むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • スキレットと鉄製の中華鍋

    鉄製のスキレットはIHコンロでも十分火力が強く、美味しい料理ができます。日頃テフロン鍋でしか料理したことない人が使うと、びっくりすると思います。コンロの火力が問題なのではなく、鍋がテフロンだと熱くならない(だから焦げ付かない)ので、料理をしても時間がかかるし、野菜炒めなどをしたら汁が出てしまいます。これをスキレットですると、ジューと焼けてカラッと仕上がります。そして、不思議なことにちゃんと手入れしていると、ほとんど焦げ付きません。手入れといっても、料理が終わったらすぐにお湯で洗い、乾かすだけです。普通は鍋の持つ余熱で乾いてしまいます。大事なのは洗うときに洗剤を使わないことです。できれば乾かすついでに薄く油を塗っておくと完璧です。買って1−2ヶ月もすれば、こげつかなくなります。

    そういうわけで私はほとんど毎日の料理をスキレットでやっているのですが、昨日講演をしていただいた先生によると、鉄製の中華鍋、最高〜!だそうです。理由はスキレットと同じですが、中華鍋の方がさらにカラッとパリッと手早く料理できます。テフロン加工がしてあっては全然ダメです。

    そして、そういった中華鍋で何を作って食べるべきかというと、大量の野菜を使った野菜炒めだそうです。中華鍋で炒めると野菜は小さくなるので量がたくさん食べられます。炒めずに生でサラダにしたり、スープの具にして食べると、案外野菜はたくさん食べられません。先生いわく炒めたら5倍たくさん野菜が摂れます、とのことでした。納得です。

    泉が丘小学校校門

  • 東洋医学会熊本県部会

    日本東洋医学会熊本県部会という勉強会が年に一度あります。今年から私が会の会長を引き継いだ関係から、日程の決定、講演して頂く先生の交渉など色々とありましたが、本日無事に会が開催されました。今回は熊本赤十字病院の徳永先生、加島先生ならびに福岡の三宅先生に講演をお願いしました。みんな日本漢方(古方)でなく中医学が専門の先生方です。古方は理論よりも経験的な治療を重視し、中医学は理論(理屈)を重視した傾向にあります。勉強するには中医がわかりやすいですが、臨床をするには日本の古方も大変参考になります。私も中医学をメインでやっていますが、1−2割は古方の考え方を取り入れています。

    今回、特別講演をいただいた三宅先生からは、皮膚科疾患の漢方治療について教えていただきました。漢方薬の理論もさることながら、生活習慣、食習慣を正すことがいかに大切かという講演でした。甘いものやアイスクリームのような冷たいものばかり食べてアトピーなど難治性皮膚疾患になっている人はまず食事を治しましょう。また、ストレスなどで症状が悪化している場合、睡眠をしっかりとりましょう。そういうお話でした。

    特に女性の睡眠不足は深刻です。遅く帰宅するご主人を待って起きていて、ご主人に晩御飯を温め、お風呂の世話をして、後片付けして、とやっていると、必然的に睡眠不足になります。子育て中のママも同様です。睡眠が足りないと、自然とホルモンバランスもおかしくなり、疲労も蓄積して気がついたら相当体調が悪くなってしまうとのこと。睡眠はおろそかにできません。

  • 東洋医学会専門医

    私は東洋医学会の漢方専門医ですが、今年は更新の年です。通常、内科学会などの専門医は東京である総会に毎年参加するだけで更新できますが、東洋医学会は違います。更新するために50症例の報告書を書かないといけません。例えば、20歳男性、インフルエンザで麻黄湯7.5gを3日間使用した。麻黄湯を選んだ理由は・・・、という感じです。これまでなんども専門医の更新をしてきました。だいたい半年以上かけて症例をピックアップして報告書を書いていました。

    開業してからというもの、毎日毎日いろんな患者さんに漢方薬を使っています。症例を集めようと思ったら、3日ぶんくらいで更新に必要な症例が集まりました。あとはひたすら文献的考察を調べながらレポートを書くだけです。本日も、土曜日だけあって、県外からも漢方の相談に来られました。既に色々な病院であらゆる処方を試してイマイチだったというつわものです。こちらも、自ずと処方に慎重になります。

    これまでに診た先生たちが使っていない処方で、何か患者さんの病態を見逃していないかを考えます。通常は1−2週間ごとに薬の効き具合を確認して、病態把握、治療方針決定、処方、検証という、会社でいうならPDCAサイクル(プラン、ドゥ、チェック、アクション)の繰り返しを行うのですが、遠方から来られているとそのサイクルが回りませんから、一発でベストショットを狙います。思い通りに効いてくれ、と願うばかりです。

  • 糖質制限とケトン体

    糖質を制限する炭水化物ダイエットは、ケトン体と関連があります。ケトン体というのは、体の中に糖分が不足した際に脂肪がエネルギー源として利用されると出てくる物質です。例えば、感染性胃腸炎で食べられなくなったり、妊娠初期につわりがひどい時など、糖質が少なくなった結果、体に蓄積された脂肪が燃焼しますからケトン体が発生します。これまで、私たちの常識ではケトン体が出たら栄養状態に問題があるので急いで点滴などで水分と糖質を補うように習ってきました。

    一方、糖質制限のダイエットでは極力炭水化物を制限しますから、自然と体の脂肪が燃焼してケトンが出てきます。ただ、糖質制限ダイエットをしてケトンが出ても、健康面には問題ないようです。これは、最近いくつもの書物を読んで調べたのですが、間違い無いようです。これまでの医学常識を覆す、新常識です。

    炭水化物をアミラーゼで分解して糖にしたものをエネルギーとして燃焼させても少ししかATPは産生されませんが、食べた糖を一旦中性脂肪の形で体に蓄積して、必要な時にケトン体としてクエン酸サイクルで燃焼すれば、大量のATPが得られます。したがって体に有利なのは糖をエネルギーとして利用するのではなく脂肪を利用する方です。しかし、日本人の食事は糖質に偏っているため、エネルギー産生の小さな解糖系ばかりが働いて疲れているようです。元気を出すには、十分量のタンパクと脂肪をとり、炭水化物を減らすことです。また、クエン酸サイクルを活発にするためにはビタミンをしっかりと補うことが大切です。

     

  • インフルエンザ流行期入り

    いよいよ師走ですね。ニュースを観ていたら、熊本県下はインフルエンザの流行期に入ったそうです。例年より3週間早いとのことです。当院でも、今週に入って毎日インルエンザが出ています。今日は2名です。みんなインフルエンザA型です。今年はワクチンの製造に失敗しており、途中で予定を変更したため、ワクチンが全然間に合いませんでした。化血研のせいではありません。私の知る限り、このようなことは初めてです。

    例年より早く流行り始めたことと、去年、おととしの2年間は流行が軽めだったことから、今年は大流行するかもしれません。十分気をつけましょう。インフルエンザはマスクをしていても予防できません。ウイルスはマスクの繊維の穴よりはるかに小さいからです。ただ、ウイルスが体に入っても、体力があればかかりません。まずは体力をつけること、免疫力をアップすることです。

    栄養をとる。睡眠をとる。過労を避ける。くよくよ悩まない。ストレスをためない。部屋を暖かくして加湿する。こまめに手を洗う。むやみに目、鼻、口を触らない(このためにはマスクは意味があります)。ビタミンB群とCを十分とる。ねぎ、にら、にんにくなどを食べる。風呂でよく温まる。寝冷えしないようにすぐに寝る。薄着をしない。人混みを避ける。乾布摩擦をする。こういった生活の工夫で免疫がアップして感染を避けられます。それでも心配なら、免疫をアップする漢方薬もありますよ。