むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 冬の漢方

    東京の方ではいよいよインフルエンザが流行期に入ったとのニュースが発表されました。時間の問題で全国的に広がってくることと思います。熊本の場合は人の流れとともに福岡ー大牟田ー荒尾という感じで広がってくることが多いような気がします。私は毎日数十名の風邪の患者さんと接触しますが、うつることはありません。うつらない自信はあるのですが、油断は大敵です。何も対策していないわけではありません。もちろん診察のたびに手を洗うとか、アルコール消毒するとか、診察した手で自分の顔(目や鼻)を決して触らないことなどは徹底しています。しかしそれだけではありません。私には漢方があります。

    自分で毎日飲んでいいるのは霊芝です。サルノコシカケともいいます。がん患者さんの免疫を上げる健康食品として昔から重宝されている貴重な漢方薬です。私はこれを毎日水筒に入れて飲んでいます。また、自宅には板藍根(ばんらんこん)を常備しています。霊芝や板藍根は門前の凌雲堂にて販売中です。中国では風邪の季節に板藍根茶を飲むのは常識です。またお風呂であたたまるのにいいのはオリジナルの漢方生薬風呂です。潤美湯と名付けて凌雲同薬局で販売しています。

    一方、保険の効くツムラを始めとする漢方エキス製剤では、葛根湯、小青竜湯、麻黄湯、麻黄附子細辛湯、桂枝湯などいろいろな処方が風邪に処方されます。一人ひとり体力や反応性が違うため、同じ風邪でも処方は人それぞれ異なります。風邪かなと思ったらすぐに飲まないといけません。しかし、風邪の症状は狙ったように夜だったり土日だったり、病院のやっていない時間に症状が悪化します。やはりある程度の自分にあう漢方は常備しておくに限ります。

    ホスピタルメントにて

  • 誤解しやすい番組

    「ためしてガッテンで言っていたので、おにぎりを食べました」と患者さんが言うのですが、残念ながら昨日のガッテンは見そこないました。勉強会に参加していたためです。しかし、運良く昨日の番組は録画していたので、今日帰宅してから見てみました。内容は、深夜のどか食いをやめましょうという話です。帰宅が遅いお父さんたちはお腹が空いているものですから、深夜にガッツリ食べてしまいます。あとは風呂に入って寝るだけです。そうすると、血糖は一気に上るのですが、それに引き続いて血糖を下げるためにインスリンが分泌されるため、深夜気づかないうちに低血糖になるということです。低血糖は認知症や心血管イベントのリスクとなります。

    そこで、番組で言っていたのは「間食のすすめ」です。夜遅く帰宅してご飯を食べる習慣の人は、遅い夕食の前におにぎり一つ程度の間食をとりましょうという話です。しかし、おにぎりを食べればいいという単純な話ではありません。夕方おにぎりを食べておくと、空腹が紛れるため<深夜にどか食いしないで済む>というところが大切です。要は「分食することで結果的に炭水化物制限しやすい」ということであって、おにぎり一個分のカロリーを余分にとっていいと言うことではありません。

    しかし、番組を見た人は自分に都合のいい部分だけ頭に残るため、冒頭のように「おにぎり食べました」とその部分だけ実行してしまうのです。もっと番組は誤解を与えないように構成すべきだと思います。無駄にクイズ形式にしたりすると、誤った情報があたかも正解だったかのような錯覚をする場合もあります。せっかくいい番組なのですが、このガッテンの番組構成はいつもイマイチだと感じます。

  • 耳鳴りの治療

    耳鳴りで困っている人はかなりいらっしゃいます。耳鼻科で相談しても、年のせいだと言われることが稀ではありません。漢方を専門にしているとこのような人からもちょくちょく相談を受けます。実際、耳鳴りの治療は非常に難しく一筋縄では行きません。

    第一に加齢から来た場合は聴力も低下しており、セミが鳴くようなジージーとかワンワンとか比較的低い音が聞こえるようです。このような耳鳴りはかなり難治です。一方、若い世代で見られるのはキーンという高音の耳鳴りです。これは、多くの場合ストレスと関連しています。耳鼻科で検査すると突発性難聴と言われてステロイド治療を受けて治る場合もあります。このように、耳鳴りは音の性質により治りやすいものと治りにくいものを区別できます。

    漢方では高齢者の耳鳴りは腎虚と言います。八味地黄丸などが処方されます。若い人のキーンという耳鳴りは肝鬱に関連します。加味逍遙散、抑肝散、四逆散などを用いて治します。このように病態によって治療薬を使い分けます。この分野ではもしかしたら西洋医学より漢方のほうが治療理論が進んでいるかもしれません。同じ理屈で若い世代のキーンという耳鳴りは西洋薬で安定剤や抗てんかん薬などで気持ちを落ちつければ取れる場合があります。漢方にとらわれる必要はありません。漢方の理論で西洋薬を吟味するという治療法もあっていいと思います。むしろ私の通常の治療はそのような感覚です。西洋薬を漢方的解釈で使ったりします。

  • 水素生活

    雨が上がり、急に冷え込んできました。この週末は寒くなりそうです。体調管理には注意が必要です。医療関係のニュースサイトでは、今年のインフルエンザが今週にも流行期に入るとのニュースが出ました。これから年末年始にかけて、忘年会や帰省ラッシュなど人の交流が密になるため一気に流行してくることが予想されます。注意しましょう。第一にしっかり休息を取ること。そして、体を冷やさないこと、ビタミンCを取ることなどです。先日TVを見ていたら、風邪の予防に部屋を加湿するという「常識」がありますが、最近の研究によると加湿してもウイルスは失活せず、感染力に大差はないとのことです。それが本当なら、これまで頑張って加湿していた努力が水の泡です。これが本当かどうかはもっと時代がたたないとわからないと思いますが、加湿器に過剰な期待は禁物です。

    最近私のマイブームは水素です。朝出勤前に水素水を1杯、仕事帰ったらまた1杯、ビタミン剤を飲む水も水素水です。また、このブログを書くときや夜の晩酌しながら水素を鼻から吸っています。水素は水素発生器に水を入れてスイッチを入れるだけです。触媒に電気が流れて水が水素と酸素に電気分解されます。これを吸えば水素吸入、飲めば水素水となります。水素発生機にはいろんなタイプがありますが、私が購入したものは吸うと飲むが同時にできるタイプです。とても便利です。

    もともと私はビタミンの大量療法で体調もよく疲れ知らずですが、水素を使うようになって、更に元気です。人間は呼吸するだけで酸素が体を酸化します。ストレスや過度の運動はさらに酸化を進めます。取り込んだ水素は活性酸素と反応して体内で水となります。おかげで酸化されない体を手に入れました。まだ水素を初めて1週間ですが、肌は乳幼児のようにすべすべになりました。体内は見えませんが良い変化が起こっていると信じて続けたいと思います。

  • 禁断の新米ーー旨すぎる!

    熊本で漢方をやっていた吉冨先生といえばご存知のかたも多いと思いますが、吉冨先生は2−3年前から高知県の山奥でお米とお茶の農家をしながらときどき町立病院で医者もやっているという生活をされています。この度、吉冨先生が作ったコメが届きました。もちろん新米です。渾身の作です。私は日頃糖質制限をしているのでご飯(お米)を自宅で食べることはないのですが、貴重な新米ですからありがたくいただきました。米を研ぐ時から濃厚なコメの香りがします。もしかしたら、天日干しかもしれません。

    炊きあがったらピカピカに輝くご飯でした。ひと口いただくとなんとも素晴らしい味わいです。ちょうどいいタイミングで、訪問診療先から手作りの高菜を頂いたので、高菜を添えて食べました。禁断の夕食です。あまりの美味しさに箸が止まりません。ご飯も3杯食べてお腹いっぱい。おかずは結局高菜がメインで後はどうでも良くなります。

    実は、こういう和食が病気の元です。美味しすぎて文句のつけようがないのですが、タンパク質が足りません。そして塩分と糖質(炭水化物)が過剰です。食べ終わるとぐったりして動きたくなくなります。先日、ちゃんと食べてちゃんと寝ているのに疲れが取れないと来院された患者さんに、炭水化物(ご飯やパンなど)を減らすように、そしておかずをもう一品増やすようにと指導しました。その人は1ヶ月も待たずに体調は回復しました。ご飯を主とした食事ではビタミンと蛋白の欠乏状態となります。あまりに美味しいお米だからこそ、バクバク食べずに上品に少し味わいたいものです。