むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 「恐れがあります」とは

    また台風が日本に接近しています。前回と同じように四国から近畿方面へ向かっています。相当強力なようですから、十分に注意が必要です。天気予報を見ていていつも思うのが、台風の進路予想をみて左右どちらにそれたとしても確実に本州に上陸すると予報しているにもかかわらず、「上陸の恐れがあります」と表現します。「恐れがある」というのはどのくらいの可能性を言っているのかとてもわかりにくく、間接的な表現なので、避難を遅らせる原因になっていると思います。もっと正確に「明日夕刻には四国から近畿にかけて上陸すると予報しています」と言ってほしいものです。

    また、台風の強さを「強力」とか「非常に強力」「猛烈な」と表現します。これもわからないではないですが、アナログすぎて時代に即していません。アメリカではカテゴリー1から5までに分かれていました。カテゴリー3くらいまでなら避難しないかもしれませんが、カテゴリー4から5のハリケーンが自分の住むところを通る予報の場合、数日前から車で行けるところまで避難します。近くの公民館とか体育館へ避難じゃないですよ。何百キロも逃げます。アメリカではこんなのは当たり前です。学校や会社もそうすることを当然と思っています。

    一方、私が働いていたアメリカのテキサス大学病院では、ハリケーンが近くに上陸する予想の際、スタッフみんなが遠くへ避難してしまっては仕事が滞ってしまいます。そこで、上陸当日の勤務者、翌日の勤務予定者などは早めに出勤することを求めてきました。十分な食料も水も備蓄してあります。あなたの献身的な活躍が患者さんのためには必要です。と職員に最大限の協力を求めていました。日本の台風も最近はハリケーン並みに強くなっています。住民の対応もアメリカを見習うべきだと思います。

    今日の夕暮れ@クリニックの駐車場にて。金星(上の写真に写っています)、その左に木星、火星と綺麗に見えました。

  • ホエイプロテインの勧め

    私が日頃実践している理論の一つに、藤川理論があります。糖質制限+メガビタミン+タンパク(プロテイン)+鉄をうまく組み合わせながら患者さんごとに食事指導をする理論です。Facebook にも藤川理論のグループがあります。アマゾンで検索すると藤川先生の著書がいくつも買えます。

    藤川理論の最初は、鬱・パニックは鉄分不足というところから始まっています。藤川先生の言われる通り、鬱やパニックの人の採血をすると鉄(フェリチン)が低い人が相当います。これらのひとに、鉄を補うことで抗うつ剤や安定剤を次第に使わなくてよくなるのです。しかも、鉄だけでなくビタミンとタンパク摂取を増やすことで改善スピードをあげます。これは、きちんと実践してくれさえすれば、効果は良いようです。だいたい鬱やパニックの患者さんは食事を簡単に済ます人が多いようです。仕事や家事が忙しく、軽くパンだけで済ますとか、朝昼食べないとか、そういうケースです。

    そこで、タンパクを取りましょうと勧めるのですが、なかなか日本人の食生活でタンパクを増やすのは容易ではありません。卵やチーズを多用すれば良いのですが、なかなか続けられません。そこで簡単なのが、プロテイン飲料です。プロテインだと、肉を食べ過ぎてコレステロールが上がったりという心配がありません。食事で十分タンパク質が取れなかったらプロテインを一杯飲んでおく、というのは心と体の健康維持に有効だと思います。

    クリニック近く(山ノ内)。稲穂がだんだん出てきました。

  • 経営理念の説明

    せっかくの開設記念日ですから、気を引き締めて、もうすこし経営理念について書きたいと思います。

    第一に「患者さんとその家族の健康と幸せのために」と書いていますが、ポイントは2つあります。まず、患者さんだけでなく、そのご家族にもという点。そして、もちろん健康が第一ですが、それだけでなく幸せな暮らしをしてほしいという点です。わかりやすくいえば、健康を追求するあまり家族が犠牲になったり本人も苦痛を伴うような治療はできるだけ避けたいということです。たとえきちんと薬を飲んでくれない患者さんがいても怒ったり脅したりはせず、ちゃんと治療しようという気持ちになるよう工夫します、ということです。

    理念その2は東洋医学、西洋医学など幅広く実践し最も患者さんに適した治療法を考えるということ。私は漢方大好きなので、風邪から癌まで漢方を処方します。しかし、漢方が苦手な患者さんもいます。漢方でも西洋薬でも治せる場合、患者さんの希望を優先します。ただ、漢方でないと治療が難しい症例もあります。そういう場合、頑張って飲んでくださいと言います。逆に、漢方希望で来られても西洋薬で治した方が間違いないと判断した場合、西洋薬をしばらく飲んでほしいと説明します。患者さんの希望よりも、プロの目から見てのベストを提案するのが理念です。

    理念その3は接遇です。患者さんを自分の家族と思って応対するということです。これは、マニュアルで縛られたご丁寧な対応ではなく、親しみを込めて接するということです。私は診察時に声のトーンを落とし目にしています。家族に対してであれば、作ったような高いテンションで話すのはおかしいでしょう。

    理念というのは道しるべです。道が2つに分かれていてどちらに進もうかと思った時には、この経営理念に立ち戻って考えれば、自ずとどちらかの道が選ばれます。職員全員にもこのことを理解してもらいたくて、あえて書かせていただきました。

    上江津湖

  • おかげさまで開院2周年!

    9月1日は開院記念日です。本日で2周年になりました。皆様に可愛がられて順調に参りました。患者さんにお配りしている診察券の番号も6000番を超えました。コンスタントに毎日10名以上の新患が来られた計算になります。せっかくの記念日ですから、内外の皆さんにもう一度当院の理念について書かせていただきたいと思います。

    1 患者さんとその家族の健康と幸せのためにベストを尽くします

    2 そのためには、西洋医学、東洋医学などあらゆる手段を検討します

    3 患者さんは自分の家族と思い、心の通った接遇を心がけます

    私は、犬の散歩をしながら毎日この理念を口ずさみます。決して初心を忘れないように、そして経営がブレないようにするためです。この3つは理念であり、職員全員に心を一つにして協力してほしいことです。また、ホームページなどに書いたりはしていませんが、朝礼などで職員に示した経営方針があります。「心と体のトータルケア」です。身体科(内科や外科)のドクターは心の問題は苦手です。一方、精神科のドクターは身体の問題が苦手です。当院ではこの両者を分け隔てなく一括して治療することを目標にしています。

    当院、3年目はさらに進化を遂げます。職員全員で一丸となって患者さんの心と体の悩みにお応えできるよう努力していきます。

  • 新陳代謝にはビタミンとタンパク質

    先日、熊延鉄道は南熊本駅から延岡まで走っていたと書きましたが、まちがいでした。今日来られた患者さんに教えて頂きました。延岡まで線路を作る予定だったらしいのですが、実際は砥用までしか出来なかったらしいです。それでも、山みちけわしいところをよく作ったものです。また、当時は辛島町から南熊本駅まで市電が走っていました。今は市電が撤去され、だだっ広い道になっています。また、尾ノ上の比企病院前の五差路のうち一本は健軍自衛隊(昔の三菱の飛行機工場)にむけて引き込み線が走っていたそうです。今は埋めて道路になっているので、複雑な道路になってしまっています。こう考えると、自動車世界の現在より昔のほうが電車や市電が整備されていたんだと驚かされます。

    ヨーロッパはむかしの建物がたくさん残っています。石でできた建造物が多いのと、地震が少ないためだと思われます。一方、日本の建物は木と紙でできているため、古民家でもせいぜい100年です。最近は建材もベニアを多用するため30−40年がせいぜいでしょう。コンクリートは頑丈ですが、やはり40年程度しか持ちません。戦後建てられたコンクリートの建物は軒並み建て替え時期を迎えています。

    一方、人の体は病気をしなければ120年程度はもつようです。寿命のマックスがそのくらいだと言われています。しかし、体はいったん作られた臓器が何十年もそのままというわけではありません。常に新陳代謝して新しい材料に置き換わっています。材料はもっぱらタンパク質とミネラル(カルシウム、リンなど)です。また、新陳代謝に必要な酵素をきちんと働かせる補酵素としてビタミンが必要です。したがって、体を健康に保つには、タンパク質、ビタミン、ミネラルを不足なく取ることです。炭水化物は構成成分ではありませんから嗜好として食べる程度でいいと思われます。また、体の構成成分をさびさせるのは、タバコ、ストレスのような活性酸素と過剰な糖質です。それを避けることが重要となります。