むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 土木治水は国家の優先事業

    近畿地方は台風の被害がでて大変です。このところあちこちで水害の報道があるため、またか、と思うかもしれません。しかし、日本中どこに住んでいてもこう言う被害が起こり得ます。たまたま台風の進路が向いたところに被害が出るだけの話です。

    そもそも土木・治水というのは国家の最も大切な事業でした。熊本でも、治水の神様といわれた加藤清正が残してくれた治水工事の結果、水害も最小限で済んでいます。しかし、それからすでに400年経っています。現在の私たちの状況はどうかと言えば、財政難でどこも工事が遅々として進んでいません。バブル以前は土木などの公共事業は税金をどんどん使って行なっていました。しかし、赤字国債が増えてしまいました。民主党政権時代に「コンクリートから人へ」と言うスローガンのもと公共事業がものすごく削減されました。

    その後政権は自民党に戻りましたが、削減された公共事業は削減されたままとなっています。治水こそが国家太平の最も大切なところだと言うことが理解されていないように思います。洪水は、私たち市民の力ではどうすることもできません。しかも、大切な財産や生命をいとも簡単に奪ってしまうのです。土木事業が昔のように花形となり、予算が使われることが将来に渡る私たちの生活の幸せに繋がると思います。

    江津湖の堤防も加藤清正の治水事業の業績です。

    http://www.ezuko-park.com/blog/11268

  • なんともあらしません

    京都の人に、台風の被害などをたずねると、たいてい「なんともあらしません」と涼やかにこたえられるそうです。しかし、実際には嵐山など大変な被害に見舞われたことは何度もあります。今日も台風が四国から近畿へ向かっています。被害が出ないことを祈るばかりです。

    京都の人は思っていることをストレートには表現しないそうで、よそ者には分かりづらくて厳しいところです。建前のいい顔をするのが身についているのでしょうが、言った言葉の通りでないと思わないといけません。京都の人がこのように素直な感情表現をしないのは自分の身を守るためだと考えられます。京都は日本の都だった歴史から、殿様や天皇などトップがコロコロと変わります。その度に政治の影響をもろに受けていたと思われます。そういう時に、昔の殿様の方がよかったなど、思っても口に出してはいけない歴史があったと思われます。そういう時感想を聞かれたら、「なんともあらしません」と言っておくのが得策です。

    人の心は不思議なもので、言葉に出すと、その通りになります。なんともあらしません、といえば、たまっていたストレスもなんともなかったかのように流れていきます。愚痴を言えば言うだけ不満が募っていきます。同僚や上司に対して不満があるときは、愚痴をいわず、なんともあらしません、と言って見るのもいいかもしれません。言っているうちに現実がなんともない状況に感じてくるかもしれないからです。

  • 八月病?

    5月は五月病と言って4月に新しい職場や部署に移ってなんとか頑張ったけどもう無理、という患者さんたちがゴールデンウィーク明けごろから大勢来院されます。そういう傾向は6月も続きましたが、夏に入り少し落ち着いていました。そして今、ちょうどお盆休み明けで状況は5月の連休明けと同じです。5ー6月ごろはなんとか乗り切ったけど、いよいよ限界という患者さんたちが、今になって大勢来院されています。いわば8月病です。

    来られる患者さんの職業やストレスの原因はそれぞれ違いますが、皆さんに似た傾向があります。それは、ストレスを溜め込んでしまう性格です。苦手な上司や同僚とうまくいかず、パワハラに近い状況でもひたすら耐えてしまいます。文句や愚痴を言ったり、上司の指示を適当に聞き流すことなく真剣にとらえてしまいます。真面目な性格です。

    このように真面目で反論せずストレスを溜め込んでしまう性格の人には適した漢方があります。抑肝散加陳皮半夏です。今月は相当数処方しています。こういう漢方を飲むことでため込んでいたストレスが軽くなったり、ストレスにより引き起こされた頭痛や吐き気なども軽くなることが期待されます。このように、当院では漢方を併用することで安定剤や抗うつ薬を最小限にする治療法を模索しています。

  • 砂糖中毒

    台風が接近しています。今回は直撃は逃れていますが、九州の西へ進むルートのため、熊本は台風の東側に入る時間帯があります。被害には十分注意が必要です。携帯の充電、予備バッテリーの充電、パンなどの食料、飲料水、乾電池、懐中電灯など準備はいいですか?連続2つの台風が来ますから、今週はしっかり備えましょう。

    夜に世界仰天ニュースという番組を見ていたら、砂糖中毒の話題でした。甘いものはコカインにも勝る依存症になるということでした。甘いもの中毒になってしまうとなかなか抜け出せません。実際は甘いものだけでなくパンや麺など炭水化物全体が問題で、特に小麦製品に注意が必要だと言っていました。東京の溝口先生の出演でした。私が日頃患者さんに説明している炭水化物ダイエットの第一人者です。

    甘いものを食べ続けてしまうのは砂糖の中毒性も問題ですが、栄養の偏りも問題です。鉄欠乏の人が砂を食べたり金属をなめたり氷を食べ続けるという話をよく聞きますが、鉄をきちんと補うとこういう変な行動が止まります。砂糖中毒の場合、ビタミンB1が消費されて脚気のようになります。まずはビタミンB1をきちんと補充し、タンパク質(肉や卵)をしっかりに取ることで砂糖や炭水化物に対する異常な執着が薄れて来ます。

  • 台風敏感体質の頭痛

    今年は次から次へと台風が発生しては日本へ接近します。毎週のように来るので目が離せません。今日もだんだん風が強くなってきました。頭痛持ちの患者さんの中にはこのような台風を敏感に感じ取って頭痛がすると訴える方がいます。そのような体質の場合、今年はこたえるのではないかと思います。このような場合、イブとかロキソニンを使いすぎると体に悪いのはご承知の通りです。何か頭痛予防を考えないといけません。

    私がこんな患者さんによく処方するのは漢方です。漢方は体質に応じて使い分けますが、台風の際に頭痛がする人は当帰芍薬散、五苓散、苓桂朮甘湯などを使います。生理前に頭痛がするという人も同じ体質です。こういう漢方をあらかじめ飲んでおくと頭痛を予防できるか軽くて済みます。それでも頭痛がするときはデパケンやプロプラノロールを使います。片頭痛予防には非常に効果的です。

    喘息体質の人は台風接近で喘息を起こします。その際は、麻杏甘石湯や五虎湯が効果的です。不思議なのは、こういう台風敏感体質の方は台風がフィリピンより南にあっても反応するところです。かなり微妙な気圧の変化を敏感に察知するのですね。