むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • AI技術を活用する時代はすぐそこ

    土曜日は鹿児島で漢方の講演に呼ばれたので行ってきました。診療が忙しいので、最近は県外での講演はほとんどお断りしているのですが、鹿児島は新幹線で1時間で行ける様になったので、土曜の診療が終わってからでも間にあいます。開業してから困るのは学会です。東京や大阪なら鹿児島と同じで土曜の午後から参加できますが、それ以外の都市ではほとんど参加不可能です。必要な点数は九州地方会でなんとかしていますが、それでも結構大変です。

    今はネット社会ですから、実際に参加しなくてもバーチャルで参加することなんて簡単なはずです。専門医に必須の講義をネット配信してもらい、参加費をクレジットカードで引き落としてもらえば、仕事の合間や深夜に受講することも出来ます。海外の学会でさえこの方法なら旅費を使わず参加できます。技術的には可能なはずなので、ぜひ実現してほしいものです。ただ、昔から学会とは名ばかりで、息抜きの小旅行という目的もありますが・・・。

    NHKニュースで見たのですが、ベテラン漁師さんが漁日誌を20年間つけていたそうです。気温、水温、天気、風向きなどと、どの漁場でなにがどれくらい捕れたという日誌です。若手の漁師にその日誌を見せてもピンとこなかったので、人工知能(AI)にそのデータを全部読み込ませたら、今日の天気と風向きならどの漁場に行ったほうがいいと教えてくれるようになったそうです。そのAIの予測をベテラン漁師さんに見せたら、そのとおりだとびっくりしていました。このように経験と勘がAI技術で伝承可能となったのは素晴らしいことです。世の中、どんどん進んでいますね。

    藤崎宮

  • 野菜の栄養

    3月になり、一段と温かくなりました。昼の訪問診療時には車の温度計は17度あり、冷房を入れてしまいました。インフルエンザも一段落して、大忙しだった風邪シーズンも終わったな、と思っていたら、今日はクリニック近くの学校で学級閉鎖しているとのことでした。まだ油断できませんね。

    先日、往診先で小松菜を頂きました。小松菜といえば野菜の定番ですから、うちにも毎週生協から届きます。しかし、頂いた小松菜は私が毎日食べているものとは全く違いました。まず、緑が濃い!ほうれん草でもここまではないでしょう。そして、土がいっぱいついている。最近土がついている野菜なんて、ゴボウかレンコンぐらいしか見かけません。そして、葉っぱはたくさんの虫食い。私は店で買ったものしか食べたことがなかったので、これほど本格的な無農薬野菜は初めてです。さっとお湯にくぐらせてごま油、ナンプラー、塩コショウ、韓国唐辛子をあえてナムルにして食べたら、美味しいことこの上ありません!比較のために同じ手順で生協で買った小松菜もナムルにしてみましたが、味の濃さが全然違いました。無農薬の違いだけでなく、おそらく土の栄養が違うのだと思います。

    実は野菜の栄養価はこの50年で劇的に低下しています。例えば、ほうれん草は鉄が多いと言われていますが、1950年のほうれん草は鉄が13mgでしたが、2000年では2.7mgに低下しています。5分の1です。その他の栄養もことごとく低下しています。もはや野菜を食べればビタミンやミネラルが取れるという時代ではありません。自分はバランス良く食べているから大丈夫と思ってはいけません。皆さんもきっと現代の栄養失調です。

    参考:https://news.ameba.jp/entry/20130104-294

    熊本空港の到着ロビーにて

  • ストレスの多い3月

    2月は逃げるといいますが、あっという間に3月です。皆さん、結構忙しそうです。そうです。3月というのはおそらく一年で一番慌ただしい月です。「受験」「合格発表」「転勤」「引っ越し」「部署異動」「進学」「進級」「送別会」「卒業式」「PTA」そして最も大きいのが「決算」です。どれも3月何日と日が決まっており、絶対にそれを逃すわけにはいかないため、残業でも何でもして必死に間に合わせようとします。季節は三寒四温といいますが温かいと思ったら寒くなり、寒暖の差が大きく体調を壊しやすい季節です。自律神経も乱れやすいと思います。

    その結果、3月は心筋梗塞が1年を通して最も多い季節です。日頃血圧が高い、コレステロールが高い、という人は要注意です。特にいそがしくて薬をのむのを忘れてしまった、というのがいけません。血圧を薬で抑えていたのが、一気に上がってきます。皆さん気をつけてください。

    世は確定申告の季節です。税金を払うのもストレスです。頑張って稼いだお金の半分を税務署に持っていかれます。我々事業主は決算を終えて集計してみないと収めるべき税額がわかりません。手元(通帳の中)にあっても自分のものではないわけです。クリニックは通常の会社と違って医療に特化した収益しか許されません。例えば自動販売機などで収入を得てはいけません。別会社を作って経営すればいいのですが、それも面倒なので、あまり税金対策できないのが現実です。そこで、私の税金対策は、頑張って働いてくれるスタッフにボーナスを十分支払うことです。

    藤崎宮 参道

  • Consumer Reports(コンシューマー・リポート)

    アメリカ版「暮しの手帖」の”Consumer Reports”(コンシューマー・リポート)という雑誌があります。スポンサーに気兼ねすることなく商品テストをして評価する雑誌です。留学中はいつも楽しく読んで、パソコンを買ったりするときに参考にしていました。今日、久しぶりにネットでこのConsumer Reportsを見てみたら、信頼できる車メーカーランキング2019というのが出ていました。興味深かったので、簡単にご紹介します。

    https://www.consumerreports.org/cars-driving/which-car-brands-make-the-best-vehicles/

    最も信頼できる車メーカー第一位は・・・「スバル」でした。5位レクサス、6位マツダ、9位トヨタ、13位ホンダ、21位日産という感じです。外国車では3位ポルシェ、4位アウディ、7位BMW、17位メルセデス・ベンツという感じです。英文ですが、上のリンクで簡単にみられます。スバル、すごいです!ポルシェより上です。日産がだめなのは会社の問題かもしれません。

    スバルはトヨタや日産に比べれば小さな会社ですが、昔から水平対向エンジンとか日本で初めてのアイサイトという自動緊急ブレーキを開発したキラリと光る会社です。アメリカがこのスバルを高く評価してくれているのは嬉しいことだし、この雑誌が世界のブランドを偏見なしにきちんと見てくれているのが、さすがだと思います。

    週刊誌などでは病院ランキングをよく見かけます。手術件数とか、在院日数などでランキングされます。我々クリニックはそのようなランキングには関係ない弱小ですが、スバルのように小さくてもキラリと光る存在になりたいと思います。

     

    熊本県庁前

  • 冷え性とビタミン

    今まで日曜の夜は「鉄腕ダッシュ」と「イッテQ」を見るのが習慣でしたが、最近はぱったり見ることがなくなりました。考えると、TOKIOの山口くんが脱退してから面白くなくなったような気がします。イッテQの方はベッキーを切った頃からからだんだん面白くなくなった気がします。最近は、民放はスポンサーの顔色を伺いながらイメージダウンのない番組作りを優先し、面白くてもリスクが有る場合リスクを取らないという風潮だそうです。思い返すと、昔のTV番組は無茶苦茶やっていました。元気が出るTVとか志村けんの番組など本当にバカバカしくて面白かった思い出があります。こういうバカが許されない時代というのは、とても堅苦しくて味気ない気がします。やんちゃは世の中のスパイスです。

    話は変わって、日曜朝は「元気の時間」という健康番組があります。冷えと温活の話でした。出演していたのは帯山中央病院の渡辺先生でした。渡辺先生は東京にもクリニックを持っているので、最近ではよくTVで見かけます。私は渡辺先生とは古くからの漢方仲間です。冷え性というのは西洋医学ではなかなか治す方法がないと言われています。私はずっとそう信じて漢方で冷え性を治療していました。しかし、最近西洋医学でも治す方法はあると気が付きました。

    熱エネルギーを作るには適度の炭水化物を食べる必要があります。そして、それを代謝するのにビタミンB1、B2,B3,B6、鉄などが必要です。また、末梢の血管を拡張し、循環を良くするためにEPA(エイコサペンタエン酸)、ビタミンC, ビタミンEなどを十分摂取する必要があります。このような治療で冷えはずいぶん改善するのですが、残念ながら保険適応の範囲では治療効果は出ません。保険で認められる量の何倍ものメガビタミン(大量のビタミン)摂取が必要です。