むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 便秘を気にしない瞑想が便秘治療になるらしい

    最近は便秘薬の新薬(値段も高い)がいくつかあり、製薬メーカーのプロモーション(売り込み)も結構ありましたが、当院に宣伝に来る人はいなくなりました。こういう製薬メーカーの人達が最初に口にするのが「従来の便秘治療薬で効果不十分で困ったようなご経験はありませんか?」ということです。私の答えはいつもひとつ「全く困ったことはありません。たいていの便秘は漢方でなんとかなります」ということです。それを聞いた製薬メーカーの人はがっかりして帰っていきます。新薬を売り込むチャンスがないからです。実際、漢方薬にはピンからキリまでいろんな強さの便秘薬があります。患者さんごとに最も適した処方を選ぶのは漢方専門医としての知識と経験が必要ですが、便秘が治らず困ったということはほとんどありません。

    今日、たけしの健康番組を見ていたら、ストレスから来る便秘についての話題でした。便秘だ、便が出ない、お腹が張る、というストレスが、大腸を痙攣させるためますます便秘になるとのこと。番組に出てきた名医が「心配しないでいいですよ。あなたの腸は出ない体質ですから、気にする必要はありません」とカウンセリングしただけで便秘が解消したという話。嘘みたいですけど、こんなこともあるのでしょう。

    番組最後に名医のカウンセリングを受けなくても自分でできる(セルフトリートメント)方法について解説していました。便秘のことや、お腹が張るなーと頭に浮かんだら目をしっかり閉じて便秘のことは心配ないと念じる。息を2秒吸って5秒で吐く。これだけ。あたまに便秘のことが浮かんだらこの瞑想をする。簡単なことです。便が兎の糞みたいにコロコロと固く、環境の変化(旅行など)で便秘になりやすい体質の人はこの方法が有効だそうです。薬がいらないなんてすごい方法です!ぜひ試してみてください。

    麦秋の山ノ内(クリニックからすぐ近く)

  • 最先端の音楽療法

    統合医療の勉強をしていると、保険で認められている範囲を超えて、治せる可能性のある様々な治療法が出てきます。漢方、針、などの東洋医学はもちろん、ヨガや気功、クレイ(泥パック)、音楽療法など様々です。なかでも、音楽療法は聞いたことはあるものの一体どういうものかは知りませんでした。先日、NHKのサイエンスZEROという番組を見たら、音楽療法の最先端について解説していました。私には驚きの新事実でした。

    脳損傷で失語症になった人に話しかけるとき、メロディーに乗せて(根気強く)話しかけると脳機能が回復して話せるようになったという話。通常脳の言語中枢は左脳にあり、音楽を聞くのは右脳にあるので、メロディに載せて話しかけると、その刺激は一旦右脳に入り、ダメージを受けた左脳を代償する部分が発達するそうです。考えてみれば、幼稚園では朝の挨拶や、いただきますのあいさつなどどれもオルガンのメロディーに載せて挨拶します。こういうとりくみが右脳を通して左脳を刺激する最先端の治療になるようです。

    体操するときも、メロディーに合わせて運動したら、同じ体操を静かなところでするより効果的だそうです。数カ月後に脳の大きさをMRIで計測したら、メロディーに合わせて運動したほうが有意に脳が発達したそうです。高齢者でも脳が発達して大きくなるとは驚きです。ただ、考えないでもできるほど無意識の動きでは脳は刺激されないということです。番組がNHKだったので言いませんでしたが、たぶんラジオ体操ではいけないんだと思います。何十年も同じ音楽ですから、体は無意識に動いてしまいます。やはり、ジムに行って軽快な音楽に合わせてエアロビなどで体をうごかすのが脳の健康には最適ではないでしょうか?

    江津湖

  • 熱中症に注意しましょう

    連休明けて最初の週末でしたが、いかがお過ごしですか?天気は良くて30度を越しました。私は、連休中しそこなった領収書の整理など経理の仕事や冬物の洗濯(衣替え)の一日でした。クリニックの草取りもしようと思ったのですが、あまりの炎天下で外に出られませんでした。クリニック向かいの東稜高校では体育祭があっていたようでした。多くの小中学校もこれから梅雨入りするまでに運動会を終わらせるところが多いと思います。暑いですから、体調管理には注意が必要です。

    熱中症にはいくつかの漢方が有用です。水分を取りすぎてお腹がチャプチャプなのに喉が渇くという場合、五苓散や胃苓湯がよく効きます。暑さにあたってのぼせた感じで眠れないとか、日焼けがヒリヒリする場合は黄連解毒湯が有効です。陽に負けてぐったりして食欲もなくだるさが続くときは清暑益気湯が有効です。このように病態に応じて漢方を使い分けると、暑さによる体調不良も結構コントロールできます。ただ、予防第一です。水分補給、塩分の補給、炎天下を避けて日陰で休憩することなどが大切です。

    熱中症に限りませんが、汗をかきすぎて足がつることがあります。漢方では足がつるときに芍薬甘草湯を使いますが、発汗後の足のつりは脱水と塩分不足が原因ですから、単に漢方に頼らず、きちんと水分と塩分の補給が必要です。塩分も、塩(ナトリウム)だけでなく、カリウム、マグネシウムなども必要です。ポカリやOS-1などの脱水補正用の飲料水はそういったミネラルを補給できますから足のつりにも有効です。

     

    江津湖

  • 心の問題と体の症状

    土曜日は午後から統合医療学会でした。私は県外の学会はほとんど参加できませんので県内で定期的に開催されるのは助かります。免疫療法のテーマでしたが、大変勉強になりました。最近はガンの免疫療法といえばオプジーボという免疫チェックポイント阻害剤が話題です。免疫の分野は日進月歩ですので、どんどん新しい知見があります。今後も期待大です。

    ところで、土曜日は平日に来院できない患者さんが大勢来られるので相当混雑します。そういう中、心療内科の新患で予約なしに来院されても残念ながら対応できない場合があります。皆さん困っているでしょうから一刻も早く観て差し上げたいのですが、土曜日は診療時間を来院患者さんの数で割ると一人あたりの診察時間は2−3分になります。そんな中で心療内科の新患ですと、急いでも15分か20分程かかります。血圧の患者さんにしたら10人分の時間がかかります。そう考えると、新患を受けられない場合があるのは、ご容赦いただきたいと思います。

    ただ、心療内科の中でも、気分が落ちて会社に行けないというようなうつ症状で来られる場合と、頭痛や動悸がきついという身体症状で来られる場合とあります。身体症状の方は、あまり心療内科的なアプローチをしなくても短時間の診療で治療可能ですので、内科として受け付けることもできます。どうしても心の問題が大きい場合は予め心療内科の予約をお願いします。

  • 次の地震に備えよう

    朝から日向灘沖で大きな地震がありましたね。熊本の南区で震度4、当院のある東区で震度3でした。南海トラフの予想震源地近くでの地震だったため、今後連鎖的に起こってくる地震に要注意です。気象庁はその心配はないと言っていますが、地震予測はうまく行った試しがありませんので、警戒するに越したことはありません。とりあえず今後しばらくは予備の食料の確保と、倒れやすい家具の固定など気をつけたいと思います。クリニックの場合、停電した際の電子カルテの問題や、医療機器の問題、避難所の住民の皆さんに対する医療提供体制などいろんな備えが必要となります。

    災害の際に役に立つのは鍼灸です。ハリは材料がいりますが、検査機器も電気も何もいりません。患者さんの多彩な訴えに答えることができます。4000年の歴史がありますから、効果に関しても間違いありません。国際的にも災害救助の際に国境なき医療団のようなチームに鍼灸部隊が協力しているそうです。残念ながら日本からは西洋医学のドクターしか参加していませんが、韓国などは国の組織として鍼灸師を海外の被災地に派遣しています。

    当院では、常に数千本のハリを準備しています。もちろん患者さんに毎日たくさん使うわけですが、必要以上に多めに備蓄しているのは、災害時の備えでもあります。ハリは、避難所生活での腰痛や肩こりに効くのはもちろんのこと、気が滅入るとか不眠、耳鳴り、めまい、風邪症状などあらゆる症状に使える手段なのです。