むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 脱水には味噌汁がいい

    お盆休み前ということもあり、今日は100名を超える患者さんでした。朝から夕方まで休み無しでした。仕事が終わって、糖尿病の勉強会に参加しました。久しぶりに会う参加者の面々と話したりすることができて、いい気分転換になりました。それにしても暑いですね。クリニックは熱中症や夏バテの患者さんがひっきりなしです。当院では漢方を多用します。清暑益気湯という処方があり、読んで字のごとく暑さを冷まして元気を増すという処方です。夏バテに抜群の効果を発揮します。今日もたくさん処方しました。きつい、食欲がないという場合、試してもらうと驚きの効果を発揮します。

    昼休みに近くにお住まいの患者さん宅へ往診に行くのですが、近距離の移動は車のエアコンも効かないので、蒸し風呂のような状態です。往診に行くと、エアコンを使っていないご家庭が結構あります。歳を取ると暑さに強くなるのかと思いますが、あまり暑いところで過ごすと室内でも脱水になったり熱中症になります。この暑さですからご注意ください。こう暑いとビールが美味しいですが、アルコールは利尿効果があるため、飲んだ水分が有効に体に補給されず、結果的に脱水を悪化させる可能性があります。アルコールとは別にしっかり水分を取る事が必要です。

    脱水補正にはスポーツドリンクとかOS-1という補水液がありますが、そんなものをあえて飲まなくても、味噌汁でいいと思います。しっかり出汁をとって野菜や肉などの具を入れてたっぷり食べるといいでしょう。インスタントでないちゃんとしたラーメンを汁ごとしっかりとるのもおすすめです。塩分とともに野菜や海藻などに含まれるミネラルが夏バテに有効です。

     

  • Back2School

    アメリカのラジオを家ではずっとかけっぱなしにしています。Tuneinというアプリで世界のラジオが聞けるのですが、私はアマゾンのアレクサに登録しているので、「アレクサ、いつもの」と声をかけるとテキサス州のラジオがかかるようになっています。今週はバック・トゥ・スクール(Back2School)の話題で持ちきりです。B2Sというのは直訳すると「学校へ帰る」となりますが、アメリカは夏休みが6−7月で今年は8月2日には新学期が始まったようです。日本と違うのは、夏休み明けはただの新学期ではなく新入学の季節でもあり、学年が上がる季節です。当然、文房具などを買い揃えるシーズンでもあるのでB2Sセールというのがあっていました。アメリカ独特の黄色いノート(日本でもコストコに売ってありますね)とか、ペンなどこの季節にまとめ買いするのですが、今思い出しても懐かしいです。日本では新学期は桜の季節ですが、アメリカはちょうど今なのです。

    来週はお盆休みです。当院は今週土曜日まで通常通りの診療ですが、来週12日月曜は山の日の振替休日でお休みです。その後、13,14,15日は休診となります。ご了承ください。16日(金)からは通常通りとなります。今日はお盆休み前ということもあり、かなり混み合いました。明日明後日も同様と思いますが、私の予想では、再来週お盆明けの19日からの週が相当混雑すると予想しています。病状が安定していない人を優先してこの週に入れたいと思っていますが、通常の血圧の薬などで薬が切れる場合、仕方ありません。どちらかといえば、今週中に補充されたほうがいいかと思います。

    うつ、不安、緊張しやすい人は不思議と親譲りだったりします。例えば、お母さんが妊娠中不安やうつのような症状があった場合、その子供にも似た傾向が出やすいようです。遺伝なら仕方ないと思うかもしれませんが、そうでもない場合があります。その原因は親子揃っての鉄欠乏症の場合があるのです。お母さんに極度の鉄欠乏があると生まれた子供も当然鉄が足りません。また、鉄を吸収しにくい体質だとうつやパニックが遺伝したかのように見えます。当院では、うつや不安障害の患者さんの採血をして鉄関連の検査を行っています。鉄の補充は安定剤や抗うつ剤よりも根本治療として必須です。

    グリンピアから高岳を望む

  • ランナーのための健康アドバイスをしています

    夏休みに入り、中高生たちの来院も増えています。歯医者さんでは虫歯を夏休みのうちに治さないと、というのがありますが、内科を受診するのは何かというと、ランナーの皆さんです。部活で陸上をしている人たちの来院が目立ちます。暑い中汗を流してランニングすると、体力を消耗します。タイムも思ったように伸びません。夏はランナーにとってはシーズンオフなので、無理に走り込まなくていいと思うのですが、10月頃にシーズン・インした際に良い記録を狙うのであれば、夏のうちから頑張るしかありません。

    当院を受診するランナーの皆さんは貧血がないかを調べてもらうように、と監督さんから言われてくる方が多いようです。たしかに、ランナーさんたちは貧血傾向にある人が多くみられます。これは、通常の内科で検査を受けてもあまり問題視されないレベルの鉄欠乏です。貧血は軽くても、MCVという値が小さければ(90以下)鉄欠乏の可能性が大きいです。鉄が不足すると、貧血になるだけでなく、細胞内のミトコンドリア内で電子伝達系という発電所でエネルギーを作る力が低下します。したがって貧血がたいしたことなくても鉄が低い場合、しっかりと鉄を補給しないとランナーとしていいパフォーマンスが得られません。

    また、夏の暑い時期はミネラルを汗で失うため、マグネシウム、亜鉛、ビタミンB群、ビタミンC, ビタミンEなどをとる必要があります。バランス良い食事でとればいいと思うかもしれませんが、ランナーの要求する栄養は食事では足りません。例えば、ビタミンCならレモン100個以上、鉄で言えば、ほうれん草を毎日4キロです。それは無理なのでサプリで摂るしかありません。そういった指導も含めてランナーさんにアドバイスしています。

    アワビのお粥

  • 風疹ワクチンクーポン

    最近、風疹ワクチンクーポンが届いたという方がいると思います。今回は40歳から57歳の男性が対象です。この年代は女子だけ中学時代にワクチンを接種しているのですが、男性は打っていないため免疫のない人が多数いるためです。風疹は3日はしかというように本物の麻疹(はしか)に比べれば軽くて済むのですが、妊婦さんがかかると胎児の難聴や白内障などの障害が出るため、女子を優先的に予防接種したというのが時代の事実です。

    今回のワクチンクーポンは2段階になっています。まず、風疹の抗体を持っているかどうかの採血検査があります。もし抗体があれば、すでに免疫を持っているのでワクチンは不要です。厚労省のデータでは対象の年代の男性でも8割は抗体を持っているそうですので、実際にワクチン接種が必要なのは2割程度みたいです。

    当院でもクーポンがとどいた方の検査やワクチン接種は行っていますので、届いたクーポンを持っておいでください。いつもの血圧の薬などを取りに来たついででもいいし、風邪を引いたときに受診したついででもいいです。職場検診で採血する際についでに検査するのもいいと思います。働き盛りの男性ですからなかなか病院に行く暇はないかと思いますが、折角のチャンスを逃さないで使いましょう。クーポンを使えば無料ですが、同じことを自費ですれば1万以上かかるそうです。今年クーポンがとどくのは40−48歳。49歳から57歳は来年送ってくるそうです。ただ、ご家庭に妊婦さんがいる場合、クーポンを待つことなく急いで検査を受けたほうがいいと思います。

  • 冷たい飲み物のとりすぎに注意

    月曜日、昼から急に天気が崩れて雷雨となりました。気温が下がればよかったのですが、蒸し暑くてとても不快指数の高い一日でした。熱中症の症状で来院する方もいます。熱中症には点滴をしたり清熱作用のある漢方を処方したりしますが、来院する前にできるだけ水分補給をして来てください。スポーツドリンクやOS-1のような経口補水液がいいのですが、とりあえずなんでもいいので水分をとってください。脱水がひどいと何時間も排尿がありません。尿が出るくらいまで水分が取れたら十分です。

    部活で暑い中練習する子供さんたちは、脱水予防でたくさん水分をとっていることと思います。その際に飲む水分の温度が重要です。氷を入れてギンギンに冷やした麦茶などはよくありません。先日来た高校生はこのように冷たいドリンクを毎日4L飲むと言っていました。練習中暑いので冷たいものがほしいのはわかりますが、冷た過ぎは問題です。

    なぜなら、飲んだ水分は胃で体温まで温められます。0度のものを37度まで温めるには1mLあたり37カロリーを必要とします。もし室温に放置したドリンクが27度くらいだったら、体温に温めるには10カロリーしか必要ありません。この差は体力の消耗、夏バテ、胃腸の疲労と関連します。酪農家は、牛や馬が汲みたての冷たい地下水を飲まないように細心の注意を払うそうです。冷水は体を壊すことを知っているからです。水飲み場では日なたで温めた水を飲ませるよう工夫しているそうです。

    昔懐かしの足踏みミシン