むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 冷え性

    冷え性の季節です。ひえは西洋医学では病気という認識がないためあまり治療法が存在しません。一方、漢方では冷えというのは寒熱虚実の中で寒証、虚証ということで、治療法が存在します。わたしは、漢方専門医の立場から、寒証、虚証向けの処方をしています。もちろん、理論通りに効いてくれるとよいのですが、なかなか冷えが取れない症例もあります。私自身も冷え性で、患者さんの体にじかに触ることがためらわれます。

    そんななか、アメリカからのビタミン輸入代行でiHerbというサイトがありますが、ビタミンCとEを買って飲んでみました。その結果、驚くことに、たった一回の内服で全く手足が冷えなくなりました。まだ今日が初日なので、なんとも言えないのですがこれほど効くのなら、使わない手はないと思います。なぜアメリカ製がいいかというと、1錠あたりの含有量が多いからです。

    結局、今日私が飲んだのはビタミンC1000mg、E400とBミックスという感じです。驚くべきことに、あっという間に手足の冷えが取れ、ぽかぽかしてきました。

  • 不定愁訴と漢方的考え方

    愁訴というのは患者さんの訴えのことで、咳が出るとか喉が痛いとか、そういう訴えのことです。それが2つ3つなら通常良くある話ですが、頭痛、めまい、汗が出る、動悸がする、足がむくむ、手足が冷える、だるい、朝起きられない・・・という訴えが一枚の問診用紙に書かれると、訴えが多すぎて大抵の医師は困ってしまい、不定愁訴(訴えが多彩)と言います。お手上げのことが多いと思います。

    なぜなら、めまいは耳鼻科、頭痛は神経内科、動悸は循環器内科という感じで、それぞれに専門家がいて、採血したりMRIを撮ったり、心電図をとったりして、やっと診断がつくものです。そういった訴えを一気に10個近くあげられると、自分一人の責任で診断(および除外診断:何々ではないと診断)するのは難しいのです。

    しかし、私たち総合内科や漢方内科を専門にしていると、そういった患者さんばかり朝から晩まで次々来られます。私たちは、このような訴え全てをまとめて考えます。採血や心電図くらいは必要ですが、全体的に「気の巡りが悪い」とか、「気が不足している」とか大雑把に把握することで治療方針を立てます。その方法で患者さんが治れば、細かい診断はあまりこだわりません。そういう考え方に納得いく人は東洋医学的な頭であり、どうしても診断にこだわる人は西洋医学的頭だと思います。

  • 薬物乱用性頭痛

    薬物乱用性頭痛と聞くと、なにか覚せい剤か麻薬のようなものを想像するかもしれません。じつは、どこにでもある鎮痛剤の乱用で頭痛が起こることを指します。

    頭痛の患者さんが、頭痛を治療するためにロキソニンや市販の頭痛薬などの鎮痛剤を飲みます。すると、いったんは頭痛が治まりますが、しばらくするとまた痛くなります。そしてまた頭痛薬を飲みます。そうしているうちに、鎮痛剤が原因となり、頭痛が起こるという悪循環に陥るのです。たいていの人は、鎮痛剤が胃に悪いというのは知っていますが、鎮痛剤を飲んで頭痛が起こるなんて、想像だにしないでしょう。長期にわたり1日に2-3回の鎮痛剤を飲んでいる人は、薬物乱用性頭痛を疑ったほうがいいかもしれません。

    このような薬物乱用性頭痛に対して、私のクリニックでは漢方薬を使っています。漢方を使うことで、頭痛が起こりにくくなるため、鎮痛剤を減らすことができます。頭痛が起こってしまった場合も、鎮痛剤でなく、頭痛を抑える漢方をまず試してもらいます。そうこうしているうちに、鎮痛薬による頭痛という悪循環が断ち切れるのです。最初の1-2ヶ月はいつもの鎮痛剤を使ってもいいと言いますが、次第に鎮痛剤を使うこともなくなってきます。鎮痛剤は胃潰瘍だけでなく、腎臓の機能を低下させたり、いろいろな副作用があります。飲み過ぎているかも、と思ったら、はやめにその悪循環から抜け出しましょう。

  • いいプレゼンとは

    明日は漢方の講演会で発表します。漢方薬の使い方のコツを30分程度話す予定になっています。少しでもわかりやすく、聞いてためになる講演にしたいと思っています。ところで昨日、前立腺肥大の勉強会があり、参加してきました。前立腺肥大とは男性の加齢に伴う現象ですが、おしっこが近くなって夜に3回以上トイレに行く場合は前立腺肥大の可能性があります。こういう夜間頻尿は特に冬場に顕著になります。あまり何度も起きていると睡眠不足になります。当院でも、このような夜間頻尿に関しては治療を行っていますのでお気軽にご相談ください。女性の場合は前立腺肥大でなく過活動膀胱の可能性があります。こちらもいろいろ有効な薬剤があるので、困っているときは恥ずかしがらずにご相談ください。

    その、前立腺肥大の講演会での話ですが、司会がタレントの生島ヒロシさんでした。流石にプロでした。講演をした演者の先生に、ズバリ言っていました。「素晴らしい講演、ありがとうございました。でも、私にはさっぱりわかりませんでした」それはそうです。専門家向けのコアな勉強会なので、素人が聞いても全く歯ががたつはずないのです。しかし、生島さんは続けました。「いい講演というのは、難しいことはやさしく、やさしいことは面白く、面白いことは深く」話すことが大切です、と。深イイですね。

    私たちドクターがドクター向けに講演するときはカッコつけているわけではないのですが、意味なく英語のスライドにしてみたり、というのがしばしば見受けられます。こういう自己満足は避けて、いかにわかりやすくメッセージを使えるか、というのは日本ではあまり指導されないような気がします。私がアメリカで医学部の学生に講義をしていたときは、講義の前日にプレゼンの予行練習をさせられて、スライドの作りがわかりにくいとか、話の展開をこのようにしたほうがいいとか、プレゼンの専門家からあれこれアドバイスをもらいました。このように、プレゼンのアドバイスを専門とする職員がいるのはアメリカらしいです。それにしても、生島さんのコメントは素晴らしかったです。

    桜十字病院のロビーにて

  • WindowsとOffice

    クリニックのあらゆるパソコンはマックです。電子カルテその他、全体がマックですので、必然的に自宅でもアップルのMacBookAirとiPad、iPodなどをいくつも使っています。それなのに私はWindowsも大好きです。なぜか、職場の医局に置いているノートパソコンだけはWindowsを使っています。マックを使い続けると、それに慣れてしまって、Windowsは使いにくいとか、フォントがきれいでないとか、いろんな不満が出てくるのですが、逆にどうしてもWindowsでないと困ることもあります。

    学会のスライドなどは大半がWindowsとマイクロソフトのパワーポイントを使うので、マックで作ったスライドを失敗なく映すには注意が必要です。最近はマック用のパワーポイントがあるので、ほとんど文字化けしたりはなくなりました。そんな中、先日の東洋医学会を主催するにあたり、やはりプロジェクターとの相性などもあってマックはうまくいかなかったらどうしようという心配がありました。自分がいち発表者ならなんてことないのですが、主催者ともなれば、全員分のスライドが滞りなく映って当たり前の世界です。失敗は許されません。

    そこで、うちの近所の中古パソコン屋さんに行ってパナソニックのLetsNoteというビジネス界では定番のノートパソコンを買いました。Core i5というCPUですからスペックは十分。3万5千円でした。WPSというオフィスと「ほぼ」互換性のあるソフトをタダでつけてくれたので、うちに帰って発表者からいただいたスライドを映してみたら、全く文字化けもなく問題ありませんでした。いやーWindowsは安いし、いろんなソフトがあっていいもんだ、と、久々にWindows愛です。

    ホスピタルメントさくら西館にて