むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 意地を張って先発薬を使う?

    いよいよ平成も終りが近づいてきました。ニュースを見ると、天皇陛下が最後の公務として緑の式典に出席された映像を見ました。その中で印象的だったのは、陛下がワイングラスを持っておられるシーンです。日本人の多くはワイングラスを持つときに細い足の部分を持ちますが、あれは国際的には間違いだと言われています。今日の天皇陛下はボウルの部分をしっかりとホールドされていました。画像検索するとエリザベス女王もオバマ元大統領も同じ持ち方をしています。ボウルの部分をしっかり持つというのがマナーなのです。まあ、ワイングラスの持ち方くらいで相手に失礼になるということはないのでどうでもいいのですが、国際的なマナーと日本のマナーがまるで違うということを知っていることは大事だと思います。https://matome.naver.jp/odai/2137191196430283401

    連休前で毎日超多忙だったのですが、忙しかったのもピークを過ぎて少し余裕のある一日でした。こういう中で、仕事をやっていて本当に良かったと思うのは患者さんに感謝の言葉をいただくときです。「今まで2年半、ずっと治らなかった症状が当院に来て1週間で良くなってびっくりしました!本当にありがとうございます」なんて言われると、本当に開業してよかったと思います。疲れが吹っ飛びます。毎日、心と体の悩みを聞いています。その人数たるや、相当数です。やはり、患者数が多いと医者の経験値も飛躍的に伸びるため、治療法に磨きがかかってきます。週刊誌でいい病院ランキングなんてありますが、いい病院の根拠は年間の手術数などを評価しています。それはまんざら間違いでないと思います。やはり、患者数が多くて、それだけ経験を積んでいると、レベルが上がるのは間違いないと思います。

    世の中は、ジェネリック(特許切れの医薬品を後発メーカーが安く作るもの)を使うようにという流れです。協会けんぽはジェネリック8割を目指すようにと目標設定しています。当院も、協会けんぽからもらったデータでは8割を達成しています。ただ、当院でがんばって(意地を張って)先発を使っているものが一つだけあります。驚かれるかもしれませんが、それはモーラステープ(湿布)です。湿布は貼ったところから鎮痛成分が皮膚に浸透して痛みを取るので、どのメーカーでも同じように思うかもしれませんが、先発メーカーは成分ではなく基材にもすばらしい技術が隠されています。ジェネリックとは全然違います。きれいに貼れるし、はがれにくいのも優れています。今日は、患者さんに、当院からもらった湿布は整形からもらったのよりよく効くと言っていただけたので、意地を張って先発を使っているだけあったかなとちょっと嬉しかったです。全ては患者さんのことを思ってのことです。それが当院の経営理念その1です。

  • 科学者の目を持って自分で確かめること

    日々進化したいと思います。今日の自分は昨日までの自分とは違う。そうありたいです。毎日いいことばかりが起こるわけではないので、そう簡単に毎日進化できないと思うかもしれませんが、そうではありません。物は考えようです。例えば今週私は久しぶりに風邪を引きました。声がかすれて、診察もちょっと支障をきたしました。しかし、それでも進化しています。例えば、声がかすれたときにどんな薬が喉に効くか、これ幸いといろいろ実験して、ある程度の成果を得ました。咳も出たので、何種類もの咳止めを飲んでみました。どの薬がどんな効き方をするか、どんな副作用があるのか人体実験です。こういった経験は今後の私の診療(処方)に即反映されます。風邪を引いているとき、健康なときと比べて進歩が止まったり後退したりはしないのです。

    数年前に新しいアレルギー性鼻炎の治療薬が2つ発売されたときも、自分で飲みました。片方はよく効くが片方はあまり効かないということがわかり、採用薬を効く方だけに絞りました。その後数年たち、世の中を見渡すと、私の実体験どおりのシェアとなっています。その効果の差を知らないドクターはいまだに効かない方を使っていると思います。それは、製薬メーカーがいいことばかり言って宣伝するので、効かない薬も効くような気がしてしまうからだと思います。

    むかし高血圧の新薬がどんどん出た際には、各メーカーで宣伝合戦でした。その結果、メーカーに有利な研究成果を出して講演してくれる教授には研究費がどんどん入りましたが、後に論文捏造の問題なども発覚したりしました。結局、メーカーの言う宣伝は全くあてにならないので自分で確かめる必要があります。全部が全部自分で飲んでみることはできませんが、処方した患者さんの反応をつぶさに観察してきちんと評価する科学者の目が必要だと思います。

    桜十字病院の新しいロビー

  • 冷えますね、が挨拶の4月入り

    名前を漢字でどう書くか聞かれることがありますね。私の場合、和憲ですから、「平和の和」とか「昭和の和」と言っていましたが、これらからは「令和の和」となります。昭和生まれの男の人の名前には「和」がたくさん使われていると思います。これからは昭和のおじさんの時代ですよ!

    新元号が発表されたわけですが、このところ平成を振り返る番組ばかりです。たいして見る気もしないので、一切見ていませんが、昨日は天気予報で「平成最後の寒の戻りです」と言っていました。何でもかんでも平成最後と形容するのは薄っぺらいです。私は令和と聞いて「零和」という字が頭に浮かびました。これは英語でゼロサムといって、株式などの専門用語です。売買して儲かる人と、損する人がいますが、儲かった人の総額と損した人の総額を全部合計すると必ずゼロになるのが株式市場や為替市場の原則です。これをゼロサムと言うので、漢字で書けば零和ですが、字が違いました。

    ゴールデンボンバーが新元号発表わずか1時間後には新曲を発表したとのことで、素晴らしい!さすがアーチストですね。クリニックのほうは10年後も語り継がれるようなちょっとしたトラブルで始まりましたが、なんとか新年度のスタートです。医療法人として本格始動です!

     

     

  • 年度末はストレスの多い時期です

    年度末もいよいよ末で12月でいうならクリスマスが終わって正月を待つような時期です。ほとんどの会社の転勤などは辞令が済み、受験生は進学が決まったころですね。往診の際にソフトバンクの前を通ったら車でいっぱいでした。進学や就職などで新しい携帯を買う人がたくさんいるのでしょう。引越し業者さんも忙しさのピークです。道は交通量が多く、年末のように渋滞が目立ちます。

    気温も上がったり下がったりするし、3日ごとに雨が降ったりします。偏頭痛や血圧上昇、メンタル面でも不安定になりやすい時期です。自律神経も環境変化についていかずに不調をきたしやすいようです。3月は心筋梗塞が多い時期です。ストレスには十分注意が必要です。無理しないで応援を頼みましょう。自分ひとりでしないといけない・できる、とは思わず、家族やプロの業者さんなどに相談しましょう。体を壊しては元も子もありません。

    待機児童の問題は本当に深刻のようです。子供を預けるには共働きとか、親が健康上の理由で働けないとか、なにか理由が必要のようですが、どうしてそんな理由がいるのでしょう。高齢者を介護するのも家族の負担が大きすぎて共倒れにならないようにデイケアやお泊り(ショートステイ)などいろんなサービスがあります。子供だって、家族の都合に合わせて預かってくれるような社会的な取り組みがないと、お母さんたちの負担は軽減しません。世のお父さんたちは自分は働いているから疲れていると思うかもしれませんが、お母さんはその2倍働いていると思いますよ。

  • オーケストラの指揮者と言う仕事

    「のだめカンタービレ最終楽章」という映画があります。「のだめ」は漫画をテレビドラマ化したもので以前話題だったので、覚えておられる方も多いと思いますが、そのテレビドラマが映画になったものです。Wikiで調べたらもう10年前の映画です!なんと時が経つのは早いのでしょう。当時私はテレビドラマの「のだめ」は見ていませんが、後になってネットにアップされた番組をさかのぼって見られるだけ見ました。玉木宏が指揮者として成長していくストーリーで同じ音大のピアノ科の野田恵(通称のだめ;上野樹里)もピアニストとして成長していく。最初に私がこのドラマにハマったのは使われているクラシック音楽と、指揮をする玉木宏の姿がとても感動的だったからです

    オーケストラを指揮するのは見た目かっこいい仕事ですが、その裏での苦労は並々ならぬものがあります。あまりに個性的な芸術肌の面々をまとめ上げ、自分の音楽に対する理解と解釈と感性とを表現しないといけない。リーダーとしての素質も絶対必要となります。

    病院のスタッフは10名程度ですから、オーケストラよりはるかに小さなグループですが、それぞれの得意な方面で最大限に力を発揮してもらいたいと思います。そして、それだけではなく、全体との調和と協調性を持って私の目指す医療の実現のために力を合わせてもらいたいのです。そういう思いで、週末は「のだめカンタービレ最終楽章」という映画を見たのですが、なんと前編・後編2部構成になっており、合わせて4時間超える大作でした。いい週末を過ごしました。