土曜日は、クリニック開業以来最多となる半日で85名の来院がありました。もちろん午前中では終わらず、午後2時近くまで診療が続きました。昨日に引き続き、待ち時間が長くなり申し訳ありませんでした。平均で1時間待ちほどだったのではないかと思います。相変わらず発熱や胃腸炎の患者さんが多く、定期診察の患者さんに加えて来院数が増えている状況です。
さて、その慌ただしい診療が終わった後、午後から福岡で糖尿病の勉強会に参加しました。熊本でもこういった会にはよく参加するので、知った顔ぶれが何人も来られていました。最近はコロナ後、ようやくリアル(対面での)勉強会も復活しつつあります。もちろんWEB講演のほうが移動せず自宅から参加できるという利点も大きいのですが、実際に会場で参加し、同じ興味を持つ先生たちと雑談を通して交流できるのはとても楽しく、また、疑問があった際にお互い助け合える関係を築ける点でも、やはり対面の良さを感じました。
最近、採血結果の紙に「FIB-4」という検査項目が載っているものを多く見かけます。これは肝硬変の予測マーカーとされていますが、こちらが依頼していないにもかかわらず自動的に印字されることがあります。正直なところ、私自身はこの数値をあまり信用しておらず、迷惑だと思っていました。しかし、今日の勉強会でその検査項目の意義がやっと理解できました。参加していた友人に聞いても「そういうことだったのか」とみな今さらながら納得した一日でした。
もう一つ、検診でよく指摘されるのが肝機能異常です。軽度の場合、多くは脂肪肝と診断され、特に治療薬もないため「食事に気をつけること、運動をすること」と説明するしかありません。しかし、こうした一般的な指導では患者さんも「はいはい」と聞き流すだけで、効果的なアプローチとは言えません。私自身も、ただ説明するだけでは徒労に終わることが多いと感じていました。ところが今日の講演で、海外ではすでに脂肪肝の治療薬が開発され、臨床現場で使用されていることを知りました。日本はこの分野でかなり遅れていると痛感させられました。
講演の内容とは直接関係ありませんが、日本はどんどん貧困化していると感じます。物価の上昇がさらに生活を圧迫し、経済的に厳しい状況が続いています。実はアメリカでは、貧困層ほど糖尿病の発症率が高いことが分かっています。安くてお腹が満たされる食品は、高カロリー・高脂肪・高糖質のものが多いためです。一方で、お金持ちはサラダを食べ、ジムでランニング。貧困層はフライドポテトやポテトチップスを食べながらテレビを見る。この生活習慣の違いが、健康格差を生み出しているのです。

熊本駅中レストラン街「꼬끼오」(コッキオ)コケコッコー
