むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • めまいの原因はいろいろある

    今年は雨が多いですね。本来ならこの季節は冷房も暖房もいらない快適な時期なのですが、スッキリしない天気が続きます。そんな中、今日は診療のあとに漢方の講演会でした。テーマは「めまい」。こういった雨の多い時期はめまいやふらつきが多くなります。通常は梅雨時に増えるのですが今年は早くもいまごろめまいの方が来られます。めまいにはいろいろな原因があります。多いのは頭位めまいと言って、内耳の三半規管に耳石がひっかかったときに起こるもの。これはめまい体操をすると改善することがあるので、自力で治せるめまいです。めまい体操はYouTubeで見ることができるので、それを参考に真似してやっていただければ良いと思います。ただ、頭を動かすとめまいがするのに、頭を動かす体操ですから、ちょっと我慢が必要です。めまいがひどすぎるときは、とりあえず安静にして落ち着くのを待ったほうがいいと思います。

    その他家庭でチェックしてほしいのは血圧や脈拍です。低血圧でめまいがすることは多いです。若い女性などで通常から血圧低めで、何かの原因が重なってさらに低血圧になるとふらつくことがあります。貧血があると更に症状は悪化します。脈拍は通常1分間に60−70前後ですが、50を切るようならなにか異常があるかもしれません。トイレで力んだり排尿後に急に徐脈になることがあります。迷走神経反射といいます。これでふらつくときは、静かに横になっていると回復することが多いので慌てないでいただきたいと思います。逆にいつも以上に血圧が上がっているときも頭痛や目まいがすることがあります。血圧の薬を飲み忘れたとか、なにか理由がわかれば対処していただくと良いと思います。

    ストレスでめまいがすることもあります。メニエール症候群といい、繰り返しひどいめまいを起こす事が多いです。更年期で自律神経の乱れが起こりめまいがすることもあります。その他には、スーパーの陳列棚にたくさん商品が並んでいるのを見たり人混みなどでめまいがすることがあります。肩こり、首コリでもめまいが起こります。高齢者では、めまいじゃないけど歩くときに真っすぐ歩けずふらつくという場合があります。このようにいろいろな原因からめまいが起こっってきますので、一言にめまいに効く薬(漢方)はないかと言われても、その背景を考えないと適切な薬は選べません。

  • コロナが5類になって1年

    あっという間に4月も終わろうとしています。来週からはゴールデンウィークとなりますね。当院の診療はカレンダー通りとなります。4月30日、5月1,2日は通常通りです。幸い、最近はコロナやインフルエンザが減ってきており、連休後にまた急増する心配はないように思います。そういえば、新型コロナが5類に変更になったのがちょうど去年のGW明けからでしたね。あれから私達の生活も一気に変わりました。とても忙しくて慌ただしい1年でした。思い返すと遠い過去のような気がします。みんながマスクを外して街を歩けるようになったし、旅行も行ける、宴会もできる、自由というのは本当にありがたいものだと実感しました。この頃まで、ほとんど外出はせず、するときもマスクは2重にして、ゴム手袋をする、みたいな人がいましたが、さすがにそういう人も見なくなりました。家にこもりっきりで筋力低下(フレイル)とか、認知機能低下とか、抑うつ気味になった人も大勢いました。そういう2次被害的なものもだいぶ減ったと思います。

    家に引きこもると鬱になりやすいのはなんとなくイメージできると思います。ここで大事なのは、朝きちんと起きること、朝ご飯を食べること、朝日を浴びること、長い昼寝をしないこと、運動すること、などです。どれも引きこもりの人がちゃんとできていないことです。朝起きて朝日を浴びると目から入った光刺激で10数時間後に脳内でメラトニンという睡眠ホルモンが出てきて夜眠くなるリズムができます。また光刺激でセロトニンという気分を安定させる脳内ホルモンが増えてきます。メラトニンやセロトニンは光刺激も必要ですが、栄養素、特にタンパク質がその材料となりますから、肉や魚、卵などを食べる必要があります。ナッツ類も良いと言われています。また、そういった蛋白質をセロトニンやメラトニンに変換するためにビタミンB(特にナイアシン)やビタミンD、亜鉛、マグネシウム、鉄などのビタミン・ミネラルを必要とします。

    うつになりやすい人はそういった栄養をきちんと取っていない事が多いのは、診察中に聞いてみると明らかです。仕事が忙しくて朝昼ろくに食べない、コンビニのおにぎりとか菓子パンで済ます、夫や子供にご飯や弁当を作るが自分は余り物をつまむ程度しか食べない、などなど、カロリーは足りても栄養(ビタミン、ミネラル、蛋白など)が全然足りていない。新型の栄養失調です。

     

  • ツムラのはんこ(懐かしい思い出)

    先日から話題の生活習慣病療養計画書という書類を患者さんごとにプリントして説明し、サインを頂くという一連の作業をやってみました。一日を通して生活習慣病に関連する患者さん全てに書類を作成してサインを頂きました。多少の時間をとるもののなんとか診療時間内にできることを確認することができました。細かい詰めはまだこれから必要だと思いますが、一旦はこの方法で大丈夫だと確認できてホッとしました。今回の国の大きな方向転換についていけないクリニックは淘汰されていくことになると思います。こういうときに頼りになるのは相談できる友人です。特に同業の友人は同じ悩みで対策を考えているので、良いヒントがあります。私たち昭和生まれは、友人たちと定期的に飲みにいったりする世代なので情報交換もそういう会に参加すれば簡単です。若い世代になると、オンラインでZOOMとかチャットになると思いますが、そちらは時間と空間の壁がない分広くつながれる一方で、どこまで本音を引き出せるかがポイントになるかと思います。

    今日は診療が終わったあと、保険医協会の主催で診療報酬改定の説明会がオンラインでありました。これも上に書いた生活習慣病の話がメインでした。話を聞いていて驚いたのは、紙カルテにはんこを押して療養計画書を作る方法をレクチャーされていた点です。今どき紙カルテで・・。はんこを作って療養計画書を作る前に電子カルテを導入しないと、と思いますが、はんこは数千円、電子カルテは数百万ですからさすがに同じ土俵で話はできないのでしょう。

    はんこといえば、昔の診療所の診察机にはツムラの漢方の処方名が入ったはんこが100個以上並んでいたのを思い出します。カルテに漢字で葛根湯などと書くのに手間だからという理由です。なかには当帰四逆加呉茱萸生姜湯という長くて難しい名前もあるのでさすがにはんこがほしいのはわかります。電子カルテの時代になり、あのはんこは姿を消しました。私は電子カルテ用のパソコンにユーザー辞書登録をしているので「とうき」と打ち込むと「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」が出てくるようにしています。

  • こんにゃくデザートが最高!

    最近は雨が多いですね。ニュースで言っていましたが、熊本は例年の2倍以上の雨が降っているらしいです。そして、その原因はインド洋にある高気圧らしいです。ずいぶん離れたところの気象と関係するんですね。そういえば、エルニーニョも南米の海水の温度の話で、それが日本の気象に影響するみたいなので、天気というのは離れたところから影響し合って変化するんですね。それはともかく、週末ごとに雨が降るのであまりいろいろできません。

    最近、新市街にキンパ専門店ができたのをたまたまネットサーフィンしていて発見しました。昼ご飯にちょうどいいと思って買いに行ってみました。小さい店ですが店内で食べることもできます。しかし、日曜はWEB講演会もあり、スポーツジムにも行きたいし、ゆっくりしている暇はなかったのでテイクアウトしました。その足でイオンモールのジムへ向かったのですが、雨の日の日曜午後というのはすごく混み合います。カーナビで確かめたときはそんなに渋滞していないと思ったのですが、行ってみたら、モールに入る右折レーンが長蛇の列です。仕方ないので、おもむろにさっき買ったキンパを取り出して、むしゃむしゃ食べました。1本全部食べ終わってもまだ信号は進みません。右折レーンに並んでいるうちにランチが終了するなんて、なんとタイパ(タイムパフォーマンス)がいいんでしょう!我ながらサイコーです。

    ジムで5キロ走って、温泉で汗を流したらイオンモールに買い物に行きました。週末のルーチンです。最近気になってよく行くのがこんにゃくや豆腐を売ってあるコーナーです。お目当てはこんにゃくスイーツ。わらび餅風こんにゃくデザートなんか、本物と区別がつかないクオリティーです。今日見つけたのは抹茶豆腐。黒蜜をかけて食べるデザートです。豆腐とは思えない食感のデザートでした。他にも続々と新商品が並んでいます。どれも100円か150円ぐらいで買えるものばかり。いいもの見つけました。

  • 療養計画

    いつもはすごく混み合う土曜日は、めずらしく昼の12時頃に仕事が終了しました。午後は医師会ヘルスケアセンターで学校心臓検診でした。今回は高校生が多い一日でした。以前不整脈や弁膜症を指摘された人のフォローアップ検診ばかりでした。わたしが診察した皆さんは特に問題ない人たちばかりで良かったです。これで、安全な学校生活がおくれます。今年度の検診は今まさに各学校でされていることと思います。私も今週は熊本工業高校の1年生全員分の心電図をチェックしました。何百人分もの心電図をチェックして、精密検査になる人をピックアップしたので、そのうち数名は近いうちの精密検査になります。

    さて、今回の診療報酬改定で、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)の患者さんには療養計画書という書類を発行し、患者さんからサインをもらわないといけなくなりました。当院でもその書類の準備をしていたのですが、本日だいたいの手はずは準備ができましたので、来週からは療養計画書をお渡ししようと思います、該当の患者さんにはご面倒ですがサインをお願いします。なお、サインしてもらっても診療内容的には何も変わりません。窓口負担額もほとんど同じかやや安くなります。

    生活習慣病というのは昔成人病とよんでいました。高血圧や糖尿病は年を取るとおこってくるから成人病と言っていたわけですが、ある時から、成人になったからおこるのではなく、生活習慣が悪いから病気になるんだ、という理屈で生活習慣病と言うようになりました。それを受けて、生活習慣病の人は薬を飲むだけでなく生活習慣を改めるように指導をすること、というのが厚労省の言い分です。しかし、わたしが思うに本当に生活習慣が悪い人もいますが、なかには遺伝的素因で両親とも血圧が高いとかコレステロールが高いという人は生活習慣が悪くなくても血圧やコレステロールが上がってしまいます。そういうのを無視して、運動しろとか、間食を減らせというのはおかしい。それから、80歳も超えたくらいの高齢者には食事制限するよりしっかり栄養を取ってもらうほうが大事。そういった個別の対応なしに全部同じ様に生活習慣の指導をするなんて、かかりつけ医としては間違った行為だと思っています(ホンネ)。それはさておき、制度が決まったので、書類をお渡しします。ご協力お願いします。