むらかみ内科クリニック

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  • コーヒーを美味しく飲む方法

    食べ物は器によって味が変わるといいます。それは、プラスチックのトレイに入ったお惣菜をそのまま食べずに、陶器の洒落たお皿に盛り付けると美味しく感じるという視覚的な効果によるものだと思われがちです。しかし、実はそれだけではなく、器によって本当に味が変わることを体験することがあります。

    身近な例を挙げると、ビールを缶のまま飲むのと、よく冷えたグラスに注いで飲むのとでは、味わいが変わります。また、美濃焼のような陶器の器で飲むとクリーミーな泡が立ち、より美味しく感じられます。錫の器に入れると冷たさが際立ちます。前にイオンモールの陶器市でみつけた波佐見焼の保温性を高めた二重構造のマグカップでコーヒーを淹れると、驚くほど美味しくなります。普通のコーヒーカップに入れたコーヒーがいまいちに感じられるときでも、その波佐見焼のカップに移すとたちまち美味しくなるのは不思議なものです。

    最近、そのカップに負けず劣らずコーヒーが美味しくなるアイテムを見つけました。それは、500cc程度の魔法瓶(水筒、あるいはマイボトルとも呼ばれます)です。この魔法瓶に直接コーヒードリッパーを乗せてコーヒーを淹れると、香り高く深い味わいのコーヒーが出来上がります。魔法瓶の中のコーヒーの量が見えないので、カンに頼らずきちんと水を測ってケトルで沸かして淹れることがポイントです。同じ豆を他のカップで淹れても、それほど美味しくならないので、その理由を考えてみました。

    魔法瓶は筒状になっており、半分程度のコーヒーを淹れると、上半分の空間にコーヒーアロマが充満します。さらに、コーヒーカップよりも口が細いため、香りが逃げにくく、飲むときにコーヒーの風味だけでなく香りを存分に楽しめるのだとおもいます。あまりに美味しいので、最近では自宅でコーヒーを淹れる際は魔法瓶を使うようになりました。もちろん、保温力も抜群なので、飲み残したら蓋をしておけば温かさが長持ちします。

    さて、コーヒーの香りを楽しめる人は良いのですが、今週に入って花粉症が悪化した患者さんが急に増えてきています。鼻がグズグズしていると、コーヒーの香りや味わいどころではないかもしれません。目の奥や鼻の横辺りに痛みが出たり、歯が痛いように感じる場合、副鼻腔炎の可能性があります。

    副鼻腔炎の治療は耳鼻科では主に抗生剤を用いますが、漢方も効果的です。おすすめの処方は「辛夷清肺湯」です。コロナ後遺症で嗅覚が低下した方にも、この処方をしばらく使うことがあります。時間が経過している場合には、「荊芥連翹湯」「当帰芍薬散」「四物湯」などを併用することもあります。

    鼻に関するトラブルは、日常生活の質を大きく左右します。なかなか治らずに困っている場合は、お気軽にご相談ください。