むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 熱中症に注意しましょう

    連休明けて最初の週末でしたが、いかがお過ごしですか?天気は良くて30度を越しました。私は、連休中しそこなった領収書の整理など経理の仕事や冬物の洗濯(衣替え)の一日でした。クリニックの草取りもしようと思ったのですが、あまりの炎天下で外に出られませんでした。クリニック向かいの東稜高校では体育祭があっていたようでした。多くの小中学校もこれから梅雨入りするまでに運動会を終わらせるところが多いと思います。暑いですから、体調管理には注意が必要です。

    熱中症にはいくつかの漢方が有用です。水分を取りすぎてお腹がチャプチャプなのに喉が渇くという場合、五苓散や胃苓湯がよく効きます。暑さにあたってのぼせた感じで眠れないとか、日焼けがヒリヒリする場合は黄連解毒湯が有効です。陽に負けてぐったりして食欲もなくだるさが続くときは清暑益気湯が有効です。このように病態に応じて漢方を使い分けると、暑さによる体調不良も結構コントロールできます。ただ、予防第一です。水分補給、塩分の補給、炎天下を避けて日陰で休憩することなどが大切です。

    熱中症に限りませんが、汗をかきすぎて足がつることがあります。漢方では足がつるときに芍薬甘草湯を使いますが、発汗後の足のつりは脱水と塩分不足が原因ですから、単に漢方に頼らず、きちんと水分と塩分の補給が必要です。塩分も、塩(ナトリウム)だけでなく、カリウム、マグネシウムなども必要です。ポカリやOS-1などの脱水補正用の飲料水はそういったミネラルを補給できますから足のつりにも有効です。

     

    江津湖

  • 心の問題と体の症状

    土曜日は午後から統合医療学会でした。私は県外の学会はほとんど参加できませんので県内で定期的に開催されるのは助かります。免疫療法のテーマでしたが、大変勉強になりました。最近はガンの免疫療法といえばオプジーボという免疫チェックポイント阻害剤が話題です。免疫の分野は日進月歩ですので、どんどん新しい知見があります。今後も期待大です。

    ところで、土曜日は平日に来院できない患者さんが大勢来られるので相当混雑します。そういう中、心療内科の新患で予約なしに来院されても残念ながら対応できない場合があります。皆さん困っているでしょうから一刻も早く観て差し上げたいのですが、土曜日は診療時間を来院患者さんの数で割ると一人あたりの診察時間は2−3分になります。そんな中で心療内科の新患ですと、急いでも15分か20分程かかります。血圧の患者さんにしたら10人分の時間がかかります。そう考えると、新患を受けられない場合があるのは、ご容赦いただきたいと思います。

    ただ、心療内科の中でも、気分が落ちて会社に行けないというようなうつ症状で来られる場合と、頭痛や動悸がきついという身体症状で来られる場合とあります。身体症状の方は、あまり心療内科的なアプローチをしなくても短時間の診療で治療可能ですので、内科として受け付けることもできます。どうしても心の問題が大きい場合は予め心療内科の予約をお願いします。

  • 次の地震に備えよう

    朝から日向灘沖で大きな地震がありましたね。熊本の南区で震度4、当院のある東区で震度3でした。南海トラフの予想震源地近くでの地震だったため、今後連鎖的に起こってくる地震に要注意です。気象庁はその心配はないと言っていますが、地震予測はうまく行った試しがありませんので、警戒するに越したことはありません。とりあえず今後しばらくは予備の食料の確保と、倒れやすい家具の固定など気をつけたいと思います。クリニックの場合、停電した際の電子カルテの問題や、医療機器の問題、避難所の住民の皆さんに対する医療提供体制などいろんな備えが必要となります。

    災害の際に役に立つのは鍼灸です。ハリは材料がいりますが、検査機器も電気も何もいりません。患者さんの多彩な訴えに答えることができます。4000年の歴史がありますから、効果に関しても間違いありません。国際的にも災害救助の際に国境なき医療団のようなチームに鍼灸部隊が協力しているそうです。残念ながら日本からは西洋医学のドクターしか参加していませんが、韓国などは国の組織として鍼灸師を海外の被災地に派遣しています。

    当院では、常に数千本のハリを準備しています。もちろん患者さんに毎日たくさん使うわけですが、必要以上に多めに備蓄しているのは、災害時の備えでもあります。ハリは、避難所生活での腰痛や肩こりに効くのはもちろんのこと、気が滅入るとか不眠、耳鳴り、めまい、風邪症状などあらゆる症状に使える手段なのです。

  • 漢方サークルの新歓コンパ

    連休明けで忙しいのは忙しいのですが、予想したほどの忙しさではありません。おそらく、多くの患者さんが連休明けの今週を避けて来週受診されるのではないかと思います。今週中に受診したほうがこまずに済むかもしれません。本日当院に来た製薬メーカーさんによると、他のクリニックも同じ状況のようだと言われていました。

    木曜夜は熊本大学の漢方サークルの新歓コンパでした。私が作ったサークルなので、顔を出しましたが、今年の新入生は18名だそうです。世の中、漢方ブームですね。入学生の約2割が漢方サークルに入るなんて、すごい時代になりました。この中から数名がコアとなる人材に育ってくれると思います。頼もしいです。学生サークルでは漢方理論などを基礎から勉強します。私などは今となっては理論を飛び越えてた経験に基づく処方をします。学生の興味ある基礎理論とはあくまで考える基本ではあるのですが、実践は教科書通りにはいきません。柔軟で応用的な思考が必要となります。

    多くの施設では基本に忠実な処方をされます。当院にたどり着く患者さんは、そのような基本通りの処方はとっくに試していて、治らなかったというツワモノ揃いです。そこで、私なりに基礎理論に薬理的思考を追加したり、多くの経験から編み出された処方を使うことになります。その結果、他の病院でいろいろ漢方を貰ったけど治らなかったという患者さんが私の処方で速やかに改善すると、嬉しいことこの上ないです。毎日本当に難しい患者さんが集まってきますが、これぞ天職と思って頭を捻りながら処方を考えています。

  • 個人主義のすすめ

    滋賀県で痛ましい自動車事故がありました。交差点で右折しようとしていた車に接触した車が歩道で信号待ちをしていた園児の集団に突っ込んで園児二人が死亡したというニュースです。被害者がかわいそうでなりませんが、加害者もお気の毒です。過失で大勢を傷害してしまったのは、悔やんでも悔やみきれないと思います。

    このように、子供の集団に車が突っ込む事故が絶えません。加害者の過失に問題があるのはもちろんですが、集団行動することが事故を起こしやすくしている可能性もあります。一つは、群れていることで、身動きが取りづらいということです。自分ひとりなら車が飛び込んできたときとっさに逃げられますが、集団だと動ける範囲がかなり限られます。自分の周囲50センチも動けるでしょうか?これでは車は避けられません。次に、注意が散漫になることです。友達との話に夢中になって周りが見えなくなります。集団でいると自分が強くなった気がして行動が大胆になってしまう場合もあります。みんなで行動すると足の遅い子もいますから、遅れを取らないように焦ってついていくこともあるでしょう。必死についていこうとすると、周りの交通状況より遅れないことや先生に怒られないことを優先して行動するでしょうから、事故を誘発します。

    このようなことは、年をとっても同じです。団体で旅行するときなどは注意が必要です。注意力が散漫になりますからスリに遭ったり転んだりします。それでなくても、気が利かない添乗員にイライラしたり、疲れているのについていかないといけない状況などいろいろあるでしょう。こういうことを避けるには、小さい頃から個人主義を徹底して、集団行動をしないことだと思います。自分の行動は自分で決めて、ダラダラと人につるまないことです。