むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 自律神経失調症

    汗が出るとかドキドキするとか、カーと暑くなるとか、こういう症状は自律神経の不調です。更年期という場合もありますが、男性でもこのような症状で悩むことがあります。それを男性更年期という便利な呼び方もありますが、その疾患概念ははっきりしません。もちろん男性ホルモンや女性ホルモンの測定をすることでホルモンの低下があれば更年期ということになるかもしれません。

    仕事が忙しくて夜遅くまで残業したり夕食を夜遅く食べたり十分な睡眠時間が確保されないような毎日を過ごしている人はたくさんいます。個人差がありますが、そういう生活に若さと気力で乗り切れる場合と、ついに体調に変調をきたす場合があります。汗が止まらないとか動悸がするという場合、検査してもなかなか異常が見つかりません。自律神経は検査が難しいのです。

    しかも治療方法があまりありません。漢方でなんとかなる場合もありますが、結構難渋します。安定剤や抗うつ剤でもうまく治療できません。結局、残業を減らしてきちんと食事をしたり睡眠を取る時間をとりましょう。大切なのは昼はきちんと起きて活動し、夜はしっかり寝ることです。ヨガや呼吸法でも自律神経の調整ができるようなので、薬に頼らない治療法の方が早道かもしれません。

  • コウノメソッド

    認知症の治療を劇的に進化させた河野(こうの)先生が熊本に講演に来られました。以前から著書を読んで勉強し、できる範囲で実践してきたのですが、じかにお会いして講演を聴けたのはラッキーでした。私にとっては芸能人に合うより価値あることです。なんと、主催者から声がかり講演会の後の食事会にも参加できました。河野先生はこのように臨床の中からキラリと光る新しい治療法を確立されただけあり、じかにお話してみると、哲学的な面と鋭い勘の持ち主なんだなということが感じられました。

    優れた臨床家というのはマニュアル通りには治療しません。昔からさじ加減と言いますが、薬の量を決めるとき規定通りでなく患者さんごとに必要量をうまく加減することのできる人が一流です。例えば認知症の薬は投与規定を読むと、低用量から徐々に増量して最終的には最大量まで使うように書いてあります。これは製薬メーカーの思うツボです。大学病院などで教育を受けた先生はそのマニュアル通り治療すると思います。

    一方コウノメソッドでは非常に低用量を使います。たくさん使ったら副作用が増えるのです。また、認知症の薬は飲めば認知症が治ると思うかもしれませんが、そんな簡単なことではありません。今日の講演でもコメ、パン、麺などの炭水化物は食べないように、ココナッツオイルを毎日取るようにということでした。認知症にも炭水化物制限が重要なのです。

  • 肉の脂身は健康に良い!

    金曜日は金スマで「医者が教える食事術」第3弾が放送されました。この本は当院のロビーにも置いていますが、好評です。時々患者さんから一晩借りて行っていいですか、と言われるくらいです。ベストセラーですから、どこにでも売ってあります。とても勉強になるし、今までの常識が覆されますから、ご一読ください。

    今日のテレビで言っていたことを思い出しながら書くと、「マヨネーズは太らない」「バターは食べたほうがいい」「緑茶は血糖を下げる」「太るのは炭水化物であり、脂肪は関係ない。むしろ肉の脂身は食べたほうがいい」「納豆に卵を入れるときは全卵でなく黄身だけを混ぜること」「適量のお酒は長寿につながる」などでした。なかには本当かな?と思うこともあると思いますが、その理由は本に書いてありますから疑問に思ったら読んでみてください。

    特にこれまでの常識が覆されたと思うのは、植物性油でなく動物性油のほうが健康にいいということ。バターやラード、肉の脂身は健康にいいのです。逆に、サラダ油、大豆油、コーン油、なたね油(キャノラー油)などは要注意です。できるだけ避けるべきです。この植物性油安全説は歴史的に米国のとある報告書ででっちあげられたことがわかっていますが、その後ずっと根拠もなく信じられてきたのです。

  • 風邪を引かないからだとリンパ球の関係

    ためしてガッテンネタです。風邪をひく人、ひかない人がいます。その差はリンパ球にあるとのことです。リンパ球は免疫を司る細胞なので当然なのですが、番組を見て色々な知見を得ました。

    リンパ球は日頃リンパ節にいます。リンパ節とは、風邪を引いたり怪我をしたときに腫れる豆粒大の組織です。ここで、敵の情報を学んで賢くなり、その後血液中に流れていって全身をパトロールします。もちろん数多くリンパ球が全身を回った方が風邪にも強い体になります。番組で面白かったのは、そのリンパ節には交感神経がはりめぐらされており、交感神経緊張状態ではリンパ節の出口が閉まって中にいるリンパ球は血液中に放出されないそうです。逆に、リラックスしている状態ではリンパ節の出口が開いてリンパ球が全身をめぐるのです。したがって、常に緊張状態でリラックスできないと、血液中に出てくるリンパ球の数が減って風邪を引きやすくなるのです。

    リンパ球はがん細胞にも威力を発揮するため、おそらくこの理屈はガンの発症にも関係します。ストレスの多い人ほどがんになりやすいということです。ガッテンでは、リラックスする方法に関する実験もしていました。非常に効果的なのは、①昼寝、十分な睡眠、②ウォーキング③瞑想だそうです。あとは音楽を聴く、足湯などが続きます。心がけ次第で簡単にできることばかりですね。

    下江津湖のススキ

  • 音の話

    プリウスや日産リーフなどが背後から近づいてくるとすぐわかります。静かですが、ものすごく高周波数のノイズが聞こえます。人間の耳が聞こえる音は2万ヘルツが限界ですから、あのノイズは1万8千Hzくらいではないかと思います。頭の芯までキーンと聞こえてきます。キャンプグッズ用品で蚊を近寄せない蚊よけも同じくらいの高い音を出します。クラウンハイブリッドやレクサスはさほどこの音が強くないので、何か仕掛けがあるのだと思います。みなさん聞こえますか?私はこの高音が苦手なので、タクシーも出来るだけノーマルエンジン車を選んで乗ります。(調べたらインバーターのノイズみたいです;https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1166312591

    昨日の夜に犬の散歩をしていて、びっくりしたことがあります。健軍の自衛隊近くを歩いていたら、路面電車の走る音が聞こえます。電車通りまでは遙か1キロくらい離れています。空耳かと思いましたが、その後何台も電車が通るたびにガタンゴトンと聞こえます。そういえば昔田迎に住んでいた時、南熊本あたりを走る豊肥線の機関車の音が聞こえていました。2キロは離れています。

    このような、実際の音が聞こえるのはいいのですが、耳鳴りは困ったものです。耳鳴りで来院される患者さんはたくさんおられます。耳鼻科に行っても治らなかったので、漢方か針で治りませんか、という相談です。耳鳴りで比較的治るのはキーンという金属音です。蝉が鳴くような低音の耳鳴りは難治です。それでも、来院された場合、漢方や針でベストを尽くします。