を洗い続ける人。また、外出するときに鍵をかけたか、電気を消したが、ガスの元栓を止めたか、何度確認しても納得せずに確認行為を繰り返し続けた挙句遅刻してしまう。いろんなパタンがあります。

    先日当院に来た患者さんはちょっと変わっていました。台風の進路を確認せずには気がすまない、何度もなんども進路が変わっていないか、レーダーなどの情報を見続けるとのことでした。おりしも、九州に台風直撃かというニュースで最接近まであと二日という時点で来院されました。このタイミングで間に合うかな、と思いながら、強迫性障害に使う薬剤を急いできかせるために2剤併用しました。その結果、先週末の台風でも進路を確認しても焦ることなく冷静に対応できたとお喜びの声をいただきました。台風直撃のたった二日前に来院されたのによくきいたと思います。

    このように、過度の確認行為などで日常生活に支障をきたし、自分でもなぜそこまでと不合理性に気がついていてもやめられないという場合、薬で治ることもあります。今回の症例のように、うまくいけば無駄に神経をすり減らさず、快適な生活ができるようになります。

  • 勉強の秋

    秋は読書、勉強、運動、食欲、何をするにもいい季節ですね。今日は仕事が終わってすぐに勉強会に参加しました。糖尿病を専門としている医師の集まりです。持ち回りで自分の興味あるテーマについて講演します。前回の勉強会では私が当番で講演しました。今回は玉名で開業している東先生の講演でした。彼は膨大な外来患者数を抱えており、その中から薬の使用経験を細かく分析して発表されたのは、とても参考になりました。やはり薬の情報は製薬会社がいいデータを持ってくるより、開業仲間が自分の使った感想を包み隠さず話してくれるのが一番説得力あります。

    明日は熊本の産婦人科医の集まりで漢方を勉強している会があり、私が講演を頼まれています。私のクリニックでは、だいたい7割が女性なので、日頃の治療経験から「女性の心と体の悩みを漢方で治す」をテーマにお話しする予定です。

    私は、時間の取れる限りこういった講演会に参加するようにしています。1時間の講演を聞いて、これはすごいことを聞いた、得した、と思うことが1つでもあればラッキーです。その一つのヒントから、自分なりに新しい治療法を思いついたり、薬の使い方が上達したりします。文章にすればほんの1行に満たないちょっとしたノウハウがすごく重要なのですが、それを聞き逃さず自分のものにできるかどうかはこちらの学ぼうとする姿勢一つです。

  • ニコニコ堂

    ニコニコ堂を覚えている人は熊本でも結構古いですね。最近の人は知らないでしょう。今、このワープロで「ニコニコ堂」と入力すると、予測変換で「ニコニコ動画」が出てきます。そんな世の中です。話は私が小学校に入った頃にさかのぼります。まだ、肉は肉屋、魚は魚屋、野菜は八百屋へ買いに行っていました。それぞれの店で今日食べる分を買うのが主婦の日課だったと思います。そんな時代から、ある時突然文明が開花したようなショッキングなことがありました。近所にニコニコ堂がオープンしたのです。今でいえば、マックスバリューとか、ゆめマートのような店です。

    そうなると、肉も魚も野菜も一箇所で買い物できます。なんて便利なんでしょう。もう一つが「暮らしのセンター」という農協(JA)のスーパーです。どちらも、買い物についていくのが楽しみでした。今思い出してしみじみ感じるのが、「ニコニコ堂」って結構いいネーミングだな、ということです。できることならパクって「医療法人ニコニコ堂むらかみ内科クリニック」なんてつけてみたい気もします。

    今医療は専門化されて循環器内科、消化器内科、整形外科、皮膚科、眼科とお年寄りは病院巡りが日課となっています。私は可能な限りいろんな診療科に対応して、循環器も整形外科も、心療内科も私のクリニックに来れば大抵は間に合うというような「ニコニコ堂」をイメージしているのです。

  • 読書の秋

    連休三日目、いかがお過ごしですか?

    私は、昨日までの学会で東洋医学書専門の本屋が出店していたので、鍼治療関連の本を買いました。今日はせっかくの秋晴れでしたが、知り合いの先生に病院当直(日勤)を頼まれ、朝から夕方まで近所の病院の当直室に缶詰でした。幸い、入院患者さんの急変などもなく、一日本を読むことができました。夕方までに300ページ超の本を全部読み終えました。とりあえず読んだということで、頭に入ってしまったわけではありませんが、腰痛、寝違え、五十肩、などなど症状ごとに治療のポイントが書いてあるので、明日からの患者さんに早速応用して効果あるツボからの治療を実践したいと思います。きっと治療成績が上がることでしょう。

    私たち医師は学生の頃に国家試験のために膨大な量のテキストや参考書を勉強します。とにかく読みまくるので、本を読むスピードはかなり早くなります。速読のテクニックがあるわけではないのですが、とにかく必要に迫られてどんどん読みます。私が本を読む際の癖は、1冊の本をじっくり読まず、2−3冊を並行して読みます。1つを途中まで読み、飽きたら次の本を少し読む。それの繰り返しです。昔からそういう読み方をしていました。渡辺淳一、三島由紀夫、村上春樹などジャンルの違う本を同時に読んでいました。

    今、毎日の速読といえば、電子カルテです。次の患者さんを呼び、その人が診察室に入ってくるまでの10−20秒で過去カルテを遡って読み返し、問題点や課題をおさらいします。新患の場合、問診で聞いた情報がカルテに書いてあるので急いで読んで確認します。とにかく速読に迫れれる毎日です。