むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • コウノメソッド

    認知症の治療を劇的に進化させた河野(こうの)先生が熊本に講演に来られました。以前から著書を読んで勉強し、できる範囲で実践してきたのですが、じかにお会いして講演を聴けたのはラッキーでした。私にとっては芸能人に合うより価値あることです。なんと、主催者から声がかり講演会の後の食事会にも参加できました。河野先生はこのように臨床の中からキラリと光る新しい治療法を確立されただけあり、じかにお話してみると、哲学的な面と鋭い勘の持ち主なんだなということが感じられました。

    優れた臨床家というのはマニュアル通りには治療しません。昔からさじ加減と言いますが、薬の量を決めるとき規定通りでなく患者さんごとに必要量をうまく加減することのできる人が一流です。例えば認知症の薬は投与規定を読むと、低用量から徐々に増量して最終的には最大量まで使うように書いてあります。これは製薬メーカーの思うツボです。大学病院などで教育を受けた先生はそのマニュアル通り治療すると思います。

    一方コウノメソッドでは非常に低用量を使います。たくさん使ったら副作用が増えるのです。また、認知症の薬は飲めば認知症が治ると思うかもしれませんが、そんな簡単なことではありません。今日の講演でもコメ、パン、麺などの炭水化物は食べないように、ココナッツオイルを毎日取るようにということでした。認知症にも炭水化物制限が重要なのです。