むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • サウナで認知症予防

    たけしの健康番組を見ていたら、認知症予防にサウナがいいと言っていました。最近私は毎週のように南阿蘇や高森、近いところだと御船や城南の温泉に行ってはサウナに入ります。温泉によっては、お風呂は午前中から入れるけどサウナは午後2時からとか、時間制限のあるところがあります。私は、温泉だけでなくサウナに入りたくて行くのでいつも事前にホームページでサウナに入れる時間を確認することを忘れません。まさか、サウナが頭に効くとは驚きです。脳血流を改善するからだろうと言っていました。ただ、週4回くらい入れば効果が出ると言っていたのですが、それは無理です。ただ、通常のお風呂でも同じ効果を期待できるそうです。

    その方法は、少し熱めのお風呂でよく温まったら、30度くらいのぬるいシャワーで体を冷やす、温冷刺激を繰り返すことが効果的だそうです。これは、私が患者さんにいつも指導していることと奇しくも同じでした。私が患者さんにお話するのは起立性調節障害のように血管の自律神経がきちんと働かず血圧が下がってしまう患者さんに、いかに血管の自律神経を鍛えるかというと、お風呂で温冷刺激を繰り返してくださいと指導していました。これが認知症の予防になろうとは、思ってもみなかったです。

    さて、今週と来週は祝日があるので、診療日数が短くなっています。その分、他の日にしわ寄せが来ます。今日も月曜の患者さんが薬を切らして大勢来院されました。忙しい中にも、遠方からいろんな相談事で来院されている方もあり、できるだけ一人ひとりには時間を取りつつ、待ち時間は最小限にしたいという矛盾するような命題に取り組んでいます。

    中洲

  • めまい体操

    連休ですが、いかがお過ごしですか。雲ひとつないいい天気でした。私はクリニックのワックス清掃が入ったので、残念ながら一日中クリニック内に缶詰でした。TVをつけると台風の爪痕が延々と放送されています。たくさんの死者や被害が出ました。お見舞い申し上げます。それにしても、あれだけ関東・東北で被害が出たのに、東京だけは死者が一人も出ていません。さすがに首都東京は災害に強いまちづくりがされているんだなと感心しました。ワックスがけが終わって私も開放されて帰宅しようとしたとき、クリニックの窓の鍵が1箇所かかっていないのに気づき、駐車場から窓を触ったらキューネットのサイレンが鳴り始め、数分で警備員がやってきました。申し訳ないです。私が鳴らしました。報告書を仕上げてから帰宅です。

    めまいが出てから1週間たち、ほとんど良くなりました。めまいは気分が悪くなるし歩くのもふらついて危ないので大変です。じっとしていればどうもないので、引きこもる人が多いですが、普通のめまいは我慢して動いたほうが治りがいいようです。めまいを気にしていると不安障害が起こってくるようです。今でも、耳鼻科や脳神経内科で精査してもはっきりしないめまいは不安や恐怖からくるもののようで、恐怖性姿勢めまい症というようです。

    恐怖を打ち消すには動いて慣らす他ないのですが、いきなり動くと吐きそうになったり、転んだりするといけないので、まずは座ってから目の前に手を伸ばしてその人差し指を見つめます。その手を左右に動かして目で追います。頭を動かしませんからあまりめまいは出ないと思います。次に伸ばした手の人差し指を見つめながら頭を左右に振ります。視線を固定すると頭を振ってもめまいは起こりにくいです。このように徐々に頭を動かす訓練をすることから始めてください。

     

    博多 キャナル

  • 認知症薬開発中止のニュース

    エーザイがアルツハイマー治療薬の新薬開発をしていたのですが、3つある候補のうち2つを中止すると発表しました。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49820530T10C19A9TJC000/残るはあと一つになりました。これまで、バイエル、メルク、リリー、スミスクラインなど欧米大手製薬会社も全てアルツハイマー型認知症治療薬の開発を断念しています。いかに難しいかがわかります。現在アリセプトなどいくつかの薬剤が保険適応になっているから認知症は早期治療で治ると思っている人も多いかと思いますが、それは甘いです。そんな簡単なものではありません。私は開業前には桜十字病院で老人を主とした診療をしていました。外来の平均年齢が90歳くらいです。そういう中で、アルツハイマーの治療なんて全く無駄だと感じていました。どれだけ処方しても良くなる人なんてほとんどいません。

    多少いいのは気性が荒くなったのを抑えたり、パーキンソン様の症状を改善したりという周辺症状の治療です。これは少し改善しますが、中核症状と言われる物忘れ部分は殆ど改善しません。改善するとしたら、本当に進んでしまう前のごく初期です。脳が萎縮してしまったあとにもとに戻すのは現段階では不可能と思います。

    すすんだ認知症は自分が物忘れしたことを気にしないですが、初期段階では思い出せないことをすごく気にします。こういう人は病院ではまだ認知症ではないと言われるし、そういう人にだす処方はないのが現実です。しかし、私の最近の経験からレシチン(ホスファチジルセリン、コリン)は間違いなく脳を活性化します。ビタミンB,C,D,Eとナイアシンも必須です。欲を言えば、EPA/DHAという魚油も脳に良い働きがあります。また、肉や卵をたっぷり取ること、糖質を摂りすぎないことは基本です。これらを総合的に、できるだけ早期に取り組むことが大切だと思います。

    ただ、万一ボケてしまったら、それは神様からのプレゼントです。癌になることも自分の死が近いことも全然怖くなくなります。認知症の薬というのは神様のプレゼントを突き返すようなものです。だから新薬開発はうまく行かないのです。まずは感謝しましょう。

  • 忙しくてめまいがした

    めまいがするほど忙しいといいますが、先週はレセプトチェックなども重なってとても忙しく、本当にめまいがしました。朝目覚ましがなったのを止めようとして体の向きを右に変えた途端、グラグラっときて手元がおぼつかなくなって、目覚ましがなかなか止まりません。なんとか止めて、体を起こしたらグラグラーと回転してきて手を壁につかないと姿勢が保てませんでした。さいわい、2−3分もするとめまいは止まったので、起き上がりましたが、2階の寝室から1階へ降りるときは手すりにしがみつくようにして降りました。ムカムカして来て、朝ご飯は入りません。コーヒーを少し飲んだら落ち着きましたが、一日気分が悪かったです。

    うちにはめまいを止める薬などなにもないので、めまいに効くツボを指圧してとりあえず仕事に出ました。今回は忙しすぎて目が回りましたが、医学的には良性発作性頭位めまい症といいます。頭位めまい症ですから頭の方向でめまいが誘発されます。今回私の場合仰向けから右にを下に体制を変えたときに起こりました。試しにもう一度やってみたら、グラグラっとめまいが再現できました。

    このような場合は、エプリー法というめまいを治す体操みたいなのがあります。YouTubeにありますから、是非参考ししてください。ゆっくりと体をまわすのがコツです。私もこのエプリー法を3−4回してほぼ治りました。昼には往診にでかけたり、普通通りの診療ができました。ただ、漢方の苓桂朮甘湯というめまいの特効薬を数回飲んだのがとても良かったです。朝から薬局で買ってきてすぐに飲んだので助かりました。今日で3日目ですが、すっかり良くなりました。

    妻にこのエピソードを話したら、年だねー疲れがたまってるんだねーと言われましたが、頭位めまいは歳とは関係ない(と思っています)。耳石というゴマ粒みたいな石が内耳の三半規管にひっかかった症状なので、ひっかかった石を体操でとれば治るのです。ただ、石がひっかかるきっかけはストレスや過労かもしれません。

  • フクロウ症候群

    福岡に漢方の勉強にいってきました。演者は久留米大学の惠紙先生です。メンタルケアの漢方治療について講演されました。当院にもそういう患者さんが多いため、とても参考になりました。最近久留米大学は「フクロウ型」人間の治療を積極的にされています。「フクロウ型」というのは、夜ふかし、朝寝坊のひとです。単なる怠けではなく、どうしても朝起きられないのです。学生だと、朝起きられないために毎朝親に怒られて、ぎりぎり間に合ったり遅刻したり、なかには通常の学校を諦めて通信制の学校に切り替える場合もあります。

    久留米大ではこのフクロウ型を専門に扱うフクロウ外来を始めたところ、すごい数の患者予約が殺到し、今現在で来年の5月まで予約でいっぱいだそうです。しかも、九州各地から問い合わせがあるため、熊本の患者さんは熊本で見てもらえないかと依頼を受けました。当院でも以前からフクロウの漢方治療を行っているので、できるだけのお手伝いはしたいと思います。

    今回の講演ではフクロウ型も背景は1つではなく、起立性調節障害、メニエル症候群、不登校、自律神経失調症、適応障害、発達障害などいろいろな病態でフクロウ型を呈しているので、漢方もそれに応じた治療法を考えないといけないというものです。また、首のレントゲンを取ると8割以上に異常があると言われていました。そのあたりが新たな治療のポイントになりそうです。

    博多 住吉神社