むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 医療AI(人工知能)の時代はすぐそこ

    いよいよGoogleが医療用AI(人工知能)の開発を始めたそうです。アメリカのメイヨクリニックと共同開発するとのこと。メイヨクリニックといえば、全米でトップクラスの病院です。そこにいるベテラン医師の思考パタンをAIに学習させ、更に一人の医者では一生かかっても経験できないほど大量の患者データを学習させることで、すごい医療AIが誕生すると考えられます。診断のつかない患者さんが病状を入力すると、ロボットが必要な検査を指示してきて、その結果を入力するとまたたく間に診断がついて治療方針まで提示する、みたいな世の中がもうすぐ目の前です。医者のいない田舎でもネットを通じて診断が可能になると思います。

    そういう世の中になれば、診断を得意とする総合診療医はAI(ロボット)に取って代わられると思います。内科だけでなく、画像診断をする放射線科医もAIが追い越すと思われます。そうすると、これからの医者で本当に患者さんから必要とされるのは、手術のうまい外科医と、患者さんの話をじっくり聞いていやしを与えることのできる精神科医などでしょう。逆に、血圧や糖尿病などの管理は、ロボットにできます。日々のデータ(血圧や血糖値)を入力すれば、薬をちゃんと飲むようにとか、最新の論文をもとに、もっといい薬を勧めたりと言うことはロボットがしてくれる時代になると思います。

    一方、看護師の仕事はロボットではできません。現在看護師さんたちの業務の半分以上は記録です。血圧などのデータや、患者さんの様子をカルテに書き留めること。これは、入院中の医療が適切だったかの証拠になるため、医療裁判などの際にきちんと記録されているかが需要な鍵となるため、疎かにできません。皮肉なことに、患者さんの世話をするより記録のほうが重視されている世の中です。おそらくロボットがこういう記録の部分を取って代わってくれれば、人手不足の中より良い看護ができる時代も夢ではないと思います。

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  • レシチン摂取:効果報告

    3日前からレシチンとホスファチジルセリンを私の常用サプリに加えたと書きました。実際には今朝の段階で2回飲んだだけなのですが、さっそく変化があったので、ご報告します。この2つのサプリは体内ではほとんど同じものなのですが、細胞膜を構成するリン脂質です。私がこれを飲もうと思ったのは、これら2つのサプリは脳内でアセチルコリンという神経伝達物質の材料となり、脳からの司令が改善するという理屈からです。朝から晩まで大勢の患者さんとお話して、データを分析して、病態仮設を立て、治療方針を考え、そのまとめをカルテに記載するという膨大な脳内処理を行うわけで、神経伝達物質のアセチルコリンが足りないと考えが遅くなるので、効率アップにつながると思ったわけです。

    そして、2日飲んで朝起きたとき、びっくりしました。頭が良くなった・・わけではありませんでした。起きて顔を洗ったところ、驚くほど肌がプルンプルンになり、まるで赤ちゃんのようなもち肌になっていました。50過ぎのおじさんが変ですが、あまりにすべすべの肌になってびっくり嬉しいです。ネットで調べたら、レシチンはコラーゲンと並ぶ美肌効果があると書いてありました。棚ぼたです。また、レシチンのようなリン脂質は人のような分子構造をしているのですが、頭の部分は親水性で水に溶けやすく手足の部分は疎水性で油に溶けやすい性質があります。

    この、親水性と疎水性の両方の性質を持つ物質は、ちょうど石鹸のように水と油の間に入って分離しなくする働きがあります。乳化といいます。そこで、レシチンを摂取すると、体内のコレステロールも溶けて動脈硬化が改善すると言われているようです。まだ検討が必要ですが、そんなにいいんだったら、なぜ保険で使える医薬品にないんだろうと思いますが、まずは自分で実験します。お先にどんどん若返って元気バリバリです。

     

  • よく食べる人は元気

    食が細い人は治療が難しいです。なんとか食べてもらおうとあれこれ考えますが、反応してくれないときはお手上げです。胃腸の調子が悪くて食べられない場合、胃腸機能を改善することでなんとかなるのですが、とにかく食欲が無いという人は治療困難です。スルピリドなど食欲増進作用のある薬を使いますが、反応してくれないと次に打つ手がありません。入院中なら点滴もありますが、通院患者さんだと限界があります。

    処方でビタミン剤をだすと、保険で査定されます。最近は湿布や花粉症の薬まで保険外しの話題で持ちきりですが、ビタミン剤も市販されているため保険では厳しくなっています。しかし、食が細い場合、ビタミンなどは絶対に不足しているので、体調維持にビタミンサプリは必須です。ぜひ、買ってでも飲んでいただきたいと思います。

    こういう、低栄養に対する取り組みを以前から頑張っている会社があります。ネスレです。ネスレといえば、コーヒーやキットカットの会社です。最近はネスカフェアンバサダーというインスタントコーヒーを機械で入れる仕組みを仕掛けて話題ですが、食が細くて健康に問題がある人用にいろんな補助食品を開発しています。先日友人の先生から味も良くて食べやすく、高カロリーのゼリーがあるというので、早速ネスレから購入手続きをしました。当院から訪問診療している患者さんには実費で小分けしたいと思います。その他、栄養不足が気になる方で興味があればご相談ください。購入方法をお教えします。

  • 私のサプリ:セリン、レシチンも仲間入り

    御存知の通り、私は毎日大量のビタミンやサプリをとっています。今日iHerb.comから新しいサプリが届きました。いまは毎日10種類くらいを飲んでいますが、これからあと2つ増えます。いま飲んでいるのは、ビタミンA10,000, B50, C1000, D10,000, E400, K100,ナイアシン、ビオチン、オメガ3,アルギニン・シトルリン、亜鉛50、マグネシウム250です。これらのうち、ビタミンA,D,Kは週1回で、それ以外は毎日です。今日届いたのはホスファチジルセリンとエッグ(卵由来)レシチンです。

    セリンとレシチンはリン脂質という栄養素です。細胞膜に含まれる重要な栄養素ですが、脳に運ばれてコリンという神経伝達物質の材料となります。したがって、頭の働きが改善し、認知症の予防効果や治療効果が期待できます。この2つのサプリを取ることで、私の思考力がどのように変化するのか今から楽しみです。

    会社などであまりに忙しいため、睡眠も食事も犠牲にして働いた結果、ある日突然思考能力が低下して、今までみたいに仕事ができなくなった、頭が働かない、といって来院される患者さんがあとをたちません。まずはゆっくり睡眠を取ること、食事をおろそかにしないことが大切です。睡眠薬によっては認知症を増やす心配があるので使用する際には注意が必要です。このような患者さんに今回のレシチンやセリンが効果的かどうかはこれからの検討課題です。

     

    久木野温泉「四季の森」から高岳、烏帽子岳を望む

  • PTSDに神田橋処方

    この週末、震災後の復興を記念すべきものが2つ。一つ目はご存知交通センターが新しく桜町熊本(ローマ字表記が正しいらしい)のオープンです。もう一つが俵山の大切畑ダムをう回していたところが復旧して全面開通するそうです。久木野方面はかなり楽になります。ちょうど連休なので行ってみたいと思います。

    このように、熊本地震から3年半たとうとしていますから道路や建物は次々と復興しています。しかし、当院に来る患者さんで、震災をきっかけに体調を崩したという人がいまだにあとをたちません。ふとした拍子に怖かった思い出が蘇ってくるというのはPTSDといいます。震災などの大きなショックを受けたときの心のダメージが後々まで尾を引くものです。それ以外にも、幼少期にとてもつらい思いをしたとか、上司からこっぴどく叱られたとか、旦那から暴力を受けたとか、子供が大病をしたとか、いろんなレベルの恐怖体験があります。そういった恐怖体験があとになって不安などを引き起こして体調不良の原因となるのは珍しくありません。

    私はカウンセラーではないので、幼少期にさかのぼった恐怖体験を根掘り葉掘り聞き出すことはしません。しかし、今の体調不良に関連するきっかけみたいなことで思い当たることがあれば教えてくださいとは尋ねます。そこでもし多少でも過去のトラウマが影響していると思ったら神田橋処方という漢方の出番です。四物湯と桂枝加芍薬湯を併用するのですが、驚くべき効果を発揮します。なぜこの処方が著効するのかは漢方を専門としている私にもわかりませんが、患者さんが元気になってくれれば、理屈は後回しでも構わないと思っています。